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コミュニティタッチとはなにか? - 3つの分類と10事例

こんにちは!「ユーザーとなかまになれる」コミュニティタッチツール 【commmune】 を提供しているDayone 株式会社の高田優哉です。

先日の記事で、サプリメント事業を畳んでコミュニティタッチに挑むことになった経緯を記述しました。
*一緒にやっている橋本のバズりまくった退職エントリはコチラ

その後記事を読んだ友人から「そもそもコミュニティタッチって何なの?」とメッセージが来ました。

そうでした...コミュニティという曖昧で広い概念が多方面で盛り上がっていて、結構分かりづらいですよね...

そこで今回は、コミュニティタッチとは一体なんなのか?を体系化したいと思います。

個人的には、コミュニティタッチの本質は「ユーザーとの共創関係の構築」にあると思っています。
ゆえに、企業活動のどの部分にユーザーのちからを活かすのか?がコミュニティタッチの分類に適していると考えています。

イメージしやすいように実際の事例を交えながら紹介していきますが、目的は大きく3つに分類することができそうです。


0. サクッとまとめてよ!

全部読む時間のない方もいると思うので、下記、コミュニティタッチの目的をまとめておきます。

もちろんすべてを実現することが理想ですが、いきなりすべてを網羅しようとすることは当然難易度が高くなります。

最優先事項は何なのか?なんのためにユーザー接点を設けるのか?コミュニティ立ち上げ前に考えてみるのがよさそうです。

1. 製品開発 (R&D)、サービス改善に向けたユーザーアイデアをもらう 
2. ユーザーの声を活かしたコミュニティマーケティング
3. カスタマーサクセス (サポート) の場としての活用

以下、3つの分類の詳細と事例をご紹介します!


1. 製品開発 (R&D)、サービス改善に向けユーザーアイデアやフィードバックをもらう

製品についての消費者目線のアイデアや、ロイヤルユーザーからのサービスについてのフィードバックは貴重ですよね。

もちろん問い合わせ対応でお客様の意見を聞いたり、Twitterで自社製品についてエゴサーチをして製品づくりのヒントをもらうことはできますが、悪口ばかりだったり、詳細についてユーザーに聞くことも出来ないし、そもそも本当に買ってくれたお客様の投稿かどうかもよくわからない・・・ということも。本当に価値ある示唆を見出すのは難しいものです。

公式ユーザーコミュニティを活用することで、アイデアやフィードバック収集も下記のようにより良く行うことが出来ます。

1. ユーザー情報と紐付けると「だれ」の意見かわかるので、解像度が高い

2.
ポイント付与やプレゼントなどのインセンティブ提供を通じて、よりよいアイデア出しやフィードバックを促進できる

3.
ユーザーにとっても、コミュニティがあることでアイデアが「受け止められた感」があり、納得感が高い

4. 一つのアイデアに対しての複数ユーザーの意見が聞け
、企業として検討しやすい

実際に活用されている事例として、国内では例えば無印良品のIDEA PARKがあります。

週に一度は、製品開発を中心として各部門のキーパーソンが集まり、IDEA PARK内でもらったアイデアを一つ一つ検討しているとのことです。

また、海外事例ではSpotifyの取り組みが有名です。Spotifyでは月次でコミュニティで出たアイデアの反映状況をレポートにしており、製品開発に繋げることはもちろん、反映しなかったアイデアについても「なぜ反映しなかったのか?」を視える化しています。

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この取り組みを通じて、製品を改善し"機能的満足度"を向上するのはもちろんのこと、「アイデアを言える場がある!」や「反映された!」といった体験を通じて、ユーザーの"感覚的満足度"も高めているんですね。

また、完全食の先駆けであるソイレントも、ユーザーとの共創の場としてコミュニティをつくっています。


2. ユーザーの声を活かしたコミュニティマーケティング

いま、潜在顧客が購入検討にあたり最も重要視するのは、既存ユーザーや信頼できる友人の生の声 = すなわち口コミです。

例えば食品会社のコミュニティにおいて、当該企業の商品を使ったレシピがユーザーによって投稿されると、まだ買ったことのない人にとっても商品活用のイメージが湧き、購買意欲につながったりしますよね。

既存ユーザーが行う投稿やコメントは、UGC (ユーザー生成コンテンツ) となり、潜在顧客に対する大きな影響力を持ち、コミュニティをうまく運用することで、コンテンツマーケティング効果が見込めます。


また、コミュニティを通じてユーザーの満足度が向上することで、見込み顧客の紹介(リファラル)に繋がるという点も売上貢献として期待できます。

日本における事例としては、スノーピークやKAGOME などが挙げられます。

KAGOMEでは、&KAGOMEというコミュニティを運営しており、なんと2.5%のファンが売上の3割を生み出しているとのことです。

また、海外ではコミュニティマーケティングは極めて一般的で、SEPHORA(化粧品) やAT&T(通信会社)など多くの企業が取り組んでいます。


3. カスタマーサクセス (サポート) の場としての活用

すべてのユーザーの悩みに人力のみで対応することは難しいのが実情です。

例えばカスタマーサポートを例に取ると、対応時間が限られていたり、そもそも電話するハードルが高く悩みを放置されたり、同じ質問を何度もされたり...
また、身近には自分と同じような境遇の方がいなくて相談できなかったり、習い事などひとりだとモチベーションがあがらなくて...ということがありますよね。

コミュニティタッチがうまく回ると、使用歴が長いユーザーが使い始めたばかりのユーザーの質問に答えたり、カスタマーサポートでは対応していないポイントについてユーザーがまとめてくれたりと、ユーザー間でカスタマーサクセスやサポートをしあう場としてコミュニティが機能します。

また、コミュニティでのコンテンツの蓄積は集積知となり、サービスについての辞書的な役割を担うようになっていきます。

企業向けサービスのコミュニティ事例であればGoogle広告主コミュニティ (旧 Google Adwordsコミュニティ)、消費者コミュニティであれば、MVNOのmineoのコミュニティ「マイネ王」fitbitコミュニティなどが挙げられます。

Googleは、20以上のサービスについてコミュニティを通じたカスタマーサポートを行っており、コミュニティ活用をリードしているプレイヤーといえます。

また、海外ではSaaS市場の時価総額上位50社のうち45社 (90%) がカスタマーサクセスのためのコミュニティタッチを行っており、企業向けソフトウェア領域では最も多い利活用の仕方であると言えそうです。

終わりに

もちろんここに上げた分類以外にもコミュニティの形はありえると思います。
また、企業コミュニティがうまくいく、いかないはテーマだけで決まるものではありません。 

しかし、「このコミュニティの目的を一つだけあげるなら、何なのか?どんな価値を提供したいのか?ユーザーはうれしいのか?」を考えることが、コミュニティ施策で最も重要なことかな、と思います!

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今後このnoteでは、下記のような記事を書いていく予定です!興味がちょぴっとくらいあったら、フォローお願いします〜!
・海外イケてるコミュニティ事例 (つづき)
・BtoBの領域でも、コミュニティタッチって意味あるの?
・実際の運用ってどのくらいリソースが必要なの?
・企業コミュニティ稟議通らない問題について
・企業コミュニティKPI設定しづらい問題について

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