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腕時計を洗濯機で洗ってしまいました

~1/25・夜の記録~

やってしまいました。
あんなに、あんなに、気をつけていたのに......!

気付いたのは洗濯終了の7分前。
洗濯機はすでに「洗い」を終え、「脱水」に差しかかっている段階でした。

今取り出しても、終わるのを待ってから取り出しても水没したことには変わりなく、もう手遅れでしょう。
丁寧な扱われ方しかされたことのない(腕時計という名の)お嬢さま精密機械は、きっとパーカーのポケットの奥ではじめて体験した遠心力のすさまじさに驚いて、今ごろ失神しているに違いありません。
最悪の場合、修理すら効かないほどに。

出かける前、すぐ腕に付けるつもりで一時的にポケットに入れたのを、すっかり忘れてしまっていた私。せめて私の体を外気から守ってくれた厚手のパーカーが、私の大事な腕時計のこともしっかりと包んでくれていることを願います。


この腕時計は、私が二十歳を迎えたお祝いとして家族がプレゼントしてくれたものでした。シルバーに光るバンド、シャープでお洒落なローマ数字のインデックス。大人っぽいデザインに心躍らせ、以来ずっと仕事の相方として大切に使ってきました。

劣化が原因で使えなくなったのなら諦めも付きますが、自分のミスで終わりを迎えるなんて、そんなのは嫌です。


あぁ、とにかく後悔先に立たず。
浮かぶのは「絶望」の二文字。
たしか防水加工されていたような気もするけれど、どんな機械も洗濯には耐えられないだろうなきっと。

せめて何かできないかとスマホで応急処置を検索していると、「ピー、ピー」と洗濯終了の合図が鳴りました。
あわてて蓋を開けてパーカーを入れていた洗濯ネットのかたまりを掴むと、ジャラリという音とともに金属の冷たさが指に伝わって、ますます私はうなだれました。

うぅ、飛び出ちゃったかぁ......

ポケットから飛び出しているやんちゃなお嬢さま精密機械をそっとつまみ上げ、盤面を見てみると

カチ、カチ、

と一定のリズムで秒針は動いており、さらには盤面もクリアで水滴もなく、まったく曇っていません!

やったー!!

思わずガッツポーズ。
洗濯してしまった事実を知らなければ、元の腕時計と変わりない見た目です。

でも安心しきってはいけません。
先ほどまで調べていた応急処置のページには、まずは乾いたものでまわりの水分を拭き取り、リューズを引き出した方がよいと書かれていました。
重要なのは、水分を除き乾燥させること。
ただ、これでは中に入り込んでしまった水分までは取り出せません。

盤面の裏に書かれた小さな文字を読み取って、ブランドのサイトから取扱い説明書を探し出し、確認してみました。
どうやら防水時計だったようです。よかった。
日常生活用よりも、もう少し耐えられる「5気圧防水」に分類されていました。
一応水泳も可能なレベルのようですが、さすがに洗剤液に30分以上も浸かった状態は想定していないでしょう。

たとえ動いていて無事なように見えても、実は中の細かい部品に水や洗剤が及んでいて、錆びに繋がってしまう危険があるそうなので、明日すぐに時計店に行って、まずは専門の方に見てもらおうと思います。
どうか無事でありますように!


2023.01.26 朝方

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