柚夢と不思議な転校生編 第2話「同志」

フーナ「柚夢、落ち着いて!朝も言ったでしょ?私はあなたの味方よ☆」
柚夢「味方ってどういうこと?」
フーナ「そのままの意味よ♪」
柚夢「いや、そのままの意味って言われても...」
フーナ「そのまま、は、そのまま...味方、つまり仲間ってこと♪」
柚夢「仲間ってのはわかった、それはまぁいいや...でも、なんで私の事知ってるの?今日初めて会ったはず、だよね?」
フーナ「そうよ、私たちは今日初めて出会ったわ。でも、私は柚夢に会うのをずっと待ち望んでいたの!」
柚夢「どゆこと?」
フーナ「どーゆーことだと思う?」
柚夢「え〜、そこで溜めるの〜⁉︎」
フーナ「ふふっ、冗談よ、冗談♪話せば長くなるんだけどね...」

そう言いながら、フーナは何故自分が柚夢の事を知っているのかを語り始める。

フーナ「私も小さい頃からずっと風船が好きで、小さい頃は友達とよく遊んでいたんだけど、小学生・中学生・高校生と上がるにつれて、その数は減っていって...気づいたら独りになっていたわ...それに勘付いた母はどうにかしたいと色々手を尽くしてくれたの。そんなある日、母は私に1人の女の子が写った写真を差し出してこう言ったの『日本にあなたと同じように風船がとっても大好きな娘がいるって会社の人からこの写真を渡されたの☆あなたさえ良ければその娘のところに行ってみない?』って」
柚夢「それが私?」
フーナ「ええ♪」
柚夢「ふ〜ん...なるほどねぇ...」
フーナ「でも、おかしいなぁ...」
柚夢「何が?」
フーナ「その娘、つまり柚夢にもこの事は伝えてくれてるって話だったから、最初から軽々しく声かけたんだけど、まるで何も知らない反応だったから、もしかして...って思ったら、ホントに何も知らなかっただなんて...なんか悪いことしたかなぁって」
柚夢「ねぇ、センバーさん。」
フーナ「フーナでいいよ♪」
柚夢「じゃあ、フーナちゃん。フーナちゃんのお母さんって何のお仕事してるのかな?」
フーナ「ん?ゲーム会社に勤めてるけど?それがどうかしたの?」
柚夢(もしかして...)
「フーナちゃん、ちょっと待っててもらっていいかな?」

柚夢はそう言って、携帯を取り出しフーナから少し離れて、『ある人』に電話をかける

フーナ「?」
柚夢『あっ、もしもし、お母さん?ちょっと話があるんだけど...うん、うん、そう、フーナちゃんのこと。うん...やっぱり...えっ、うん、うん...って、はぁっ⁉︎...あっ、いや、大丈夫だけど...急だったからビックリしただけ。うん...わかった...うん、はいはい、んじゃまたね☆お父さんにも元気にしてるって伝えといて♪』

母との話を終え、電話を切った柚夢がフーナのところに戻ってくる。

柚夢「思った通りだったよ...」
フーナ「何が?」
柚夢「気にしないで、こっちの話だから...とにかく、話はわかったよ☆それじゃ、これからよろしくね、フーナちゃん♪」
フーナ「よろしく、柚夢♪」
柚夢「昼休みももうすぐ終わるし、そろそろ教室に戻ろっか。ところで、フーナちゃんはお昼食べたの?」
フーナ「う、うん...ちゃんと食べたよ?」
柚夢「そっかそっか、ならいいや。」

こうして2人は風船好きの同志という名の友達となるのであった。

柚夢「てかさ、フーナちゃん日本語うますぎじゃない⁉︎ホントにアメリカから来たの?」
フーナ「まぁ、今の在日外国人って日本人より日本語出来たりする人もいるじゃん?そんなものよ♪」
柚夢「そんなもの...なのかなぁ?」
フーナ「まぁまぁ、細かいことは気にしない〜♪」

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