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当たり前だけど文脈って「線」なんだよな.

 文脈を読み取ることが難しいって人が多いようで、それってなぜなんだろうとか考えてみると、そもそも「文脈とは〇〇だ」みたいなイメージが湧きづらいからかもしれない.

文脈とは

 ネットで「文脈とは」みたいな感じで調べたら
「ひとつひとつの事象にとらわれずそれらを包含ほうがんした全体像を理解すること」っていう説明が出てきた.

 これは「文脈とは」っていう問いに対して簡潔に述べられている回答だと考えることができるんだけど、なんだかパッとしない感じがある.
具体的なイメージを持つには足りない気がするので、自分なりに説明してみたい.

話数の多い漫画とか映画

 話数の多い漫画とか映画ってあるじゃない.
ワンピースも長いしドラゴンボールも長いし、映画で言うとアベンジャーズシリーズとか、ドラマも合わせたらめっちゃ作品数あるじゃない.

そういうある意味で長い作品って、やっぱり最初から(時系列順?)で見たほうが後に続く回を楽しめるし、登場人物とか出来事に関する情報をバックボーンとして捉えた方が後半をより楽しめる.

その情報こそが、いわゆる「点」.
いくつかある点と点が繋がって「線」になる.
文脈って「点と点が繋がってできた線」だと思う.

「物語の全体像」っていう言葉は出来事の繋がりを意味していたりするから、この説明はそれなりにわかりやすいと思う.

話数の多い作品が苦手な人

 話数の多い作品が苦手な人がいたとして、その人に「何が苦手か」って質問した時に「情報量が多すぎて把握できないから楽しめない」って答えたとすると、もしかしたらその人は文脈を読み取る力が不足しているのかもしれない.

 仮に上記の内容が正しいとすると、やっぱり話数とか作品数が多いシリーズを楽しむには「文脈を読み取る力」が必要になってくる.
これには「記憶力」っていう個人差バリバリの能力も必要になってくるから、「文脈を読み取る力」が弱い人の中には「記憶力が低い人」が一定数いることになる.

記憶力が低くないとすると

 “記憶力が低いから文脈を読み取れない”って人についてはここまでにして、「記憶力は低くない、でも覚えられない」っていう人について考えてみたい.

 人間の記憶に残りやすいのは「物語性のあるもの」らしい.
これはある程度の情報量があった方が記憶に残りやすいっていう捉え方もできて、例えば「何の意味もなく並べられた8個の数字」よりは、「友達の生年月日(2003年10月11日→20031011)の8個の数字」の方が記憶として定着しやすいってことになる.

感情が動いたかどうか

 上記のことが正しければ、漫画とか映画は物語性の宝庫みたいなものなので、「物語性の有無」についてはクリア.

 人間の記憶に残りやすいのは「感情が動いたもの」っていうのもあるらしい.
物語性があって、その出来事とか内容に対して自分の感情が動いたものほど覚えやすいってことになる.

 シーンを見て「泣いた」「笑った」とかはもちろん、「かっこいい」とか「かわいい」とかも感情が動いたことに入ると思う.
つまり上記のことを合わせると、「物語性のあるものに感動する」っていうのが一番記憶に残りやすい手順になる.

そもそも作品を楽しんでいない

 物語性があっても感情が動かなければ記憶の定着力が弱くなる.
記憶力が低くなくても、そもそも作品の内容を楽しんでいないと記憶に残らなくなるってこと.
作品の方向性が自分には刺さらなかったのか、そもそも自分の感受性が鈍いのかはともかく、「物語性のあるものを覚えられない」っていうことの原因として、「感情が動いていない」という原因がある可能性も出てくる.

文脈を読み取る力を鍛えよう

 文脈を読み取る力を鍛えるには、やっぱり文脈に触れ続けることが必要だと思う.
短編の作品の方が手軽に楽しめるし、脳科学的に考えても、脳は手軽な娯楽をより好む傾向があると考えられる.
それは文脈を読み取ることが大きなカロリーを消費することの表れでもあるし、もしかすると「脳にとって不要な文脈」は、記憶として定着させる優先順位の下位に属しているのかもしれない.

それでも執拗なまでに、粘り強く文脈を追いかけることで文脈を読み取る力を鍛えることができるかもしれない.

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