二年前の日記 11/9

2017/11/09

 フィンセント・ファン・ゴッホの絵といえば、やたら『ひまわり』ばかりがクローズアップされることが多い。だが自分はあまり好きではない。どちらかといえば、『糸杉のある麦畑』とか『星月夜』とか、ああいう頭の中がグルングルンしてくる絵の方が好きである。

『糸杉のある麦畑』と『星月夜』はどちらも糸杉をテーマとした絵であるが、ゴッホは他にオリーブ畑をテーマにいくつもの作品を描いている。その中に1889年作の『オリーブの木々』という作品があるそうな。ゴッホが自殺したのが1890年であるから、最晩年の作品と言える。

 アメリカのカンザス州カンザスシティーにあるネルソン・アトキンス美術館の美術修復員がその絵を顕微鏡で調査していたところ、思わぬ物を見つけた。ゴッホの絵の特徴として、キャンバスに絵の具を「塗る」と言うより、絵の具を「置く」と言う感じの、非常に分厚い絵の具の層が見られるのだが、その分厚い絵の具の中に、バッタの死骸があったという。

 それには絵の具の中で動いた様子が見られないことから、おそらく絵の具の中に塗り込められるより前に死んでいて、強風で飛ばされ、その強風の中で筆を振るっていたゴッホのキャンバスにぶつかったのだろうということだ。ゴッホは屋外で絵を描くことにこだわり、砂埃やハエが塗り込められた絵もあるという。まあ奇人であったのだな。もしくは鬼神か。

 何にせよ、こんな事実が改めて発見され話題になるほどその作品は愛されている訳だ。それは素直に羨ましい。ただ今更言っても仕方のないことではあるが、出来れば生前に評価してやって欲しかったと思う次第。


 日本で起きることは世界中で起き得るし、世界で起きていることは日本でも起き得る。当たり前過ぎるくらいに当たり前のことではあるが、うっかり忘れてしまうことも多い事実である。

 7日、オーストラリアのシドニーでSUVが小学校の校舎に突っ込み、8歳の男児2人が死亡した。警察は故意による事故とは考えていないという。つまりテロではないと言いたいのだろう。テロではなくとも車は暴走するし、死人も出る。日本ではアクセルとブレーキを踏み間違えた老人の車が何人もの命を奪っている。今回の事故の運転手は老人ではなかったが、4人の子供をもつ未亡人だという。イロイロ大変で、精神的にも肉体的にも追い詰められていたのかも知れない。運転中に集中力が途切れてしまったら、老人も若者も関係ない。自動車は走る凶器となる。それは世界共通である。

 まあ殺された方とすれば、そんな理由などどうでも良いのかも知れない。容疑者は29日の裁判に出廷することを条件に保釈されたそうだが、危害を加えられる危険はないのだろうか。それもまた世界共通のような気がするが。


 今月5日、トランプ大統領が来日した日、日本の各地に爆破予告の電話があった。まあ普通に考えて、警察がNTTに確認すれば、その時間そこに電話をかけていた電話番号はすぐに割り出せるはずである。果たして、京都府警は8日、京都府向日市の38歳の無職の男を威力業務妨害の疑いで逮捕した。調べに対し男は「むしゃくしゃしてやった」と容疑を認める供述をしているという。

 こんな言い方をするのもアレだが、今時むしゃくしゃしたからといって爆破予告をするというのは相当に頭が悪い。爆破予告という時点で感覚が古いし、それを自分の電話からかけてしまうというのはもう脳みそがあるのか疑問に思うレベルである。

 今から二十数年前、自分が某所に勤務していた折には、爆破予告や脅迫電話はしょっちゅうかかってきていた。それはマスコミには一切公表されなかったが、当時警備員だった自分はそのたびに巡回警備の回数が増えたりして面倒臭い思いをしたものである。

 あの当時はまだインターネットなど一般には普及していなかったから、まあ爆破予告の電話も理解不能という訳ではなかったが、現在これだけネットが発達している中で、なにゆえ爆破予告を、それも電話で行ったのか。脳みその中が昭和で止まっているのではないか。罪を犯すなら犯すで、時代に合った犯罪というものがあるだろう。まったく何を考えているのやら。

 何というか、この男は犯罪者すら向いていなかったということだろうか。そう考えると哀れではあるが、同情はしない。自分には他人に同情する余裕などないからである。社会の隅っこの目立たないところに身を置き続けることで精一杯なのだ。


 朝日新聞の現役記者が迷惑防止条例違反で現行犯逮捕された。電車内で女性のスカートの中を盗撮していたらしい。調べに対し、「やめられなかった」と述べているらしいが、よかったではないか、やめられて。

 以前にも書いたが、盗撮の何が面白いのだろう。まったく理解できない。風俗に行けばスカートの内側どころか、下着の内側まで見たい放題見せてもらえるというのに。そんなことで人生を棒に振るなど愚かだとしか言い様がない。それとも趣のわからんヤツだと笑われるだろうか。


※ ゴッホのひまわりは値段の話題ばかりが先行して、絵としての評価がいまひとつわかりません。わかりやすい絵ではないと思います。星月夜なんてもっと評価されても良いように思うのですけどね。

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