美食エッセー少2

第14回 北京のスラム街で食べたチョウザメの清蒸(後編)

チョウザメというのはキャビアとなる卵を宿す魚だけれど、大きなものは悠に人間を超えるくらいの大きさになる。

乱獲によって絶滅が危惧されていて、その昔、4メートルのチョウザメがいたという話もある。いわば古代魚であり、太古の昔からその姿を変えずにこの地球で生きてきたが、新参者の人間に捕獲されすぎて、今は養殖で生きながらえ、それどころか日本の熱帯魚店に行けば、10㎝ほどの稚魚も売られている有様である。

ここから先は

2,452字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?