美食エッセー少2

第3回 周恩来が食べた北京ダック

北京ダックと言えば、日本では有名な中国料理のひとつだけれど、中国大陸というのは日本人が捉えきれていないほどの大きさで、北と南ではまるで文化も言語も違うし、南と言っても上海と広州はまるで違う。

だから、「中国料理」というジャンルそのものがあるのかないのかわからない。それくらい中国の中で地域によって料理が異なるのである。

そんな広い中国で北京ダックはその名の通り北京の料理であって、上海に行っても、杭州に行っても、北京ダックを出す料理店を見かけることがない。

わたしはその頃、北京にいた。

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