柚夢と不思議な転校生編 第1話「転校生は外国人⁉︎」

キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン

柚夢「ふぅ...」
(自分から避けてきたとはいえ、2年生の終わりになるっていうのに、友達1人いないなんて...流石に辛いなぁ。こんな時、タイミングよく転校生でも来れば、何の事情も知らないからいい感じに仲良くなって、友達になれちゃったりするかもしれないのに...って、もうすぐ3月で3年生になる直前なんだから、転校してくるにしても3年生になるタイミングで来るよね、普通...)

教師「全員、席に着けー。今日はみんなに大事な話がある。」

ガヤガヤガヤガヤ...

教師「静かに!さっ、入ってきて。」
謎の少女「はい!」

ガラガラガラ

教師「今日からうちのクラスで一緒に勉強することになった転校生のフーナ・センバーさんです。つい先日、アメリカから引っ越してきたそうです。」
フーナ「Founa Senber(フーナ・センバー)デス!ニッポンゴタクサンベンキョシマシタガ、ニッポンクルノハマダ2カイメデ、マダマダナレナイデスガミナサンナカヨクシテクダサーイ☆」
教師「とまぁ、センバーはアメリカの日本語学校で日本語を勉強していたらしく、簡単な日本語くらいなら話せるとのことだが、難しい言葉はまだあんまり分からないみたいだから、分からない事があったら教えてあげるように!」

柚夢(えっ⁉︎ホントに転校生来ちゃったじゃ〜ん☆てかっ、外国人⁉︎私、英語全く分かんないよ〜...でもでも、転校生さん日本語話せるっぽいし英語喋れなくても大丈夫っぽい?)

教師「え〜っと、それじゃ席は...颯来舞の隣が空いてるな。センバー、あそこに座ってくれ。」
フーナ「ワカリマシタ!」

そう言って、フーナは柚夢の隣の席へと向かっていく。

柚夢(えっ、しかも私の隣の席⁉︎これって、まさに運命じゃ...)

フーナ「ヨロシクオネガイシマース☆」
柚夢「よ、よよよろしく...」
フーナ(緊張しなくて大丈夫、私はあなたの味方だから♪)
柚夢「えっ⁉︎」

フーナの囁きに柚夢はびっくりして思わず席を立つ

教師「颯来舞、どうかしたか?」
柚夢「い、いえ、なんでも...」
教師「そうか。それじゃ颯来舞、センバーに何かあったら助けてやるように。みんなもセンバーに何かあったらフォローしてやってくれ。」
クラス全員「はーい!」
教師「それじゃ、朝のHRはこれで終わりだ。」

朝のHRが終わり、早速クラスの人たちがフーナの元に集まる。

生徒A「ねぇ、日本語上手だね〜☆アメリカで勉強してたの⁉︎」
生徒B「アメリカのどの辺りに住んでたの〜?」
生徒C「アメリカ人ってホントに目青いんだね〜、すご〜い!」
フーナ「Oh,ミナサンオチツイテクタサーイ...」

柚夢(センバーさん、すごい人気だなぁ...これは、私なんかが話しかけに行っても相手にされないかな...結局、何も変わらないまま、か...)

柚夢がそんなことを考えていると1限目の授業のチャイムが鳴り、国語教師が教室に入ってくる。

国語教師「ほら、いつまでも騒いでないで授業始めるわよ!席について」
フーナの席に集まっていた生徒たち「はーい」

結局、柚夢はフーナと一言も話が出来ないまま1限目が始まる。1限目が終わったら、またフーナの席にはたくさんの生徒が集まってきて、柚夢はその輪に入ることが出来ずにいた。休憩ごとに転校生の話はどんどん学校中に広がり、それを聞いた生徒たちがたくさん押し寄せてくるのだった。そして、昼休憩を迎えるとフーナと一緒にお昼を食べようとたくさんの生徒がフーナの元へとやってくる。そんな光景をよそに柚夢は1人いつもの屋上へと向かう。

柚夢「はぁ...まぁ、そんな簡単にことが進むわけないよね〜。まっ、いっか☆私にはこのシャボン玉と風船があれば、それで幸せだもんね♪」

柚夢はささっとお昼を済ませて、いつものように空に向かってシャボン玉をたくさん飛ばす

柚夢「にへへ...やっぱりシャボン玉はいいなぁ...見てるだけで心が癒されていくもん♪」
フーナ「やっぱりここにいた、ゆゆ♪」
柚夢「えっ⁉︎センバーさん⁉︎なんでここに⁉︎ってか、すっごく流暢な日本語...じゃなくて、なんで私の名前知ってるの⁉︎名字しか知らないはずなのに...」
フーナ「ふふっ♪」

今日転校してきたばかりのはずなのに、いつも屋上でシャボン玉遊びをしている柚夢をまるで知っているかのような言葉。フーナ・センバーは一体何者なのか⁉︎

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?