見出し画像

小西利行さん ~伝わっているか

今月かられもんらいふデザイン塾生として勉強しています。

すでに第二回を先日終えたのですが、そのときの講師が小西利行さんでした。事前に予習を込めて以下の本を読了しました。


小西さんはコミュニケーションの方法において、「格差の無効化」をするのが意図とのこと。

格差の無効化のわかりやすい例として「眼鏡」があります。
眼鏡がないと視力が弱いだけで「視覚障害者」のレッテルが張られます。

眼鏡がその視覚の格差をなくし、視覚があろうがなかろうが扱われ方が変わらなくなる、これを格差の無効化とするそうです。

この本はコミュニケーションの仕方、考え方のうまい下手によって、格差をなくそうという意図があります。

まさに私なんてコミュニケーション弱者でして、人とうまく共感できないし、伝わらないし、相手の感情を揺さぶれない、そんな人間です。

世の中は作っても売れない、良いものを作っても売れない、受け入れてもらえない、そんな時代になっています。

何が売れるのか、何が受け入れられるのか、それは共感と共有したい感情ということです。

今物事はシンプルじゃないんです。わかりやすくもない。良いものを作ればヒトはモノから幸せや喜びを単純には感じられません。
良い炊飯器を作ったらヒトは喜びを感じるかっていうと、炊飯器は家にあるし困ってないし別に。なんです。

すると良い炊飯器とは何をヒトに与えるものなのか。

以前、sirocaさんのカンブリア宮殿か何かを見ました。

土鍋で炊いたようなご飯を再現する炊飯器なんですが、

「孫がはじめておかわりをした」
「2人の食卓にはまた笑顔が戻った」

まさによい炊飯器が与えるものとはこのことなんですが、シーンを具体的に提案しないとヒトは食いついてこない。
(個人的にはカンブリア宮殿でこの炊飯器を作っている開発者が土鍋職人に認められたシーンで開発者が泣いているのが強烈なワンシーンでした。もちろんFunctionに対する熱量も本物)

つまり「共感」されないってことなんです。

この動きは企業→顧客だけにあらず、顧客→顧客にも起こる。
つねに顧客はリアルな状況を欲しがっていて、友人に「いいよ」って勧められたものが共感できれば売れてしまう。

ということは周りに共有したい感情が起こるのかというのも大事な要素になるわけです。

ということは売れる、成功する、受け入れられる答えは相手(自分ではないところ)にあるということ、そこにツボをつけるのかが大事。

そういう意味でコミュニケーションというのは大事なのです。

この共感にはお膳立ても結構必要です。
何せヒトは今より幸せになりたいが、どうすれば幸せになればいいかわからない。一昔前は生活が豊かになれば幸せだったのですが、今はもう豊かなのに今ひとつ幸せでない。

このお膳立てがVISIONというもので
「一歩先行く未来の幸せな世界」をまず提案します。

アスクルのビジョンが

お客様に、社会に、働く仲間に、
最高のHAPPY(価値)を。

ですね。具体的ではないんですが、より良い未来を作ることを示唆してます。これがビジョンです。

しかしビジョンではヒトを動かすことはできない。最高のHappyのためにどうしたらいいのか。それがコンセプトだそうです。

いつでも、どこでも、誰にでも。
欲しいものを欲しいときにお届けする革新的生活インフラを
最もエコロジーなかたちで実現する。

これは企業側のコンセプトですね。どうHappyにするかっていうと、この手段、考えで実現するよ(実現できるよ)ってこと。そして良いコンセプトはActionを引き起こすもの。
従業員側としてはこれを軸にして企画を考え戦略を立てるということです。
(立てよう、立てたいと思わせるのがよいコンセプト)

コンセプトには企業側にもあるし、お客様側(商品側)にもあって、

「孫がはじめておかわりをした」
「2人の食卓にはまた笑顔が戻った」

は、商品のコンセプトで、このイメージでHappyになると思えればよいコンセプトということになります。


ふと書いていて思ったのが、ではリードする側はどちらなのか。

ビジョンを作る企業か
共感の答えをもつお客様か

であると、やっぱり企業側なのかなと思うのが個人的見解。
昔より今のほうが「よい未来」ってわかりずらいし個々のお客さんが未来に対してそこまでクリエイティブじゃないと思う。

ただ企業側としても感情に訴えられないビジョンはやっぱりウケなくて、たぶんウケるビジョンの原体験は「ひとりのお客さんだった自分の経験」だったりするんだろう。

だから熱量が必要だし、自分が好きなもの、感動したもの、が一番ウケたりする。だから相手に答えはあるけど、相手ってつまり自分だったり。

正解を相手に求めるより、本当のとこ自分はどう考えてんの?が重要だったりする。それが相手に伝わる、のかな。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?