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挑戦すると笑われることもある。まずは自分が自分の一番の応援団になろう。kokorozashi社会福祉士事務所 鮫島政志

SNSやブロガー、YouTuberとしても活躍されており、大阪にてフリーの独立型社会福祉士として活躍されている kokorozashi社会福祉士事務所 鮫島政志さんにお話を伺ってきました。



福祉の分野を志したきっかけ

はじめましてよろしくお願いします。ブログでもお母様のことやボランティアのことを読みましたが、改めてまず最初に福祉を目指されたきっかけをお伺いしてよろしいですか。

一番は、単純に人が好きで関わりのなかで元気がもらえるので福祉の分野に進みました。

18歳までは鹿児島県の種子島で過ごし、大学進学で大阪へ。

ヘルパーの資格を取り高齢者の方が入居されている特別養護老人ホームに就職しました。

大学のときに3年間お子さんへのサッカー指導・障がいのある方に水泳指導のボランティアを通して関わらせてもらいました。

高齢福祉を希望したのは福祉のなかでもまだ経験していなかった「介護」を中心とした支援を学びたいと思ったからです。

3年間介護士として働きながらダブルスクールで「社会福祉士」「介護福祉士」「精神保健福祉士」の資格を取得しました。

初めて社会福祉士の国家試験を受験したときは不合格。

嗚咽をもらしながら枕を濡らしたことを覚えています(笑)。

それがきっかけで講師として活動している今も学生のみなさんに、「僕のような失敗をしないように!」とお伝えすることができています。笑


高齢者施設で3年勤めたのち訪問介護事業所に転職、訪問介護員兼サービス提供責任者として働かせてもらいました。また障がいのある方へ相談支援専門員としても関わらせてもらっています。

利用者にもっとできることがあるんじゃないか。
現場だけでなく現場から離れることでできるアプローチもあると思い、社会福祉士や精神保健福祉士の養成校で講師として活動させてもらいました。



自分の大切なものを失ってしまうと感じた

組織で働くなかで役職がついたり運営を任されたりすると、組織人として運営管理を強く求められましたし、自分もやりがいを持ち仕事に取り組んでいました。
20代のうちにそういうことも経験できたことは良かったと思っています。

しかしこれを30年40年続けていくのかなと考えたとき自分の大切なものを見失ってしまうのかなと思ったんです。

なるほど。現場での葛藤や、この仕事をこの先続けていくと考えたときに不安を感じる気持ちはすごく共感するものがあります。

そうなんです。自分がやるべきだと思っていてもまずは組織の中の組織人としてやるべきことや求められるものを優先していくなかで、福祉分野を志したときの「人と関わりたい、その人が自分らしく過ごせる居場所をつくりたい」という想いと時に逆行することがあり葛藤がありました。

それならば自分で事務所を立ち上げ相談対応など現場での支援・講師活動をしながら運営面をみていく、プレイングマネージャーとしてやっていこうと独立しました。


100挑戦しても98は失敗する

鮫島さんは福祉に関することが基本にはありますが、ブログやYouTubeなど様々なことに挑戦していますよね。

今まで福祉分野で支援者として関わってきましたが、今の福祉はほとんどが制度の中で事業を行っているなか「制度がなければ支援ができないのか」と葛藤していました。それならこれまでにいた分野にとらわれず、一人の人としてサービスを自分で作り出していったらいいじゃないかと。

実際に始めてみると100挑戦すると98は失敗しました。笑

残りの2でどうにかやってこれていますが、そういう失敗するところも発信しているのでこれから挑戦したいと思っている方の背中を押すことにつながればと思っています。

「挑戦しよう」その気持ちが持てることってすごいこと。

そこからうちの屋号も「kokorozashiチャレンジ」にして、志を持つ人や挑戦する人を応援したいという思いから決めました。

そして始めてからわかったこと

人に笑われたとしても自分が自信を持って愛情を持ってやらないと活動、事業は伸びないんだなと。

まずは自分が自分の一番の応援団になってあげるという想いで挑戦しています。


講師活動

講師としても活動しており、

① 教育機関で支援者を目指す方への講義
② 法人(福祉施設)での職員様向けの研修
③ 主催のセミナー

以上の活動に取り組んでいます。


福祉制度だけにとらわれない

有料でも満足していただけるサービスを提供する

kokorozashi社会福祉士事務所のサービスを見ているとサッカー教室など福祉制度に則ってない事業をしていますよね。

そうですね。基本的に制度に則ったものはやっていません。

制度に則ったものは大きな法人さんなどが取り組まれています。

今自分が取り組むべきは制度内では難しいケースなどに、フットワーク軽く対応することだと思っています。

今年度からは個別サッカー教室をスタートしてあくまでもサッカーは入り口で障がいがあってもなくても自分らしく過ごせる居場所を作れたらなと思い活動を始めました。

ただ制度を使った事業ではありませんので自費でお願いをしています。金額としては1時間5400円です(取材当時)。

放課後等デイサービス入れるお子さんであれば月に20日間前後1日に数時間預けても1割負担か負担なしなのでかかっても1ヶ月数千円なんですよね。

福祉の関係者からはお金をとってやっていることを有り得ない、と言われることもありますがうちも事業として取り組んでいます。

私自身もこれまで福祉の分野で働いているとお金の動きが見えずらいこともあったためそういった言われ方やこちらがお金に余裕のない方から取ろうと見えたのかもしれません。

もちろん、無理やりサービスを押し付けるわけではなくて体験教室を通してそのサービスが必要な方に1時間5400円(相談対応は1時間1万円)という金額を提示して納得したうえで利用してもらっています。


サッカー教室を利用されているお子さんの中には、普段と違う環境だと安心できないお子さんもいるので本人や保護者の方と相談させてもらったうえで最寄りの公園などでサッカー教室を開催しているので大阪市内を自転車で走り回っています!笑

今までの福祉としての価値観なら難しいことでもひとつのサービスとしてすることは十分に可能だと感じています。福祉制度であれば自己負担が1割などですが、求めているサービスがあるなら「福祉人の前に、一人の人として」サービスを作っていきたいと思っています。

はじめてサッカーの体験教室を開催したときに、お子さんはそんなに乗り気じゃなかったようですが(あとから聞きました。笑)、親御さんが連れてきてくれたということがありまして。

でも終わったあとに「楽しかった!お母さんまたサッカーくる!」と言ってくれて定期利用してくれることになり、すごく嬉しかったんですよね。


形のないもので不安だったが、参加者のお子さんや親御さんから感謝の言葉をもらってよかった。
サービスを立ち上げて感謝の言葉を頂けて、うちも事業を継続出来きる。

「あー最高だな」
と思いました(笑)

社会福祉事務所ということでやらしてもらっていたので、当初は相談援助を中心にしようと考えていました。

でも社会福祉士だからこういう対応をしなければいけなってことにとらわれていたんですね。このサッカー教室でも

「相談援助・支援という言葉を使わなくてもサッカーを通して自然に学校の様子などを保護者と話ができて自然な相談援助、サポートできる体制を作っていけている」もっと具体的に落とし込めばもっと素敵なサービスになるなと思うので、サービス向上に取り組んでいきます。



無料では継続が難しい

制度に則ったものではなく、自分らしいサービスを発信していく鮫島さんの覚悟を感じました。
福祉業界は基本的に何でも無料もしくは低額な風潮がある中で有料でしっかりお金をもらって事業運営していくことは大変かと思いますが、経済学部で学んだことも活きているのでしょうか?

いやいや全然活きてないですよ(笑)

ただ独立してからは必死で取り組んできて広報など「知ってもらうこと」って大事だなと実感しました。

以前に教育機関で講師をしていたとき、当たり前に生徒がいる環境なんですよね。

そうでなくて、セミナーや講演会をやろうとするとまず集客が必要になる。
セミナーを開催するとき自分で広報や集客をしなければいけないので苦労しました。

かねてよりやりたいと思っていたバーンアウトの予防のセミナーや講演会を数回開催しました。初回は参加費2000円で参加者16名でした。


おぉー16名集めるってすごいですよね!
集客するの大変だと思います。
特に福祉業界は・・・。

ありがとうございます。

福祉のイベントって無料が多いですよね。
それはそれで素晴らしいことなんですけど、それが当たり前のような感じがあります。

単発ならいいんですが、お手伝いをしてくれているスタッフもいるので、継続してやっていくためにはきちんとお金をいただき事業としてやっていかないといけない。

そうすることで自分にも協力してくれる人にも責任も生まれ、質が上がっていくと思うんです。

告知もチラシを持って挨拶周りに行ったり、SNSで発信もしました。

大変でしたが自分で告知をするなかで同じ想いに共感していただいて、その告知やセミナーで交流してできた新たな繋がり。そこから別の仕事を頂いたり。本当にご縁だけでやらせていただいています(笑)


絵本出版

実は今回鮫島さんを取材させて頂くにあたって鮫島さんが出版している絵本を購入して読ませて頂いたのですが、ソーシャルワーカーで絵本を出版している人はいないんじゃないかと思います。
どういった経緯で出版されたのでしょうか?

以前より考えてはいましたが、どういう形で出すかというのはずっと考えていました。

これまで福祉分野、教育分野で働いてきたなかで真面目な人や熱い想いを持った人が燃え尽きてしまい、離れていく人を見てきました。私の母も鬱で自分自身を追い込んでしまいました。

共通しているのが対人関係の悩み。

普段ソーシャルワーカーとして活動するときに相談に来られる方はしんどくなって来られる方がほとんど。

その一歩手前での予防という意味もふまえて「自分らしく」「自分のことも大事にしてほしい」というメッセージを込め、絵本での出版になりました。
共感してくれる仲間に協力してもらいながら1年かけて出版することができました。

この本で人を変えることはできないかもしれない。でも、この本があることでホッとするようなお守りのような存在になればと。必要な方に届いてくれれば幸いです。


今後の課題

今は事務所のホームページ・介護と福祉の情報サイト・個人ブログの3つを運営していますがそれぞれ別々に運営しているので、次年度までにもう少しkokorozashiチャレンジのグループとしてまとまりを出していこうと考えています。


これからのkokorozashi

大阪で地震があった際に被災者に事務所を無料開放したのですが



今後この事務所をセミナーや研修で利用したり、ワーキングスペースとして活用してもらおうと考えています。


けっこー30代、40代の男性には秘密基地っぽくて好評なんですよ(笑)

2019年度は北海道から沖縄まで日本全国をセミナーで周りたいと思っています。

・働く人や、相談援助職のバーンアウト予防について
・起業家支援について
・キャリアデザイン

以上を中心に開催していくので乞うご期待ください!


最後に

これからも挑戦していきたいですね。

活動や挑戦、失敗しながらも再チャレンジすることを発信していって

「鮫島でもできたのだから・・・」

と、みなさんに思ってもらえましたらこんなに嬉しいことはないです。

そのためにも私自身が活動の先頭に立ち挑戦していきます。


事務所で一緒に写真を撮らせて頂きました。
左が鮫島さんで右が筆者です。


今後の鮫島さんに目が離せません!

当初2時間の予定でしたが、お茶して事務所にも行かせてもらい、さらにお昼も一緒して結局4時間くらいずっと話をしました。
お忙しい中本当にありがとうございました!



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