二年前の日記 11/15

2017/11/15

 希望の党の小池百合子氏が代表を辞任した。都知事の方は続けるらしい。何だつまらん。昨日14日夜に開いた両院議員総会でその旨を発表したらしいのだが、その席でこう述べたそうな。

「国政については、やはり国政の皆さま方にお任せしていきたいと思っている。その意味では、私は創業者の責任として代表でスタートしたが、私はこれからはむしろ皆さま方にお任せして、方向性は決まっているので、それをしっかりと進めていただくという、それを基にした上で私は代表の座を降りさせていただいて、しかるべき形でサポートできるようにしていきたいと思っている」

 なんとか良い話であるかのように言おうとしているが、要するに放り出した訳である。まあ仕方ない。衆議院議員選挙の前にも書いたが、選挙に勝つ可能性があるとすれば、民進党をまるごと受け入れるか、同じ方向を向いたメンバーだけで少数精鋭で今回は戦うか、どちらかしかなかった。しかしどちらもできず、結果的には旧民進党のメンバーが大半を占める以外何の特徴もない小さな野党になってしまった。

 こんな党の代表で居続けたとしても、小池氏にとって何のメリットもない。とっとと放り出すのは得策と言えば得策である。ただ有権者はそれを簡単には忘れてくれないかも知れない。彼女のキャリアには大きな傷がついたと見るべきだろう。

 しかし、「希望の党は、まだ生まれてよちよち歩きの新しい党だ。フレッシュでなければいけない。そして希望がなければいけない」とはどの口が言うのか。第二民進党となったいまの希望の党のどこにフレッシュさがあるのか。何の希望があるというのか。この党が早晩雲散霧消して、立憲民主あたりにくっつこうという動きが出てくるのは、火を見るより明らかだ。小池氏を信じて希望の党に投票した有権者が多いのか少ないのかは知らないが、とりあえずその人たちの思いは踏みにじられることが前提であろう。そんな希望などあってたまるか。

 今回の失敗で小池氏の国政復帰は当分の間遠のいた。いずれ捲土重来を考えてはいるだろうが、都政でよほど目立った功績を挙げなければ、それも難しかろう。それなりに優秀な政治家であったとは思うだけに、このまま終わってしまうのは残念であるが、少なくとも「初の女性首相」の栄冠は彼女には輝かないだろう。小さな時代が一つ終わったということである。


 インドの首都ニューデリーは酷い大気汚染で有名なのだそうだ。そのため、自動車の排気ガスの発生を抑えようと、自家用車の通行規制を導入する予定であったのだそうな。しかしそれが頓挫した。理由は、女性が性犯罪に遭う危険性が高まるからだ。

 ??? これだけ読むと、何のことやら理解が出来ない。風が吹けば桶屋が儲かる的なことだとしか思えないのだが、インドではちゃんとした理由がある。

 自家用車を規制しようとすると、男性女性問わず規制しなければ手間もかかるし、排ガスの抑制効果も上がらない。しかしそれをすると、女性がバスを中心とした公共交通機関を利用しなければならない。そしてインドのバスを中心とした公共交通機関では、性犯罪が起こる。当たり前のように起こる。それも痴漢などではなく、集団レイプが起きるのである。

 公共の場で性犯罪が起こるのが前提条件であることを行政が認めていることが凄いが、おそらくはもう隠しようもないほどに凄まじい現状があるのだろう。だから女性の安全を考慮するなら、女性を公共交通機関に乗せることは避けたい。だからマイカー規制は導入できないという訳だ。インドでは女性の権利に対する意識が進んでいるのか遅れているのか判断に悩む事態である。ていうかもう、すべてのバスの中に武装警察官を同乗させなきゃならないレベルなんじゃないのと思うのだが、どうだろう。それはできないのか。

 インドはカースト制の国であり、大ヒンドゥー国家である。カースト制は制度としては廃止されて長いが、いまだに国民を縛り付けているし、しかも法や基本的人権の前にヒンドゥーの教えが優先する。この二つを何とかできない限り、人としての権利も糞もない。次の大国としての期待が世界から集まっているうちに、どうにかしてもらいたいものである。


※ 希望の党はヨチヨチ歩きのまま消え去ってしまいました。まあ目先の頭数を揃える方向に走ったのですから、当たり前と言えば当たり前です。何のために集まっているのか、有権者にはさっぱり見えませんでしたから。
 インドはいろいろとレベルが違います。常識とか普通とか当たり前を日本人的感覚で求めてはいけない国です。とりあえずカーストだけでも何とかしてもらいたいものですが。

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