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だから僕はどんな時もオカモトを持ち歩く。

前回の記事で触れた新卒採用におけるエピソード♯1だが、今回は、そのエピソード#2に当たる。

唐突だが、先日行われた甲子園の準々決勝、金足農と近江の試合は面白かった。スクイズツーランという珍しい形で金足農がサヨナラ勝ちを納めたが、あの場面で二塁ランナーがホームを狙えたのは、きっといろんなシミュレーションに裏打ちされた咄嗟の判断だったと思う。できるチームは事前のシミュレーションを複数行っている。あっぱれ。

ちなみに僕は後先考えずに動く傾向がある。

以前、エマージェンシー訓練という水上着陸をした想定の飛行機からボートで逃げる訓練の際に、当時付き合っていた彼女と変な関係にあった女の子が同じボートに乗ってきて、ボート上で口論に及んだ。目の前で広がる大炎上はもはや訓練ではなく、本当のエマージェンシーだった。僕は咄嗟の判断で理性に負けてしまう男である。反省。

さぁ、話を戻そう。

■エースキラー■

迷ったけど合格にした人だった。良い子ではある。

ただ、どこかで引っかかるところがあった。

役員面接後にその引っ掛かりが明確になった。

「いやーめっちゃいいじゃんこいつ。髪型がカリメロだけど笑

カリメロ?はて、彼が言うカリメロはこれのことか?

カリメロは卵の殻を被った黒いヒヨコだ。毛はあるが、画像を見る限り、髪はない。

さては井上雄彦さんのスラムダンクのカリメロ的な…と察した。

カリメロはスラムダンクの豊玉高校、南を桜木花道が揶揄したもの。

今見ると、思ったよりカリメロではないし、むしろイケメンの部類に入るのではないか。眉毛も整っており、若干、横が刈り上げられていることから、ツーブロックに近い。

これはカリメロのままでもイケる!!僕はそう思った。


■The Pride as HR■

冒頭お伝えした通り、いろんなシミュレーションの上で判断をすることが成功につながる。

今回役員からのフィードバックを抜粋すると…

「根っこもしっかりしており、地頭も良い。幼少期から非常に稀有な環境にいたこともあり、エネルギー量もある。表には出ないものの、腹の底で熱いものを持っている人材。ただし、髪型はカリメロ。

これだと、評価がカリメロになる。どんだけ良い人材でも最後のカリメロに全て持っていかれる。黒太文字にしているからではない。


「悠蔵!こいつカリメロじゃん!なんでカリメロあげたんだよ!」

とか、

「君、カリメロみたいな頭しているね!」

とか明るく元気に言っている社長が目に浮かぶ。


きっと僕か彼が傷つく。


「このままカリメロを社長と会わせるのか?」


曲がりなりにも僕も人事としてのプライドがある。考えが変わった。

『人事としてカリメロを社長に会わせるわけにはいかない。』


■僕のシミュレーションの浅はかさ■

いろんな不安が錯綜する。

・人事が無理に髪を切らせたとTwitterに書かれる→炎上

・他にカリメロが出てきたら毎回美容院に連れて行く→火の車

・変な髪型になって本人の親からキレられる→炎上

・やらかして会社をクビになる→You are fire.

とりあえず、僕のシミュレーションでは燃える気しかしなかった。

結果的にかなり怪しまれたが、後日、一緒に美容院に行くことになった。

・・・

ことはうまく進まない。あろうことか、当日、僕がイレギュラーな面談が入る。

一緒に行きたかったが、もう一人の人事に連れて行ってもらった。

面談中にLINEがくる。

不覚だった…僕は髪型まで決めていなかった。

そもそも僕は天パで、彼はサラッサラのカリメロだった。

30年間天パな男が、咄嗟にサラッサラのカリメロに髪型の提案をできるわけがない。

さらに最悪の事態は重なる。

一緒に帯同した人事の好きな芸能人は「赤西仁」「押尾学」だった。

彼女に任せるはまずい…このままだと完全にギャンブルになる。

二人ともイケメンだが、イメージとは大幅にかけ離れている。


咄嗟の判断が、「美容師に任せる」という形になった。うん、そらそうだ。

写真では目を瞑っているが、彼の笑顔が何よりも炎上しなかった証だろう。

最悪、赤西仁か押尾学になると構えていたので、爽やか人材になっていて、感動した。

無事に彼は脱カリメロをして、最終選考に合格し、来年4月からベルフェイスの1期性として入社をする。

カリメロから垢抜けるなら下記の美容院がおすすめ(決して回しもんではない。)伊杏さんありがとう。


■Special Thanks■

エマージェンシーだったあの時の二人は無事に結婚して幸せいっぱいでやっている。

4回土下座した彼女は5回目の土下座を許さず、別れた数ヶ月後に別の人と結婚した。

彼女たちの素晴らしいシミュレーションと咄嗟の判断をここで評したい。

なにが幸せかわからないけど、常に不測の事態を想定すべきである。

僕はというと、だから常に携帯している。オカモトを。

男性はほとんどわかると思うが、わからない人は近くにいる男性を捕まえて聞いてみて欲しい。一気に仲が良くなるはずだ。

魔法の言葉。「私はオカモトを持っています。」

下ネタで締めてしまったことを反省し、次につなげようと思ふ今日このごろ。

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