人が「シェアボタン」を押す理由はここに #HyperlinkChallenge2015 #孫まで届け

Webメディアの記事、ライターの名前ってどれくらい覚えてますか?
Webで見ている記事、何個思い出せますか?

この業界の端っこで働いている私ですが、正直全然思い出せません。多分ほとんどの人がそうだと思います。記事が湯水のごとく溢れ、流れていく。でも、水モノを血へどを吐きながら生産している人がいる——そんな想いから生まれたんではないでしょうか。この「HyperlinkChallenge2015」は。

簡単に言うと「Web記事のアワード」です。アイスバケツチャレンジのように指名された人がベストWeb記事を選んで次の人にバトンを回すというもの(詳細は末尾にのせます)。

1番印象に残った記事

谷川俊太郎さん オタクな素顔 ひたすら好きな家電の話をする「詩の話より面白いなあ」 - 週アスPLUS

谷川俊太郎さんってオタクなんだよね」という一文目の破壊力。83歳の詩人とオタクのギャップに、殴られたような気持ちになりました。みぞおちに大打撃。

そんな衝撃から一転。谷川さんの受け答えは、好々爺そのもの。常に動き続けるWeb時間の流れと全く別のリズムを感じさせてくれるのです。

オタク(正確に言うとギーグかな)と詩——かけ離れたものですが、記事末尾にその必然性を匂わせてくれ、ラストは「夜のラジオ」という谷川さんの詩。衝撃から始まり、ラストではエモーショナルに。実に不思議な記事体験をしました。谷川俊太郎さんがこちら側の人だったことを教えてくれてありがとうございます。

自分が関わった中で印象に残った記事

SNSが若者の恋愛にもたらした壁——note

プライベートなブログでごめんなさい。去年は「漂わせ系女子」というトライブを見つけまして。今年は「(不完全な)エビデンス」を発見しました。こういうモヤモヤを言語化する仕事をしていきたいって思っています。

これ、タイトルと矛盾しちゃうんですけど、シェアの割にPVが高かったんです。cakesに載せてもらったり、この記事で投げ銭もらったり、反響がすごかった。シェア数多い=良い記事ってわけじゃないよねっていうお話。

お仕事系で印象に残ってるのは、初めて地方出張に行った
日本酒市場に革命を。伝統+革新+αで造る佐賀県産の日本酒が国内外で人気な理由

書きながらゾーンに入った
運命は変えられる。アジア人初のボストン・バレエ団トップダンサーが語る「不可能を越える力」
地球から夜を盗むことができるのか? 写真家が撮った「決して沈まない夕日」
が印象に残ってます。激しくポエミー。

おまけ

その他印象に残った記事を順不同に紹介させてください。

レイ・イナモト氏が新会社設立へ 展望とAKQA脱退の背景は——アドタイ

文字数は少ないのに情報がめちゃくちゃ詰まっていて、本文を抜き出してツイートしたい文章がたくさんありました。無駄と隙がないかっこいい記事。特に最後の一文が神がかってます。

50歳、今が一番“強い”です――インフォバーン代表 小林弘人さん (1/2)——ITmedia ヘルスケア

こばへんさんが鋼の肉体を持ってることは知っていました。でも、メディア王のこばへんさんに、ひたすら肉体について聞くなんて贅沢すぎる。

NOKKO「音楽が戻ってきた」 レベッカ8月に再結成——朝日新聞デジタル

ニュース記事かと思ってクリックしたら、ハイパーエモいインタビューでびっくりしました。「◯◯さんにインタビュー」っていうタイトルって意味ないなと改めて思わされました。

まさか俺が…HIV感染したゲイの話 Part2「薬の種類多すぎだろ…」——Letibee LIFE

これを書いた方は、メディアの方ではないのですが…あまりに壮絶で泣いてしまった。絶望しかない状況で人は何を想うのか。

「私は障がい者の人に差別意識を持っていたのです。たとえHIVにかかって、精神的に腐っても、人を差別するような人間だけにはなりたくない」という魂のこもった言葉に震えた。

レッチリのフリーの養蜂だけじゃない。変わった趣味を持つミュージシャン20人——NME

着眼点がすごい。NMEは、これまでの音楽メディアとは全然違う感じで大好きです。「地下鉄に乗るノエル・ギャラガーに負けない公共交通機関を使う8人の有名ミュージシャン」とか、もう神かと。くだらなすぎる。

なぜグーグルは「アルファベット」になるのか——東洋経済オンライン

単なるニュースも、解釈を提示されることで、グッと引き込まれるよなぁって思った記事です。事実そのままには感動も共感もできない。一読み手として、コンテクストが知りたいんだって思わされました。エモギーク。

シングルマザーの極限生活、昼夜16時間労働に「死ねって言っているようなものですね」——HuffingtonPost

正直、想像以上だった。私自身、母が幼い時に他界したこともあって、状況は違えど、父もそうだったのかなぁと。「お願いこの人を死なせないで」と思った。メディアはこういう役割を持っているよね。

美しくなるための「醜い方法」——Be iNSPIRED!

この文章見たときに、「新しい言語感覚だ」って思ったんです。強い色彩を放っているっていうのかな。同世代の女子で1番好きな書き手のYukaちゃん。Be iNSPIRED!はタイトルのつけ方がすごく鮮烈。

あと、企画で感動したのは、「東京カレンダー」のOL連載Webって連載には不向きだと思ってて。というか連載を楽しめたことがなかった。でも、これだけは毎回楽しみでした。

内容も「なんとなくクリスタル」のような、30年前くらいのテンションで書かれていて、逆に新鮮に感じました。人の劣等感を刺激してくるので、どうしても心が揺り動かされてしまう。

もうひとつが、「村上さんのところ」です。これ、今見れないんですよね。Webで参加を募って、バズらせて、書籍化する。新しい出版の形だなと思いました。「恋することで磨かれるもの」と「村の鍛冶屋のように」が好き。

さて、最後にこの企画の概要です。

【開催趣旨】
「SEOでは計れない、価値がある」

「ウェブだって、すごいんだぞ!」

「ウェブメディアだって、むくわれたい」

現状ではウェブメディアに対するアワードがない。しかし、作り手は日々葛藤しながら多くのコンテンツを作り出している。それらが時代の流れに乗って刹那的に消費されるだけではなく、その年ごとの記録を残すことで、資料的価値を持たせる(映画の「日本アカデミー賞」、ユーキャンの「流行語大賞」、書店員が決める「本屋大賞」をあわせもったイメージ)。

アワード形式にすることで、担当編集者・ライターを表彰することも目標のひとつ。

【概要】
・その年(前年12月〜本年11月)までに公開されたウェブコンテンツから印象に残った記事を2本だけピックアップする。1本は自らが執筆・制作に関わった記事、もう1本は他媒体で公開された記事とする。

・参加者はそれぞれの記事を選んだ理由を、ブログやSNS等にまとめて発表する。選考した理由もあることが望ましい。また、次にチャレンジを受けてもらいたい人物、印象に残った記事を聞いてみたい人物も2人〜3人程度指名する。

・記事制作後、次のハッシュタグを付けてTwitterにて報告ポストを投稿する → #HyperlinkChallenge2015 #孫まで届け

・なお、「孫まで届け」には、いずれ日本のソーシャルヒーロー孫正義さんまで参加してくれたら嬉しい、孫の代まで読まれていきたい、参加していただいた方に“ソン”はさせない、という気持ちが込められている。

・投票は、12月20日を持って集計〆切とする。

【評議会】
本年は(言い出しっぺの)下記4名により評議会を開催。有効得票数による部門別アワード(※予定)と、印象に残ったコメントをピックアップして(何らかの形で)報告する。
・藤村能光
・長谷川賢人
・佐藤慶一
・鳥井弘文

私は「北欧、暮らしの道具店」の長谷川さんからバトンをいただきまして。ノロノロしてたら「kakeru」のえとみほさんからも頂戴するという恐縮すぎる事案が発生しました。ということで、私からバトンを回したい方は…

1.ピースオブケイクの加藤貞顕(@sadaaki)さん
だって、noteを運営している方だもん。いちユーザーとしては創造主にお話伺ってみたくなります。それに、紙からWebまであまた記事をご覧になっている一流編集者は、何をもって「心を動かされた」と思うのか? 気になるのであります。

2.サイバーエージェントの尾田和実(@kazumioda)さん
ギズモード時代の上司だから…っていうのは、置いておいて。尾田さんはいつも2〜3年くらい先を見ていらっしゃっていて。サードウェーブもVRもブームの前から目をつけていた。下にいる私たちは尾田さんの「これいいかも」についていけばよかった。なので、尾田さんが選ぶ「今年の記事」には数年先が見えるのではないか…という甘えです。

***

振り返ると、私は「エモさ>情報」という価値基準で記事を判断していることがわかりました。っていうか、みんなが選んでる記事もだいたいそうだよね。単なる情報は通信会社の速報でいい。それ以外のものを見たいんだ。でも、それだけの時代はもうすぐ終わる。新しい次元に行かないといけないな、と思ったのでした。

Top Image / dordirk via Flickr

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嘉島唯

ライター関係

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