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カネコアヤノ ロマンス宣言

まず一発目。カネコアヤノの表情に惹きつけられる。どこか違和感のある表情。緊張してるのか?目を大きく開いて表情が定まらない。
歌謡曲のようなメロディを加速させる淡いモノクロ、スタジオ感、書体。これですでに自分の中に仕掛けられている。

スタジオかと思いきや渋谷の交差点。一気に現代感。ここで驚き。そしてそこまで惹きつけてやっとカネコアヤノの動きに迫る奥山。ルーズなカメラで捉える。さらにそこに対峙する人間の興味も(後付け?)ズームで表現する。

かと思えばまた奥に壁が見える。こういう系ねと思うと、そこから曲が一気に加速する。すると映像はそのスピードをさらに加速させ盛り上げるようにこまどりのように素早く映像が変わる。写真技術というもののもつ古臭さ?それが歌謡曲感とマッチしていく。
カネコアヤノの衣装、ヘアメイクはその辺強く意識されている?

そしてコマ撮りごとに照明が変わって印象が変わり続ける。街頭の下とかスタジオの中とかいける。

そして場所が海に変わる。こまどりだからこれなら確かに場所変えまくれる。やられた。

海のカネコアヤノは曲をバカンスっぽくする。さっきのとは印象が違う。バカンスの楽しさ全開。

また場面変わってトンネル。
トンネルから自転車で疾走する。
シャボン玉が出る自転車。エモーションの増幅。曲の印象を増幅するスピードチャリ。

そして最後、最初につながる。ここで最初のカネコアヤノの表情の違和感が回収される。
歌謡曲の昭和感、機械技術の古臭さは存分に発揮しながら、現代の他の映像も利用してその中でこれをやる意味について新しいセンスを当然感じるので、それを踏まえてミックスしてる。
時間をスローにする遅すぎないスロー。視界の端っこにあって見逃してしまうような普通の時間を引き伸ばして見えるようにする奥山。
シャボン玉の飛んでいる自転車がすごくそんな感じがする。

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