二年前の日記 11/11

2017/11/11

 プロ野球北海道日本ハムファイターズの大谷翔平選手が、アメリカメジャーリーグにポスティングシステムを使って移籍することが決まった。まだ23歳である。自分が23歳の頃は鼻を垂らしていたような気がする。

 しかし楽しみだ。23歳といえばプロ野球選手ではまだ若手、これから成長するという段階でのメジャー移籍と言える。これまでも日本球界からメジャーリーグへ渡った選手はたくさんいるが、みな日本球界で一度頂点を迎えている。もちろんメジャーで経験を積んでより成長した選手は数多いのだが、日本球界にいてもまだ上を目指せるであろう伸びしろを十分に残したままメジャーに行くという例は少ない。

 マック鈴木氏とか多田野数人選手とか田澤純一選手とか前例はあるのだが、彼らはアマチュアからメジャーに進んでいるし、少なからず日本球界との間でトラブルになっている。日本プロ野球を経由して、トラブルもなくメジャーに移籍した中で、これだけの伸びしろを残した選手は極めて珍しいのではないか。

 大谷選手の日本における成績も決して平凡なものではないが、彼が野球選手として完成するのはメジャーに行ってからだろう。1年や2年は伸び悩むかも知れない。しかしいずれとんでもない選手になるのは目に見えている。

 できることならメジャーでも二刀流が見たいところだ。メジャー関係者にも二刀流容認派が少しずつ増えているとも言われているし、滅多に現れないタイプの選手である、オンリーワンの選手として大事に育ててもらいたいと願わずにはいられない。

 何はともあれ、世界の舞台で頑張ってきて欲しい。応援している。

 座間の9人殺害事件において、被害者全員の身元が確認された。その事実は捜査の前進を意味しているし、報道する価値はあることなのだろうが、被害者9人の人となりをご親切にも解説し、お涙頂戴のストーリーを展開させるのは何故だ。

 NHKから民放各局、新聞各社などなど、やれバイトに行き始めたばかりだの漫画家の夢を断念したのと、同じ内容をダラダラ流して何がそんなに嬉しいのか。それが被害者やその遺族にとってどんなメリットをもたらすというのか。そんな報道にもし価値があるのだとしても、その価値を見いだせるのは報道関係者だけであろう。大多数の視聴者読者にとってはただ残酷で可哀想なだけだ。

 その報道は誰のための、何のための報道なのかを関係者は考えて欲しい。よそがやっているから、うちだけやらないと売れないから、視聴率が負けるから、そんな理由でしか報道できないのなら、とっとと潰れろと思う。そんな報道機関などなくても誰も困らない。さっさと野垂れ死んでしまえ。


 三陸でマダコが豊漁らしい。宮城県石巻では10月の水揚げ量が昨年同期の8倍に上るという。漁師は大喜びだそうな。そりゃまあそうだろう、漁獲高が生活に直結しているのだからな。気持ちはわかる。収入が増えて喜ばない人間はいない。ただ。

 ある水産加工会社の社長は河北新報の取材に対してこう答えている。

「いつ不漁になるのか分からないので来年の分まで確保したい」

 うーん、これも気持ちはわかるのだが、しかしどうだろう。不漁になるのが怖いのなら、たくさん獲れているときに、たくさん残してはどうか。もちろん今年残したからといって来年も豊漁になるとは限らないが、取り尽くしてしまってはその可能性すらなくなってしまうだろう。いい加減ほどほどでセーブするようにしないと、漁業はジリ貧になる一方なのではないか。農業のように計画的に収穫量を増やせる訳ではないのだし。

 とはいえ、一攫千金のチャンスが目の前に転がっているのに、手を出さない者はいないか。海に暮らしているのに山師とはこれいかに。

 なお、タコの数が増えていることに対し、「アワビの数が減っているのでは」と心配している研究者もいるという。これはタコがアワビを食べるからだが、そんなこと言い出したらアワビの幼生を食べる魚の数が減ればアワビは増えるのではないか。しかし漁業的にそれで良いのか。何か一種類の生物を基準にして自然界を考えると、必ず歪な見方になる。専門家の意見とは言えど、眉に唾をつけて聞く必要があると思うところである。


 10日、神戸製鋼が「当社グループにおける不適切行為に係る原因究明と再発防止策に関する報告書」を公表した。これは経済産業省に提出するために、神戸製鋼社内の原因究明タスクフォース(格好良いなオイ)が調査分析を行い作成したものである。この報告書によれば、これまでの情報改竄に当たっては5つの原因が考えられるという。すなわち、

(1)収益評価に偏った経営と閉鎖的な組織風土
(2)バランスを欠いた工場運営
(3)不適切行為を招く不十分な品質管理手続き
(4)契約に定められた仕様の遵守に対する意識の低下
(5)不十分な組織体制

 の5つである。まあ正直、報告書に細かく目を通すのはしんどいし、外部の調査委員会の原因究明はこれからのようであるから、全容が解明した段階でどこかの新聞社なりNHKなりが情報をまとめてくれるのに期待しているが、トカゲの尻尾切りに終わらないことを祈っている。

 ざっと報告書を読んだ限りにおいては、『閉鎖的』という言葉がよく使われていた。組織の閉鎖性こそが問題であり、個人には責任はない、というような結論にならなければ良いのだが。


※ そうそう、大谷選手がメジャーに渡る事が決まったのも2年前でした。故障などもあり、2年間の選手成績は本人も満足行かない部分があるかも知れませんが、まだまだこれからの選手ですからね。来年も再来年も楽しみにしたいと思っています。

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