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スタートアップ起業家と投資家、立場が強いのはどっち?

起業家と投資家は対等な立場だと言われつつ議論の的になりがちなこの問いですが、結論から書くと投資家の方が強いです。
以下では、そう考える4つの理由について書いていきます。

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1. お金を持ってる投資家の方が強い

資本主義経済下においてはお金を持っている方が強いです。
お金を出す側とお金を出してもらう側であれば、当然前者の方が有利。

2. 非実行時のリスクが小さい投資家の方が強い

起業家が資金調達に失敗したらそこに待っているのは破綻です。
しかし、もし投資家がその企業に出資をせずその企業が大成功したとしても「チャンスを逃した」だけであり、それがすぐに倒産に結びつくわけではありませんし、次のフェーズでも再度の出資検討が可能です。

それどころか、もしその企業が結果として潰れてしまったら、出資しなかったことが正解となるわけです。
何が言いたいかというと、起業家の方が崖っぷちに立たされているため下手に出てしまいがち。

3. 場数を踏んでいる投資家の方が強い

1つのスタートアップが上場までに資金調達を重ねたとして、最大で5回程度の資金調達を行います。
しかしその経験の蓄積はあれど各資金調達のフェーズは異なることが多いため、優先株の条件設定などそれぞれの段階において新たな知識のインプットや対応が必要となります。
その一方、投資家の方はある程度定まったフェーズにおいて投資を行うため、過去の経験を次回の投資に活かすことがより容易です。

1回目の資金調達と100回目の出資であれば当然そこには情報格差が生じ、その気になれば投資家がそれを利用して自分たちに有利な条件設定を行うことも可能です。
たまにシードで数十%の株式を投資家に持っていかれたという話を聞きますが、ここらへんが原因。
まぁさすがにその場合は起業家側の知識が不足しすぎているとも思いますが。

4. 選べる選択肢が多い投資家の方が強い

日本国内には、現在約115万もの株式会社が存在します。
その一方、日本ベンチャーキャピタル協会に登録している企業はわずか76社です。
もちろん、CVCやエンジェル投資家なども存在するため実際のお金の出し手はもっと多いですが、これらのバランスは明らかに釣り合っていません。
つまり、より貴重な存在である投資家の方が強いわけです。

まとめ

起業家が投資家に対して有利に話を進めるためには、めちゃくちゃイケてるビジネスを作るしかありません。
しかし、もはやスタートアップ界の伝説ですらあるメルカリさんですら、出資を断られることもあったわけです。

ちなみに、投資家の方は「自分たちの方が強いです」なんてことは絶対に言わないわけです。
さらに、起業家も「起業家と投資家は対等」と一般的に言われていることや、もともと弱い立場であるので「投資家の方が強いです」なんてなかなか言えない。

念のため書いておくと、この文章を通じてどちらかを非難するつもりは全くありません。
ただ、構造としてこのような図式が成り立っているということは理解しておくべきだと考えています。
これは違うだろというご指摘があればぜひコメントいただきたいです。

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ITベンチャーに新卒入社後2012年創業 複数回エクイティ・デッドでの資金調達を行い各種事業を行う 2015年に既存事業譲渡と訪日旅行者向けWebメディア立ち上げを並行しつつ、 2016年にフジメディアホールディングスグループに数億円でバイアウト 2019年から福岡で2度目の創業