柚夢と不思議な転校生編 第4話「フーナの力」

柚夢「それで、結局どうやって風船を浮かばせていたの?わざわざ話数をまたいでまで溜めたんだから、拍子抜けするようなオチはやめてね?」
フーナ「大丈夫大丈夫!きっと柚夢はすっごく驚くんだから〜♪」
柚夢(すごいフラグ臭しかしない...)
フーナ「実はなんと!私は自分の吐いた息の浮力を自由に変えることができるの〜!」
柚夢「浮力を変える?それってどうゆうこと?」
フーナ「浮力が物を浮かせる力っていうのは分かるよね?」
柚夢「うん。」
フーナ「私の吐いた息は私のコントロール次第でいくらでも浮力を上げたり下げたりすることが出来るの♪ただし、マイナスにすることは出来ないけどね。」
柚夢「うん?うん。」
フーナ「まだイマイチ理解しきれてないみたいね〜...そうだ!直接、体で教えてアゲル♪」

フーナはそう言うと、柚夢の唇に自分の唇を軽く当てた。

柚夢「んにゅ⁉︎」

急にキスをされて驚く柚夢のことも気にせずに、フーナはそのまま息を少し吐き柚夢の口の中へと送り込み、すぐに唇を離す。

柚夢「ちょっ⁉︎いきなりどうしたの、キスなんかして⁉︎」
フーナ「これで、柚夢の中に私の息が入ったわ☆それがどうゆうことか分かる?」
柚夢「えっと...フーナちゃんは自分の吐いた息の浮力を自由に変えることが出来て、浮力は物を浮かせる力で、フーナちゃんがさっき私にキスを...って、女同士とはいえ、いきなりキスは恥ずかしいよ!」
フーナ「そこをツッコむの⁉︎」
柚夢「だって、いきなりだったんだもん...////」
フーナ「そうゆうのいいから...それで結局どうゆうことなのか分かったの?」
柚夢「えっと、分かんない。」
フーナ「分からないなら正解を教えてあげる♪つまりはこうゆうことよ!」

フーナの言葉と同時に、柚夢の体が少しずつ上に引っ張られるようにピンっとなる。

柚夢「えっ、何?何が起きてるの⁉︎」

突然の出来事に柚夢は驚くが、為すすべはなくそのまま空中へと引っ張られるように足が地面から離れていき、少しずつ浮かんでいった。

柚夢「えっ、待って、もしかして...私浮いてる〜⁉︎」
フーナ「そうよ〜、これが私の力♪風船だけじゃなくて、人さえも簡単に浮かせることが出来ちゃうの☆どう?すごいでしょ?」
柚夢「すご〜い!フーナちゃんにこんな力があったなんて...で、私はどこまで浮かび上がるのかな?このままだと...」
フーナ「このままだと?」
柚夢「天井にぶつかっちゃう〜!」
フーナ「おっとと、そうだった...今浮力を下げるからね〜☆」

フーナがそう言うと、かなり浮かび上がって天井スレスレだった柚夢の体がゆっくりと下降していき、そのまま地面に降り立つ。

柚夢「ふぅ...危なかった〜。もう、ちゃんと加減してよ〜、もうちょっとで頭ゴンだったんだからぁ!」
フーナ「ごめんごめん...それより、柚夢も一緒に風船遊びしよ?」
柚夢「いいよ〜!せっかくだし、とっておきも出そうかな♪」
フーナ「とっておき?」
柚夢「えへへ〜♪」

柚夢はにっこりしながら、押入れを開けて何かを取り出す。

柚夢「じゃーん!」
フーナ「それってもしかして...観測気球⁉︎」
柚夢「当ったり〜♪フーナちゃん、よく知ってるね〜☆」
フーナ「もちろんよ♪でも、カタログとかで見たことあるだけで、実際目の当たりにするのは初めてかな?膨らます前でこの大きさってすごいね☆」
柚夢「すっごいでしょ〜♪ちなみに、これは4Fサイズだから規定サイズで120cmなんだけど、観測気球ってすごくって、膨らまそうと思えば規定サイズの2倍以上は膨らんじゃうの♪」
フーナ「すごいんだね!」
柚夢「それで〜...(ニヤニヤ)」

柚夢はニッコリと微笑みながらフーナに目を合わせる。

フーナ「なるほど、そうゆうことね☆だったら、私にまっかせなさ〜い!」

フーナはそう言うと、観測気球の口に自分の口をつけてふ〜っと一息だけ息を吹き込み、そのまま口を離した。

柚夢「えっ、一息だけ?それじゃ全然おっきくならないよ?」
フーナ「まぁまぁ、慌てないで♪まだまだこれからなんだから☆」
柚夢「?」

フーナの言葉に柚夢は首を傾げていると、観測気球がゆっくりと少しずつ大きくなり始めた。

柚夢「えっ?どゆこと?もしかして、これもフーナちゃんの力で⁉︎」
フーナ「ご名答〜♪私はね自分の吐いた息が含まれた物体の大きさも変えることが出来るの☆実際は、私の吐いた空気の大きさを変化させることでその物体を大きくしてるんだけどね。だから、元々の大きさより小さくすることはできないんだけど、代わりにどこまでも大きくすることは出来るわ♪あと、吐いた息を操作することで、息が含まれた物体を動かすことも出来ちゃうの♪その物体の大きさによって範囲は決まってるんだけど。だから...例えば、こんなことも出来ちゃうのよ?」

フーナがそう言った瞬間、柚夢の体が再度少し浮き上がりそのまま、フーナの目の前に動いていく。さらに、柚夢の体がゆっくり膨らみ始め、だんだん球体へとなっていく。
服は上下にずれ下がり、まん丸になった柚夢のお腹がフーナの目の前に晒される。

柚夢「ふぇっ⁉︎私、まん丸になってる?てか、下は見えないけど、私だけがまん丸になってるとしたら服がずれてお腹が見えてるんじゃ...」
フーナ「そうね〜、私からは柚夢のまんまるお腹が丸見えよ〜☆」
柚夢「えっ、ちょっと待って!それすっごく恥ずかしいんだけど////」

そう言いながら、柚夢は赤く染まりゆく頰に両手を当てる。が、フーナは柚夢には全く目もくれず、更に続ける。

フーナ「そして〜、さらにそのまま浮力も上げると〜♪」
柚夢「上げると〜?って、まさか⁉︎それだけはダメ〜‼︎」

流石の柚夢もこの後自分がどうなるのか勘付いたのか、短くなった手足をバタバタさせて抵抗しようとする。

柚夢「ちょっ、この格好で下から覗かれたらすっごい恥ずかしいよ////」
フーナ「ウソウソ、冗談よ冗談♪」

フーナは軽く笑いながら柚夢の体を元の状態に戻してゆっくりと着地させる。

柚夢「もう、フーナちゃんのばか...」
フーナ「ごめんって〜、許してよ〜...」
柚夢「フンだ!ちょっと自分の部屋に行ってくるもん...」

柚夢はそう言って、風船部屋を出て行こうとする。

フーナ「待ってよ〜、ふわふわな気球に乗って一緒にお空のお散歩しようよ〜!」
柚夢「えっ⁉︎フーナちゃん、今なんて言った⁉︎」
フーナ「だから、この気球に2人で乗りながらお空のお散歩を〜って思ってたんだけど...」
柚夢「そんな事まで出来ちゃうの⁉︎」
フーナ「出来ちゃうのよ〜、私の力があればね〜♪」
柚夢「わかった、今回だけは許してあげる...」
フーナ(ふぅ...)
柚夢「そんな事より早くお空のお散歩しよ!」
フーナ「はいはい、もう...柚夢ってば慌てん坊なんだから☆
柚夢「てへっ♪」
フーナ「それじゃ、気球をどんどん大きくしていくわよ!」

フーナはそう言って、観測気球をどんどんと膨らましていく。30cm、40cm、50cm
...と徐々に徐々に気球が大きくなっていく。60cm、70cm、80cm...気球は風船部屋の3分の1を埋め尽くすくらいになる。

フーナ「まだ大きくする?もうちょっとで規定のサイズくらいだからちょうどいいくらいの柔らかさだと思うけど?」
柚夢「気球はまだまだこれからよ〜♪今の2倍くらい...いえ、この部屋を埋め尽くすくらいはおっきくしても大丈夫よ〜☆ただ...」
フーナ「ただ?」
柚夢「私たちどうやって気球に乗るの?」
フーナ「それなら、さっきみたいに柚夢の体内にある私の吐息の浮力を上げればいいだけよ〜♪」
柚夢「でも、フーナちゃんはどうするの?」
フーナ「まぁまぁ、私のことは大丈夫だから。それより、この気球をどうやって外に出すかなんだけど...」
柚夢「それなら大丈夫♪」

柚夢はそう言うと、風船部屋からベランダに通じるガラス窓を全て外した。

フーナ「それ外れるんだ...なかなか便利な仕組みになってるのね。」
柚夢「作者のつご...げふんげふん、外でも気球で遊ぶ事があるから、簡単に外せるようにしてあるのよ〜♪」
フーナ「これで安心して大きく出来るわね☆」

フーナはそう言いながら、観測気球をさらに大きくしていく。90cm、100cm、110cm...かなり広い風船部屋といえど、いよいよ部屋の半分くらいの大きさとなる観測気球の威圧感はなかなかのものだ。120cm、130cm、140cm...いよいよ規定サイズである120cmを超えた観測気球により、部屋の入り口側にいるフーナからはベランダ側にいる柚夢の頭しか見えない状態となる。

フーナ「柚夢〜、すっごく大きくなったけど、まだ大きくするの〜?」
柚夢「もっとおっきくしても私たちを乗せて飛べるんだったら〜!」
フーナ「それは全然大丈夫だよ〜!いくらでも浮力は大きく出来るから〜☆」
柚夢「じゃあ、お願い〜♪」
フーナ「わかったー!」

柚夢の頼みを快く受け入れたフーナはさらに観測気球を大きくしていく。150cm、160cm、170cm...もう完全にお互いの顔を見ることすら出来ないくらいに気球は大きくなり、部屋の7割ほどを占める大きさとなっている。180cm、190cm、200cm...一体どこまで大きくなるのか、気球は風船部屋を完全に埋め尽くしている。

フーナ「柚夢〜、もういいかな〜?」
柚夢「これくらいあれば十分だよ〜☆で、これベランダに出せるの?」
フーナ「大丈夫〜、大きいだけでとっても軽いからちょっと押すだけで簡単に動かせるよ〜!ちょっと部屋の隅に寄ってて〜☆」
柚夢「こう?」
フーナ「見えないけど、隅に寄ってたら大丈夫〜♪いくよ〜、それ〜!」

フーナはそう言いながら、大きくなった観測気球をゆっくりと押す。フーナによって観測気球はゆっくりと前に動き出し、ベランダに出すことが出来た。

柚夢「おお〜、すっごーい!」
フーナ「さて、それじゃ、柚夢を軽くして〜っと」
柚夢「およっ?あっ、観測気球の上まで運んでくれるのね♪」
フーナ「そゆこと〜☆」

フーナの力で柚夢は再びゆっくりと浮かび上がる。やがて、観測気球より高い位置まで浮かび上がった柚夢がゆっくりと観測気球に近づいていく。

柚夢「オーライ、オーライ...OK!」
フーナ「よし、っと。大丈夫?」
柚夢「大丈夫〜♪すごいね〜、私1人乗ってもあんまり沈み込まないのね☆」
フーナ「ふふふ、私の力で膨らませたから人の1人や2人、それどころか100人乗ってもダイジョーブ!だよ♪」
柚夢「100人乗っても?いや、100人も乗ることはないんじゃないかな?」
フーナ「えっ、あっ、うん...スルーして?作者のノリだから...」
柚夢「うん、わかった...それで、フーナちゃんはどうするの?」
フーナ「私はさっき浮かばせてた風船につかまって、っと...はい、着地〜!」
柚夢「おお〜、パチパチパチ〜☆」
フーナ「それじゃ、2人で空の旅に行っちゃいましょ〜♪」
柚夢「レッツゴー!」

こうして2人は夜になるまで観測気球の柔らかさを堪能しながら空中散歩を楽しんだのでした。

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