最後に会えた日から、一週間経ったね。
　あなたは今、どこでどう過ごしているの？

　この建物から出ていく前に振られたし、ちょっぴりひどいこともされたけど、まだあなたのことが心配。必要な情報が伝わっていないせいで、誤解されたり、不利益を被ったりしていないかと……。もっと役に立ちたかった。

　奥さんが亡くなったこと、もっと早く知っていたら、もっとたくさん話せたのかしら？　母がどうしているか聞いてくれるたび、どう答えていいのか迷いながら手短に答えていたの。私と一緒に会いに行ってくれて、ありがとう。
　ひょっとしたら、私に母の様子を尋ねた時、何か困ったことがあったんじゃないかと思っているの。一緒に過ごした時間の中で、一部は解決できた？日本語でしかコミュニケーションを取れなかったことが、残念でたまらない。

　2019年になってすぐの頃、郵便受けの名前が消えていることに気がついて、あなたが帰国するんじゃないかと思って、さよならを言いに会いに行ったの。
　そしたら、思いがけない展開になって、私は人生で初めて正式に結婚したいと思うまでになった。あの夜、何が書いてあるかわからないけど、とても重要な書類らしきものを見せてくれたよね？　そんなものを見せてくれるくらい、何かを訴えかけているし、それほど信用してくれたんだと思った。

　婚姻届は出さなくても、一緒に暮らせる所に引っ越して、事実婚生活は続けたかった。日本に永住する気はないことや、いつ帰国するかわからないことは聞かされていたけど、別居したままでも、もう少し長く一緒の時間を過ごしたかった。

　いつだったか言っていた「インターネットがあれば、世界中、どこにいても繋がれる」という言葉に希望を見出していたよ。
　 でも、あなたは、ここを出ていく前に、私とインターネットでコミュニケーションを取るのをやめた。「電話でなら話せるだろう？」と言っていたのに、最後に会った次の日から、電話は繋がらず、約束も果たされなかった。
　最後に会った日の私の態度、そっけなく感じた？　次の日も会えると思っていたからだよ。何か事情があったのかもしれないけど、あの約束は守って欲しかったよ。普段なら、薬の効き目で寝ているはずの時間に起きてしまうくらい、待ちわびていたの。

　とにかく、どこに居ても、元気に過ごしていて欲しい。気がかりな問題も、全部解決できるといいね。

　今はまだ、あなたが「最愛の人＝Meu amado」だよ。いつか別の人が「最愛の人」になるとしても、あなたが「最愛の人」だった事実は変わらない。「そう言ってるだけ」なんて、言わないでよ。

　誰かや何かに頼ってでも、これを読んでくれることを願っています。