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銃と、ぼくの頭

ああ 本当にどうでもよくなってしまったのか

永遠に戦争の夢を見た
挙句妻のような関係にあたいする人が
他の男で妊娠していた

班を組まされて
その日、ノルマを達成できなかった班が
連帯責任で誰か一人
ランダムに処刑される夢を見た

その方法はシンプルで
目をつぶって寝かせられて
頭に銃を突きつけられる

確実に引き金を引かれるかどうかは
わからない

そういうのを見せしめや
脅し、教育に使うタイプの国だった

テキトーに名前があげられて
何度も横になって
目を瞑った

「明日はお前な」って言われた日
やっぱり遊ばれてんのか
処刑が確定するかどうかは
ぼくには告げられなかった

でも、周りの同じ友達や家族は
みんな聞かされていた

明日自分が本当はどうなってしまうか
聞く勇気もなかった

その時ネットはネットで
いつも通り盛り上がってて
それも何気ない日常の流れを目の当たりにした

みんな普通を装って
ぼくに接してくれる

その行動の一つ一つが不審になって
本当はみんなぼくが死ぬことを
わかってるからこそ優しいのか
言葉の節々にも疑心暗鬼になって
一日中、誰と会話しても
生きた心地がしなかった

勇気を出して自分の言葉を
最後ネットに残したら
TikTokにいつも通り無断転載されて
「死ぬ前の人の声」みたいなタイトルで
バズってた

コメント欄はもちろん
軽率な馬鹿共だった

そんな時まで
ゆきむら。になりきって
死にたいしてイキがったことを
その一日言ってた

よくわかない圧力の中で
結局本音を誰にも相談できないまま
というか、相談されたところで
死を手前にしたやつに
なんて言葉をかけてやれというのか

ぼくの精神状態から破壊するために
その日はたくさんの死刑囚の動画を見せられた
お前はこうなるんだ、と言わんばかり
そのビデオを見せられ続けた

死ぬなら死ぬでいい
ただ、確定なのかそうじゃないのか
それだけ聞きたかった
いやだから、聞く勇気なんかも
もちろんないんだけど

情けなさと、人間の脆さが頂点に達した時
メンタルが崩壊してたくさん泣いた

死ぬなら、死ぬ時の言葉があって
死なないなら、未来に向けて言えたことがあった

状況に応じて
言える言葉と言えない言葉が存在した

それを、好きな人たちに
今何を届けられるのか不安になって
結局、立場上「励ます」を選んだ

「ぼくは明日死ぬかもしれない
みんなその結果はわかってんだよね
でも、ぼく平気だよ
やり残したことは何もないし
お前は必ず生き延びてほしい」

みたいな

やっぱり最後まで
夢の中でもそんな感じかよと
肩を落とす


ーーーーーーーーー


死刑前の夜
見回りの人が家に来た

妻が目の前で
兵士から何か薬を受け取った

ぼくはそれ何?と聞いたら

もう最後の人と悟ったのか
説明する、という親切心か知らないが
自分が妊娠していることを話された

知らない女の子だった

ぼくも女だ

女と女の間に子供なんかできるわけない
そんなの馬鹿でもわかったから
頭がパニックになって
問いただしたら濁された

「まだわからないから」と言われた
浮気をした、寝取られた、レイプされた
そんなのはたくさん考えられるけど

なんでぼくは死ぬ日の前に
こんな事実を知らなきゃいけないのか

そして死ななかったとしたら
そんな彼女とどう向き合っていくのか
腹違いの子供を愛せるのか

意味わかんねえ展開の連鎖に
もう本当に絶望して、
いや 絶望というよりキャパオーバー

女の子が泣き出した
泣きたいのはぼくだった
でも、なんかもう、
ここまできても世界って
ぼく優先にならないんだなって知った

人間の底を見た
最低、とかじゃなくて、程度だな


今日なしばらくブルーなんだろう
いろんなことがショックで
本当にショックで

精神的な拷問面、もちろんされど夢
けど、見てしまったもの
感じたものは、ほぼ本当だ

現実か妄想かってだけだけど
あの感覚、特にぼくの夢は
かなりのリアリティである

例えリアリティがなくたって
ぼくの感受性がレベチであるが故
突き刺さるものは勝手にでかい



書き殴ったけど
こんな感じ

今も頭が変な感じ

完全に現実と割り切れたら
また言います

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