二年前の日記 12/25

2017/12/25

 アメリカのトランプ大統領が移民を罵倒したとニューヨークタイムズが報じたらしい。だが6月のことだという。半年も前のことをほじくり返す方もほじくり返す方なら、ほじくり返される方もほじくり返される方である。長いな。

 まあとにかくその際、トランプ大統領は「ハイチ移民はすべてエイズ患者」と口にしたらしい。わかっていないな。いまハイチといえばエイズではなくコレラである。

 2010年に大地震が発生し、壊滅的な打撃を受けたハイチでは、治安維持のために国連のPKO部隊が駐留しているのだが、その中のネパール部隊の周囲からコレラが発生した。それまでハイチではコレラが発生したことがなく、コレラ菌がいないと言われてきたのだ。当然ハイチの住民にはコレラに対する耐性も免疫もないため、コレラが大流行、7年経った今でもまだ清浄化できていない。2016年の時点で感染者はのべ80万人、死亡者は9000人以上と言われているから、現在はもっと増えているはずだ。こういう状況をトランプ大統領は知らないのだろうか。

 ……いや、知ってるのかな。知っていてあえてエイズと言ったのかも知れない。もしかしたらエイズという言葉を最近覚えた可能性すらある。子供か。

 当然のことながらホワイトハウスはこの発言を否定しているし、本当のところ言ったのか言わなかったのかは不明であるが、トランプ大統領なら言いそうだ。そんなイメージがある。そういうキャラである。大変にわかりやすく立っていて結構なことだ。創作においては使いやすい。ただあまりにキャラが立ちすぎていて、創作の中に登場させると嘘くさいというかわざとらしい存在になる恐れがある。小説の中にこういうキャラを登場させてやろうと思っている人は要注意かも知れない。

 何にせよ、こういう人物が最高権力者をやっている国の国民でなくて良かったと思うところはある。安倍首相は最高のリーダーではないが、世界的に見て最悪の部類ではない。かなりマシな方ではないかと思う。「そんなことはない! 安倍首相は最悪のリーダーだ!」という声もあるのだろうが、だったらさっさと安倍首相が見劣りするような人物を引っ張り出して来て、野党統一候補にすれば政権交代くらい簡単だろう。何故そうしないのか。日本はロシアではないので、安倍首相の対抗馬を立てたからといって暗殺されることはない。というか、自分としてはそういう候補が出てきてくれることを心より待ち望んでいる。それが嘘偽りのない本心である。誰か出てこないものかなあ。

 閑話休題。トランプ大統領はこのエイズ発言をしたとき、同時に「ナイジェリアの移民はアフリカのあばら屋には二度と戻らない」「アフガニスタンはテロリストの聖域」などとも言ったという。使っている言葉は悪いが、この二つに関してはそんなにおかしな事は言っていないような気がする。あくまで言い方の問題だろう。その言い方を問われる立場にあるのだから非難されるのも仕方ないのだが。

 しかし話題に事欠かない人物である。アメリカのマスコミが食いついて離れないのもわかる気がする。今後もイロイロなネタを提供してくれるのだろう。できればアメリカ大統領を辞めてからネタを提供して欲しいところだが、さすがにそれは望みすぎか。


※ ハイチのコレラはいまどうなってるんでしょうね。去年の情報では、2017年は前年に比べて患者が減少したそうです。それでも1万3000人以上の患者がいたそうですが。ちなみに海外安全ホームページによれば、現在のハイチはレベル2、「不要不急の渡航中止」です。もっともそれはコレラとは関係ないようですけど。

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