僕がパリジャンになってしまったワケ

2018年7月僕は恵比寿から千駄ヶ谷に引っ越した。

「オリンピックを間近で迎えたかったから」っというとかっこよく聞こえるが、本音は、4年前にお世話になった不動産屋から「変わらないですね。4年前と遊び方が変わっていないというか」と言われたからである。

さて、今日は以下のことを伝えていきたい。

・価値観によって優先順位は変わるということ
・「知っていること」と「使ったこと」があるは大きく異なるということ
・身体が結局資本であるということ

の三つ。硬くね?笑


「ときめきたい」という欲求から全ては始まった…

実は、今回の引っ越しは新しいものをいっぱい買おうと思っていた。

それゆえに様々なモノを捨てて行った。思い出とともに。まぁ断捨離だ。

直前にこの本を読んだおかげでもある。僕も人生をときめかせたい!その一心だった。

引越し業者が「え!これだけですか?」って聞いてきたけど、その時は何も気にしていなかった。

で、買い物を色々としていくわけだが…結構あるな!ということで、必要なものをリストアップし、優先順位をつけていった…

んで、下記のようにプロットした。

皆まで言うな。わかる。そもそもこのプロットの仕方がずれていると。僕も今振り返ると若干ずれている気がする。

「カーテンがなくて恥ずかしくないのか」とか、「カーテンよりもディスプレイモニターが緊急性が高くなっているのはワーカホリックではないか」とか、「ハンモックそもそもいる?」とか…

ツッコミどころが満載だと思うが、それはきっと『個人の価値観の差』だ。

「音楽が俺の全てだ!」という人なら寝床よりも楽器が上に来るはずだし、「俺の魂はいつもピッチの上さ!」って人はサッカーボールが一番上に来るはずだ。

消費者の期待を本当に超えてくる会社…

ただ、大きなミスをしたのが下記二点。

①断捨離のしすぎで、「ときめく」どころか生活に支障が出る

②基本的に家にいないせいで、荷物が受け取れない

本来であれば、優先順位が高く、緊急度の高い(右上)ゾーンから購入すべきだ。つまり、僕の場合は洗濯機とベッドマットを先にとるべきだ。

購入はほとんど同時に行ったのだ。

ただ、一番最初に受け取ったのはハンモック。

なぜか?



amazonだったからだ。本当にプライムだと即日届く。

リビングにハンモックがポツンと置いてある家になった。

そして、カレンダーを見たときに絶句した。ベッドマットとベッドフレームがスケジュール上、全然受け取れない。僕は1ヶ月近くハンモックで生活することを決意したのである。

まぁハンモックあるからなんとかなるか。

この時の僕は「1ヶ月リゾート暮らしだ!Yeah!!!」くらいの気持ちだった。


旅先と自宅は諸々と異なる部分があるということ

スタートは良かった。ハンモックで寝る経験というのはリゾート以外ではなかなか叶えられない。

少なくとも僕の記憶の中ではバリ島でハンモックに揺られたくらいだ。この年齢で揺られながら寝るというのはあんまり経験としてない。気持ち良い。

ただ、ここは日本であり、千駄ヶ谷であり、何より僕の家だ。そして何より、昼寝ではなく、ガチ寝で使うのだ。用途が違う。

数日寝てみて気づいたことがあった。

①ハンモックは寝返りが打てない。
②体がずっと少し曲がった姿勢になる。
③カーテンがないため、通行人に見られる。

まず、①と②について。

身体が劇的にきつい。毎朝起きて、体を伸ばすことが日課になった。おそらく睡眠も浅かったのだと思う。

そして、③は精神的な苦痛である。窓際に置いたハンモックに30代の男性が寝ている姿を通行人が見るのだ。ちょうど僕の千駄ヶ谷の家は高校の通学路になっている。毎朝朝日とともに目覚めるのは良いが、たまに目覚めて起きた瞬間、高校生と目が合うことがあった。

僕は基本的にオープンマインドだが、そこまでオープンにはなると思っていなかった。


1ヶ月のハンモック生活とマズローと

数日後、身体が変化をし始める。夜になると目が腫れ出すのだ。だんだんひどくなり、昼間にも出てくるようになる。'19の学生向けに研修をやっている時に目が腫れた時には多分、学生たちは内定辞退も考えたと思う。こいつやばいって…

僕はというと…いよいよストレスでやられたか、ベンチャー入社したばっかりだったしな。色々と無理してたんだな。そろそろ実家の福岡に帰れってことか、ここまでよく頑張ったよとそう思っていた。

一応、病院に行くと「ベッドを買いなさい、ちゃんと寝なさい」と医者に言われた。「ストレスでもなんでもない。君は単に寝付けてないだけだ」と。

診断書に薬はなしで、ベッドを購入し、睡眠の質を向上することと書いてあって、なんだか受付のお姉さんにすごい冷たい目で見られた気がした。

その時に病院の先生に話をされたのがマズローの欲求5段階説だった。

正直、僕はこの図を何度も見て来たし、なんなら僕はこの手のプロだと思っていた。

こいつ、俺を誰だと思っているんだ?曲がりなりにも人事の道を歩いて来た人間だぞっと、その医者をはっ倒してやろうかと思っていた。

医者は優しく話をする。『知ると使うは大きく異なるんだよ』

先生が目の腫れている僕に言う。

「君が買ったハンモックは尊厳欲求を満たすもの。俺の家ハンモックあるよ!的な発言をしたかったのかもしれないね。ベッドマットは生理的欲求を満たすもの。わかるよね。君は生理的欲求を満たす前に、尊厳欲求を満たしに行ったんだ。だからおかしくなったんだ。」

僕は今年31歳だ。まさかこの歳でそんなことを言われると思わなかったが、どうやら、この目の前の医者はベッドよりハンモックを先に購入した僕を卑下しているようだった。

「違う。受け取れていないだけだ!」

心の中でそう思ったが、目が腫れていて、視野が狭くなったせいか、弱気になっていて言えなかった。

ただ、医療業界ではこのマズローの欲求5段階説を元に同時にアクシデントが起きた際に優先順位を決めるらしいことを知った。


今日はシードルで乾杯する

結果的に数日後にベッドマットが来て、目の腫れが出ることはなくなった。

『健康であることの重要性』を改めて知った経験だった。

余談だが、僕は今の家に住んで2ヶ月が経ったが、カーテンがまだない。ある帰国子女に「今カーテンないんだよね!」って明るく元気に話すと「パリみたいだね」と言われたので、僕はパリジャンだと思って、その状況を楽しんでいた。

どうやらパリの人はあまりカーテンをしないらしい。

つまり僕はパリジャンだと言うことだ。

明日、カーテンが届く。僕のパリジャン生活も今日までだ。

今日はフランスのお酒シードルでも飲んでみようと思う。今日はパリジャン最後の夜だから…

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Yuzo Nishijima

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