もう辞めようってまじで

どうしても書かずにいられないよ。

これを書くことさえ正しいかは分からないし、何が正解かなんて分からない。
口を噤むことこそが正義だと考える人もいるだろうし、
何をどう書いてもそれはその出来事をコンテンツとしてトレンドとして消費している下品な行為のようにも思えるし、だから書かない選択肢もあったけど、
どうしても書かずにはいられなかった。

ねえ、もういい加減辞めませんか。
誹謗中傷って人を殺します。

彼がそうだったかは分からないけど、身近にそれで自殺未遂をした人もいるし
「辛い」って泣いてる仲間を何人も見てきたし
実際私も攻撃されて、何回も死にたい死にたいって苦しんだ夜がありました。

あの夜を私たちが越えられたのは、運が良かっただけです。
何かが違っていたら、私も私の友人も、命を落としていたかもしれない。

「そんなに嫌ならsns辞めれば良いじゃん」
たしかに。
だけど私たちにとってsnsは仕事であり生活の一部だから、そんな理由で好き勝手に辞められるものでもないわけなんだ。
だから攻撃されても「やりすごす」とか「無視する」とか「気持ちを強く持って」とか
そういうてきとうな言葉で心をどうにか保ってきたよ。どうにかね。
どうでもいいやと思える夜もあれば、書かれているひどい言葉が全てだと思ってしまう夜もあったりさ。どうにか心を殺してやってきたよ。

だけどさ、平気だと思う?
っていうかあんたたちは、平気なの?

私の元にも、今だにたくさんの心ない言葉が送られてくるよ。
「画面の向こうに人間がいるってちゃんと想像してよ」って思ってたけど、
多分あんたたち、そんなこと言われなくても、しっかり想像して送ってきてるよね。

画面の向こうにいる私を想像して。
どんな言葉を書いたら私が傷つくか、ダメージを喰らって再起不能になるか
あきらかにそれを考えて送られてくるような言葉たちだもん。

開示請求に踏み込むとさ、みんないうんだよ。

「辛かったんです」「精神疾患なんです」「許してください」「バレたら未来が」

いや、マジで知らねえよ。
刺し殺そうとしてきた奴の都合なんて未来なんて、こちとらどうでもいいんだ。

あんたはその言葉を書き込んで、ちょっとすっきりするのかもしれない。
書いて、すっきりして、スマホを机のうえに置く頃には書いたことも忘れて。
それでまた違うことを考えて、日常を送れるのかもしれない。

だけど書かれた方は、ぶつけられた方の心は、永遠にへこんだままなんだよ。
どんなに優しい言葉でなぞられても戻らないほどに、へこんだままなんだよ。

私は死のうとした。顔まで整形した。
それでも今も言われた言葉は全部残ってる。
辛い時に蘇って、私のことを殺そうとする。

当人が亡くなった途端に手のひら返す世界も嫌いだ。
今までどれだけ表でいじめられていても、それを横目にスムージーの宣伝してたような人たちが途端に親友を名乗って冥福を祈り出すのも気持ちが悪い。

いや、もっと前だろ。
「いい子だったんです」ってあんたたちが声を出さなきゃいけなかったのは、こうなる前だろ。

ネットや週刊誌で、散々悪口を書かれている友人もたくさんいる。
私の友人について、会ったこともない人達が、
書かれている噂をまるでその目で見たかのように記憶していて、
「あの人ってやばいんでしょ」ってニヤニヤした顔で聞いてくることもある。

だけどネットや週刊誌でボロクソ書かれていることが全部嘘でしかなくって
実際に会うと天使のように優しくて、食いしん坊で、笑顔が素敵で、
そういう魅力的な人だったってケースに何回も何回も何回も何回も出会した。

その度にさ、本当はこんなに素敵な人なのにみんな一人で戦ってたんだって絶望したよ。
こんなに繊細な人なのに、どうして誰一人として表立って味方してこなかったんだよってむかついた。
悪口が蔓延る中で、こっそり電話で「味方だよ」って言ってくれる誰かはいても、表で「私はあんたが好きだよ」「こいつ、そんな奴じゃないぜ」って発信してくれる人はなかなかいない。みんな巻き込まれるのが嫌なんだろうけど、当本人からしたらそんな状況、余計に地獄だよ。

「大丈夫だよ」って笑ってる人が、心の底から大丈夫だったケースを、私は一つも知らない。

実際のところ、ネットの誹謗中傷なんて無くならないんだと思う。
諦めてる。
排除しても排除しても真っ黒な羽を生やした人間の顔したゴキブリが湧いてくる。
殺しても殺しても湧いてくる。これはもうしかたない。
じめじめした暗い場所ではそういうのが産まれちゃうんだ。
インターネットってそういう場所じゃん。

じゃあ、そういうのから大切な人の身を守るためにはどうすれば良いかって考えてたらさ、やっぱりもう、「俺は味方だぜ」って、ずっとずっと伝え続けることしかないと思った。めちゃめちゃ悔しいけどね。
本当は殺虫剤かけまくって全員地獄に送りたいけどね。

だけど無理じゃん。きりがないから。
だからさ、ちゃんと声を出すんだよ。
表の世界でも裏の世界でも、
「あいつら何言ってんだ。お前こんないい奴なのに」って。
それだけでめちゃくちゃ救われるよ。少なくともひとりぼっちじゃないって、多分思える。

だから私は、自分の友人のことは表で味方するって決めてる。
嫌な噂話に晒されたり、心ない言葉が浴びせられているのを見かけたら
こっそりラインするんじゃなくて、正々堂々と自分の名前と顔を使って、
「いや、あんたはいい奴じゃん」って言うって決めてる。

それを言っても「でも裏では」「あんたの前だけでしょ」ってなぜか真偽不明の噂話を信じる奴ばっかりだよ。私が何か言って「そうなんだ。いい人なんだあ」って純粋に受け取る人なんていない。だからいっつもはらわた煮えくりそうだけど、だけど実はそんなこと、関係ない。

私はそいつらに向けてるんじゃなくて、大切な友達に向けてやってるんだ。

あんたの味方だよ。大好きだよ。友達だよ。
どうかひとりぼっちだなんて思わないでくれ、あんたは正常だ、あいつらが異常に決まってるじゃんって。

全員は守れないよ。悔しいけど。
それぐらいにインターネットは広い。
だからせめて、これを読んでいる誰かがいたら、あなたの周りの誰か一人でも良いから、これから先には守ってあげてよ。
それをひとりひとりが出来たら、少しは頼もしいじゃない。

それから、誹謗中傷はなくならないって書いたけどさ。
減らすことはできると思う。
これを見てる人達の中の何割かが「ああ、やっぱりダメなんだな」「やってる奴だせえな」って思ってくれたらそれでいい。
何か書きたくなった時、書こうとしている自分の顔想像して、「きもいことしてんな」って手を止めてくれたらそれでいい。
全員がひっくり返ってくれなくても良いから、わかる人だけ、分かってくれたらいい。

人間なんて完璧じゃないよ。
あんたが叩いてるその人も、あんたも、あんたの友達も、あんたの兄弟もあんたの恩師もあんたの親も。
みんななんか抱えて生きてる。なんか隠して生きてる。
やましいことのひとつやふたつ、みんなある。

それが人間だよ。

それを寄ってたかって、誰かが死にたくなるまで言い負かすのは、それはもう正義じゃない。
それをどうか忘れないでよ。頼むから。

もう辞めよう、いい加減。
しんどいよ


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