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東京女的生活 #018

弓月 : 20代前半で、ある人に「スケジュールが空いてるか聞かれたら、もったいぶりなさい」って言われたことがあるんです。

ぴち:ほう!どういうこと?

弓月 : 自分が暇だとは見せないようにして、売れっ子のようなブランディングをしろと(笑)ある程度必要なノウハウなのかなと思いますが、引っかかるのが、スケジュール確認された時の答え方なんですよね。「空いてる?」と聞かれたら「空けられます」って答えろって…

ぴち:ちょっと「上から」で失礼な感じがするね。

美樹:私は編集者で依頼する方だから、引っ張られると正直、困る。返事が「調整します」とかね。どれだけ売れっ子なんだよと。「あ、お忙しいんですね。だったら今回はいいですよー。次回また!」と言って二度と頼まないよ(笑)

ぴち:それは正しい教育(笑)

弓月 : 私は、やりたい仕事なら速攻「やります!納品いつですか?」って聞きたいですし、ペンディングのスケジュールがあるなら「何時までに回答すればいいですか?確認します!」と、やることを前提にお話したいので「空けられます」は、よっぽど駆け引きが必要な時しか使いません。

ぴち:「売れっ子に見える自分>やりたいこと」なのかな。それで「やる気ねーな」って思われてチャンス逃したら元も子も無いと思うんだけれど、チャンス逃しても「売れっ子風」な方が重要なのかな。

美樹:ベテランで仕事に恵まれている人ほど忙しさを見せない、という気がする。私の経験上だけどね。

弓月 : わかります。忙しい忙しいってPRしてるだけの人、いますもんね。(笑)

ぴち:「忙しい」って言うのって負けだよね。「仕事できない」と同義語だもの。

弓月 : 「最近忙しいの?」って聞かれたら「やー、まだ働ける時間はあります!」とか言っちゃいます。「やれることあったら言ってくださーい」って。

美樹:スケジュール調整も能力のうちだしね。ある程度余裕があるよう見せないといい仕事にも恵まれない気がするんだけど…。

ぴち:でも学生や働き始めだと、「求められない自分」というのは恐怖なのかもしれない。で、「俺(私)は人気者なんだ!」という証明に、「空けられます」というよくわからないアピールをしてしまう。

美樹:それ、無駄(笑) チャンスを逃すだけ。

ぴち:って大人達が思ってることを、理解してないんだろうね。がっつがっつ来られた方が「かわいいなー」って思うし、チャンスあげたいって思うもの。

弓月 :たぶんあの頃私が聞いたノウハウをまだ教えてる人がいて、若手の皆さんに伝えてる気がするんですよ。実際使われてるのを見るので…(笑)「外せない用事がありました。でもどうしてもお会いしたいので、空けます!よろしくお願い致します!そのぐらいの覚悟です!!」なら熱意は伝わりますけどね。

美樹:正直に言ってもらうのもいいよね。相手の名前とか企業名は言わなくてもいいんだけど、「○日締切のこれくらいのボリュームの企画書と、○日締切のこんな原稿があって…でもやりたいです!」って。それだったら私も「ある程度手伝うから一緒にやろうよ!」って言う。

ぴち:熱意はストレートに伝えた方がいいよね。なにごとも。

弓月 : 「私はあなたと一緒に働きたいんです」と言うのは、伝えるようにしています。私もそう思われたいので…。そういう熱意では負けませんっ(笑)

ぴち:彼らが求められたいように、大人たちだって求められたいんだよ(笑)

弓月 : 若手の彼らに伝えてあげたいのは「本当はどう思っているのか」をちゃんとベテランに伝えることだと思います。若いうちに、腹の探り合いや駆け引きに気を取られるより、経験のある人たちの判断に委ねてみる。心ある人なら「お願いしようと思っていることは合わないかもしれないけど、こういうのはどう?」と提案してくれるかも。

ぴち:恋愛と似てる気がする。海千山千の恋愛強者に駆け引きすると「うわーめんどくせー」って引かれちゃう。でも真剣に告白されたら、「応えてあげられないのは申し訳ないけれど、気持ちは嬉しいから何かの形で役に立ってあげたいな」みたいな。

美樹:私、女的のみなさんには”ピュアホワイト”って言われてるんだけど(笑)、そういう正直さでこれまでの人生乗り切って来た気がするのでございます。

弓月 :あのう、ピュアブラックと呼ばれている私は…w

美樹:あははw やりたくない仕事や受けたくない恋愛の場合はそれもありなんですよ。「ちょっとその頃ふさがってまして…」とか「今はちょっとその気になれなくて…」って。でもそれで相手は察するでしょ? だから「空けられます」って答え方は「やりたくないんだな」と取られる可能性も髙いってことよね。

ぴち:最悪の結果しか生まないよね。それがノウハウになってるとは(笑)

弓月:「自分を大きく見せる」ことに気をとられると、ハリボテになっちゃって仕事も得られなくなる。気をつけないといけませんね。

ぴち:謙虚になりすぎるのも問題だけれど、仕事できる人は、そのさじ加減が絶妙に上手い気がする。相手と状況見て大きく見せたり小さく見せたり。

美樹:たとえ損をしたとしても正直でいろ、と思うね。

ぴち:特に美樹さんは「ピュアホワイト」だからね(笑)

弓月 : あんまり損しないでくださいね(笑)


[編集後記]

・しばらく「flick!」の原稿ばかりだったから、久しぶりで新鮮だった!やっぱりちょこちょこやりたいよね。(ぴち)

・ホテルニューオータニのガーデンプールからオーバカナル紀尾井町店のテラスに移動しての久しぶりのnote。盛り上がりました。やっぱりnoteはちょくちょくやらないとね!(美樹)

・フリーランスライターのノウハウみたいな回になりましたね(笑)都会でまったりしながら書くnote、またやりたいです!!(弓月)

[使用ツール]
・Mac Book Air
・iPhone 6 Plus
・SONY NEX-5R

[photos]


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