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ピラミッドのような人間になろう.

 ピラミッドは現代の技術を持ってしても作ることが困難とされており、建設当時の技術では建設不可能であったのではないかという見解から、高度な文明・技術を持つ地球外生命体の介入があったのではないかと言われている.

ピラミッドは完璧ではない.

 ピラミッドは上記の通り、どうやって作ったのかがわからない建造物である.
用途や目的は古文書などの解析により粗方あらかた判明しているが、学会では今もなお議論が続いている.

 遠目で見ると完璧な建造物に見えるピラミッドだが、実は人間臭さを感じることができる建造物でもある.
表面の大きな岩ブロックは、物によってはカミソリの刃が入らないほど直線的に切り出されているものもあり、それらが方角に対して忠実に配置されていることは有名な話だろう.

 しかし積み上げられた大きなブロック群の隙間から中を覗いてみると、瓦礫がれきを適当に放り込み、後からセメントを流し込んで固めた形跡を見ることができる.
なんとも人間臭さを感じる作業の形跡であるが、謎のベールに包まれたピラミッドの存在に対し、一気に親近感を覚えることもできる.

ピラミッドのような人間になろう.

 私が言う「ピラミッドのような人間」とは、
一人の人間として高い経験値とイデアを持っているように見え、それが確かな事実であるようなたたずまいを確認することができる.しかしそれらをどう獲得したかについては推測が難しい存在でありながら、距離感の近い交流を持つと、所作や振る舞いの中に人間味を感じることができ、一人の人間として愚直に生きてきたことを感じられる人間.
という意味である.

 これは「表面を塗り固めた“あたかも完璧に見える存在”」のことを言っているのではない.
実際にピラミッドの表側に配置されているブロック群は確かな技術によって築かれた物である.
しかしながら先述した通り、内部は多少杜撰ずさんな部分があり、その杜撰さから人間臭さ・人間味というものを感じることができる.
これを人間として実現しようと言っているのである.

 つまり、表面・表側の完璧性については、100%の純度を誇る完璧でなくて良いが、そこには確かな完璧性を含んでいなければならない.
そしてその完璧性から来る高貴なたたずまいという、オーラとも呼ぶべきベールを越えて伝わってくる人間性を携えておかなければならない.

 人間として百戦錬磨.
それにより獲得された経験値とイデア、そして佇まい.
それらをものともしない、人間としての素直で愚直な有り様.

 人間という複合的な存在でありながら、複合的に集まった要素の中には確かな完璧性という名の特別性(きっとこれがアイデンティティの根幹になる)を持っており、それゆえに完璧な存在だと推し測られることが現実に起こる.
しかし複合物の中には人間特有の鈍臭さや、ある種の癖を見ることができ、遠い存在ではないことを人に悟らせる.

ピラミッドのような人間=粋な人

 ここまで長々と書いてきたが、一言で言ってしまえば「いき」という言葉に尽きる.
人間として磨かれたものを持ち合わせながら、ある意味それに媚びることなく人間であるが故の条理を心得ている人.

 なんだか伝わりづらい書き方ばかりして申し訳ない気持ちでいっぱいだが、私の言わんとすることを文脈から拾い上げていただければ幸いである.

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