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ゴースト・フェイスの一件

『スクリーム』というホラー映画の殺人鬼に憧れがある
現在6作まで作られているこの映画では一貫して殺人鬼は叫び顔の白いマスクに頭から足元までスッポリと覆う黒装束を着ている。これがかっこいい
中身は超人ではなく普通の人間なので狙った相手にちょくちょく逃げられるところも可愛げがあっていいし、ネタバレになるので細かくは説明しないけど、出自や家族にいつまでも引っ張られて優しさや共感性を得るための成長を失っている点もいい
昔から映画の殺人鬼への憧れは強かったけど『ハロウィン』のマイケル・マイヤーズや『13日の金曜日』のジェイソン・ボーヒーズ『エルム街の悪夢』のフレッド・クルーガーなんかは強靭な肉体と意思が俺とあまりにも遠すぎて模倣することを挫折してしまった
でも『スクリーム』のゴースト・フェイス(殺人鬼の名称)はどこか手の届く範囲にいてくれて、
あの衣装さえ着てしまえばちっぽけな自分が消えて煩わしい人間関係にも将来の不安にも悩まない怪物になれるような安心感がある
マイケル・マイヤーズ達のような70年代の殺人鬼からすれば90年代の殺人鬼であるゴースト・フェイスは子供の世代だ
経験と根性で殺人鬼の礎を築いてきた親世代と比べてなんて頼りない世代だろうと思う
でもそこがいい
誰かの真似っ子でしかなくても、ひねくれていても勝ちを目指しているなんてかっこいいじゃないか

いつか到達できそうなところに、いつまでもいておくれよね

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