白秋忌に『金魚』の解釈をしてみた。
2020年11月4日(水)開催のオンライン朗読会に参加予定です。
お題は北原白秋の『金魚』。
『とんぼの眼玉』という童謡集に収められている作品です。
※青空文庫には掲載されていません。国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧可能です。閲覧したい方は、当記事文中で『とんぼの眼玉』の文字列をクリックまたはタップしてみて下さい。
【注意】
以下に『金魚』の本文記載があります。
PG-12程度の残酷描写を含んでいます。
13歳以上でも、残酷描写が苦手な方は、要注意です。
また、虐待やDV被害のご経験がある方は、心の傷に触れる内容かもしれません。
上記のような皆さんも、目次から文末の「気分転換トリビア」に飛んで、そこだけご覧下さると嬉しいです。
(目次内で「気分転換トリビア」をクリックまたはタップして下さい。)
朗読会詳細
これ以下は、参考にしたい方・ご興味のある方のみお読み下さい。
北原白秋『金魚』(旧字体旧仮名遣い・ルビなし)
母さん、母さん、どこへ行た。
紅い金魚と遊びませう。
母さん、歸らぬ、さびしいな。
金魚を一匹突き殺す。
まだまだ、歸らぬ、悔しいな。
金魚を二匹締め殺す。
なぜなぜ歸らぬ、ひもじいな。
金魚を三匹捻ぢ殺す。
涙がこぼれる、日が暮れる。
紅い金魚も死ぬ死ぬ。
母さん、怖いよ、眼が光る。
ピカピカ、金魚の眼が光る。
北原白秋童謡集『とんぼの眼玉』より抜粋
北原白秋『金魚』(新字体現代仮名遣い・ルビあり)
※上記「旧字体旧仮名遣い・ルビなし」の文章を、私自身が「新字体現代仮名遣い・ルビあり」に書き改めたものです。
母さん、母さん、どこへ行った。
紅(あか)い金魚と遊びましょう。
母さん、帰らぬ、さびしいな。
金魚を一匹突き殺す。
まだまだ、帰らぬ、悔しいな。
金魚を二匹締め殺す。
なぜなぜ帰らぬ、ひもじいな。
金魚を三匹捻(ね)じ殺す。
涙がこぼれる、日が暮れる。
紅(あか)い金魚も死ぬ死ぬ。
母さん、怖いよ、眼(め)が光る。
ピカピカ、金魚の眼(め)が光る。
北原白秋『金魚』作品解釈
※飽くまでも、私なりの解釈です。
なぜか帰らぬ母を待ち侘(わ)びる子が、まともに食事もできず、空腹に耐えかねる。
そこで、金魚を一匹、二匹、三匹…と殺して食べていく。
母への思慕(しぼ)の念がつのり、涙を流す。
日が暮れると、一層、寂しさが増す。
生き残っている金魚や殺した金魚の目が、ピカピカ光って見えるのが怖い。
母に早く帰ってきてもらいたい。
金魚を全部殺してしまう前に。
金魚を殺す時、食べるためだけではなく、湧き上がるどうしようもない気持ちを同時に殺している。
ほんの少しだけでも。
おそらく父親不在で、母ひとり子ひとりの家庭。
気分転換トリビア
(人によるとは思いますが、私は)気分が重苦しくなったので、最後に気分転換できる小ネタを。
11月2日、白秋忌以外はどんな日?
私の誕生日です♪
(亡き父よりも長く生きるという目標を達成しました。)
さらにそれ以外は、埋め込みツイートのリンク先をご参照下さい。
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