見出し画像

ユニコーンに エミネムも投資するスニーカーのナスダックStockX

スニーカーの転売マーケットプレイスStockXが10億ドルの評価で資金調達するという記事を見かけ(確定情報ではない)

スニーカーのマーケットプレイスがユニコーンに???と気になったので現在の数字や展望、日本市場について調べました。

StockXはモノの株式市場

スニーカーのナスダックと書きましたが、彼らのサイトを見ると「THE STOCK MARKET FOR THINGS」と掲げています。

実際、時計やスウェットの取り扱いも始めていることから、最終的な姿はリセール価値のあるもの全般を扱う「モノの株式市場」です。

CEOのJosh Luberは将来的には、スニーカーや高級消費財のインデックスを作りたいと言っています。

StockXの仕組み

簡単にどんなプロダクトかフロー形式で紹介します。

1. 気になるスニーカーを選択する

これは「AirJordan」で絞り込んだ一覧ですが、この中で気になるスニーカーを選択します。

2. Bid/Askができる

それぞれ個別のスニーカーページに飛ぶと、現在の価格とBid/Askが表示され、入札できます。

3. Buyを押すと注文画面に

注文画面に飛ぶと、いくらで買うかの金額を最低価格以上で自由に入力します。(即座に購入することも可能)

あとは、決済方法を選んだりして終わり。オファーが通れば取引が成立します。

・価格交渉が不要・オークション形式ではない
・運営がチェックしていて、本物だと安心して買える

点が他のマーケットプレイスとは異なるところです。特に市場が価格最適化してくれるのは魅力。

他にも、、、

板がある

スニーカー板

View All Bids/Asksをクリックすれば板を見ることも出来たり

下の方にスクロールすると

チャートがある

チャートや売買履歴などの情報が表示されていて、ホントに株式みたいです。

ポートフォリオもある

ポートフォリオのタブをクリックすると、他のユーザーのポートフォリオを見ることも出来ます。

本格感が増し、収集欲を駆り立てる興味深い機能です。

ポートフォリオ詳細ページ(カッコいい)

ビジネスモデル

StockXは取引市場を提供し、売買の仲介をします。取引が成立すると、売り手はStockXにモノを発送し、StockXはそれが本物かどうかをチェックします。

それで問題がなければ購入者に発送し、売り手に払込をします。

このとき、StockXが収益を上げるのは取引手数料です。

取引手数料は売り手の実績によって、8 - 9.5%の間で幅が設けられています。あとは、ここに支払手数料が3%乗ってきます。

また、売るモノによっても異なり、バッグだと14.5%の手数料がかかります。

ユーザー数・GMVと市場環境

未上場なのでかなり少ないですがStockXのデータです。

登録ユーザー数:300万人(2018.7時点)
GMV:年間7.3億ドル(2018.7時点)

競合GOATの1年で300%のユーザー増加から計算すると、StockXも推定ユーザー数1000万人規模にはなってそうです。

また、世界のスニーカーのリセール市場は10億ドルと言われています。(StockXは60億ドルだと…)

USのアパレルリセール市場

USのアパレルリセール市場全体は240億ドルあり、2023年には510億ドルに達する勢いで伸びてます。

しかもアパレルはリセール市場全体の半数を占め、最もデカイカテゴリです。

リセール市場のカテゴリ別構成比

StockXは現在、スニーカー以外に

・ストリートウェア
・時計
・バッグ

に進出しておりアパレルだけでかなりアップサイドがあります。

主な競合

GOAT

GOATもカテゴリとしては、スニーカーのリセールマーケットプレイスです。モノ・カネの流通フロー自体はStockXと同じで、手数料はベースの9.5%+販売者の実績に応じて加算されるカタチです。

中古品も取り扱っている点は異なります。

彼らは2019年1月時点で1100万人のユーザーを抱え、1年前の250万人からYoY300%以上の成長スピードです。

Accelなどから累計2億ドル調達しています。

Stadium Goods

去年の12月、Farfetchに2.5億ドルで買収されたスニーカーのリセールマーケットプレイスです。

委託販売というスタイルで、前の2社とは異なります。商品の保管・販売・発送をすべて任せることができます。

手数料は20%取り、2017年には売上高1億ドルだったよう。

Forerunner Ventures等から累計1700万ドル調達していました。

日本のプレイヤーと市場

では日本の市場はどうなっているか。まずはいくつかプレイヤーを見てみます。

PremaX

スタートアップのPremaXです。スニーカーとストリートウェアのマーケットプレイスになっています。コーポレートページに飛ぶと、「商品の取引所」と謳っており、StockXにかなり近いサービスです。

モノカブ

モノカブも同様にStockXをモデルに作られているよう。

インタビューもあります。

atmos

atmosはスニーカーをメインに扱うセレクトショップのEC。なのでリセール市場というくくりではないですが、ECの売上高は40億円強あり、オフラインも合わせると年売上高100億円はあるようです。

市場環境

日本のカジュアルスニーカー市場は1600億円(2017年時点)で、前年比で14%ほど成長していました。スポーツシューズという少し大きな括りにすると、5000億円ほどの規模です。

参考までにABCマートのカテゴリ別の販売を見ると

ABCマート 2019年度2月期決算短信

スポーツシューズで売上高1556億円あり、前年比7.9%伸びています。ただ、プレミア付くスニーカーとはやや毛色が異なりますが。

資金調達変遷

2016.11: 不明
2017.2: シリーズAでDetroit Venture Partners、SV Angelなどから600万ドル調達
2018.9: シリーズBでGV、Battery Ventures、Salesforce CEO Marc Benioffなどから4400万ドル調達
2019.4: DST Globalなどから調達??

シリーズAのラウンドでラッパーEminemや歌手のMark Wahlbergなど他にも有名人から調達しています。

最後に

以上です!!

・・・

Twitterよかったら→@yu8muraka3

お茶しましょう〜 DM→@yu8muraka3