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裁判ウォッチング (愛知県司法書士会 企画)

「裁判ウォッチング」に参加

11月8日、愛知県司法書士会企画の「裁判ウォッチング」(裁判傍聴ツアー)に参加しました。
見学先は、名古屋地方裁判所(以下、名古屋地裁)です。

集合場所でグループ分けがあり、参加者2名に司法書士1名でひとつのグループでした。
「裁判ウォッチング」参加者と一目でわかるよう、各自大きな封筒を持って、名古屋地裁へ向かいました。


いざ、名古屋地裁内へ

裁判所内には、危険物をはじめ、持ち込めないものがあります。
(詳細は下のリンク先参照)

入庁時に空港のようなゲートで所持品検査を受けました。
司法書士さんによると、名古屋地裁では今年7月4日からゲート式所持品検査が導入されたそうです。

全員の所持品検査が終わると、2グループずつに分かれて裁判の傍聴に向かいました。
なので、実質、参加者4名と司法書士2名でひとつのグループのような感じでした。


裁判の傍聴

傍聴した裁判は、全部で4つ。
いずれも下のイラストのような、小規模な法廷でした。

証人なしの裁判

そのうち2つは家賃未払い裁判で、原告側も被告側も出廷しないまま、裁判官が判決を下すのみでした。

司法書士さんの解説によると、
結審していれば、原告側も被告側も出廷しないで判決が下る裁判もある
・判決の法的効力を発生させるためには、法廷で裁判の日時に口頭で判決を下す必要がある
とのことです。


証人ありの裁判

残り2つの裁判は、原告・被告側とも出廷し、証人による証言もある裁判でした。

そのうちひとつは、別居中の婚姻費用負担不履行裁判。

別居中であっても、法的には婚姻費用(生活費)の負担義務があります。
別居にあたって、証人立ち合いのもと、原告・被告側とも円満に話し合い、法的効力のある書類作成もしたが、約束した婚姻費用が支払われないという内容でした。

老年夫婦が原告・被告で争い、その子どもが証人という複雑な家族模様を見ました。
(夫婦のどちらが原告・被告か、夫婦と証人の続柄は何か、については記載を控えます。)

目の前で繰り広げられる家族模様に、証人の心情を思わずにはいられませんでした。
父は早くに亡くなっていますが、両親の夫婦仲はすこぶる良好でしたので、そういう両親のもとに生まれることができたのは、良かったです。

もうひとつの裁判は、違法薬物の売買に関するものでした。
証人が違法薬物を購入した人物であるためか、衝立(ついたて)で裁判官側以外からは、証人の姿が見えないようになっていました。

違法薬物を購入するのも、もちろん犯罪ですので、証人も別の裁判では被告の立場にあると思われます。

話の内容から、被告の売人にとって証人は「常連客」であったようです。
つまり、証人は違法薬物の購入(恐らく使用も)常習者。
声の感じから、証人は中高年以上のようでした。常習者であっても、初犯なのかどうかが気になります。


空き法廷団体見学

裁判傍聴後、参加者全員で空き法廷内を見学しました。
当日、裁判員裁判で使われる予定だったものの、機材の故障で使えなくなった法廷とのことでした。

裁判員裁判が行われる法廷の規模を、体感できました。
内部の配置は、ほぼ下のイラスト通りです。

中央が裁判長、裁判長から見て右側が右陪審(キャリアの長い裁判官)、同じく左側が左陪審(若手裁判官)、その両脇に裁判員たちが並んで座ります。
裁判長の前の2席は書記官席、その正面が証人席。
証人席から見て左右のどちらが原告席になるか、被告席になるかは、刑事裁判では、扉の位置で決まります。
扉のある側が被告席です。

実際に見学した法廷には、裁判員席の左右後方に「予備裁判員席」が2席ずつありました。
予備裁判員とは、裁判当日に出廷できなくなった裁判員の代理で出廷する裁判員のことです。「予備裁判員席」は、その人たちのための席です。

それ以外には、証人席の横にカメラ付きの台と、全員の席にモニター画面が設置されています。証拠となる物品や書類を見やすくするためです。
傍聴人が見ても差し支えがないものは、傍聴席から見やすい大画面モニターにも映し出されるそうです。

解説は、名古屋地裁総務課の方がしてくださいました。

なお、席や機材の配置については、裁判所によって異なります。


記念撮影

団体見学した空き法廷内では、記念撮影がありました。

各自、傍聴席から空き法廷の様子を撮ったり、自撮りをしたりできました。
希望者は、法衣の着用も。
たまたま私は司法書士さんからお声がけがあり、法廷を背景に写真を撮っていただくことができました。

その後、全員で集合写真を撮りました。
後日郵送されるのが楽しみです。

この記念撮影は、愛知県司法書士会から予約の上で団体見学したので、裁判所側の許可があり、できたことです。
原則、裁判所内および裁判所敷地内での撮影・録音は禁止されています。
個人で傍聴される際には、記録メディアの持ち込み自体にご注意ください。

※使用画像を全て、無料イラスト素材サイト「いらすとや」のものにしたのは、それが理由です。
実際に撮影した写真は、飽くまでも「個人的な記念」の範囲で保存しています。


寸劇と訴状作成体験

記念撮影のあとは、集合場所の会場に戻り、司法書士さんたちによる寸劇を観ました。内容は「貸金トラブル」の事例です。

同僚にお金を貸し、給料日に返すと言われた約束が守られず、その上、会社を辞め逃げされて連絡も取れない。(借用書はある。)

……というトラブルに遭ったものとして、実際に訴状を作成してみるという体験をしました。

貸したお金を取り立てるための訴状は、結構、単純な様式でした。
でも、いざ記入するとなると、細かい疑問が出てくるものですね。
グループディスカッションのような感じになりながら、司法書士さんの解説を受け、記入をしました。

なかなか楽しかったです。


感想・お礼

集合から解散までの4時間余り、とても充実した時間でした。
裁判の団体傍聴は2度目の体験でしたが、最初は30年以上前のことなので、新鮮に感じました。

企画をしてくださった愛知県司法書士会さま、ありがとうございます。
この場を借りて、お礼申し上げます。

参加申し込みのきっかけになったのは、同じく愛知県司法書士会さま主催の市民公開講座「司法書士といっしょに考えるセクシャル・マイノリティ」で配布されたチラシでした。

市民公開講座については、記事5本にわたって書き、マガジンにまとめました。

また興味深いイベントがあることを期待しながら、時々サイトを拝見します。


個人的希望 (ひとりごと)

裁判の傍聴は、機会を作って、個人でもしてみたいです。
裁判所のサイトで傍聴についてのページを読んだら、個人傍聴に事前手続きは要らないとわかりましたので。

目の前に「エサ」がぶら下がっていても、心身の調子で動けないことがありますが、できるだけ多くイベントに参加したいです。
特に、交通費のみで参加できたり、参加費がお茶代以下のイベントは。


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