メキシコペソ 3月5週目 利下げ直後に高値更新

今週はセマナサンタで市場は休みなのですが、ここで高値更新するとは!ペソ円が一ヶ月9円台を続けるとは思えませんが、定着すれば円安の方がかえって心配です。日本人が円を信用できなくなる世界を想像することが出来ません。

利下げ直後もペソ絶好調

まさか利下げ直後に16.64の抵抗線をブレークするとは意外でした。2015年以来のドルペソ16.5、次の抵抗線は15.30なのでちょっとありえないという印象です。
今週のペソ高の要因はエルフィナンシャリオ誌によると
・失業率が2.5%(就業人口5940万人、前月より49.2万人増加)
・貿易赤字も輸出額が前月より90億ドル増加
でペソ買いなったとのこと。

長期的には
・利下げ後も政策金利11%と米国と5%以上の差
・送金と観光収入によるドルの余剰
・資本財の輸入増加
・海外直接投資(360億ドル)は貿易赤字6倍をカバー
の要因で根強いことです。
失業率2.5%は日本を追い抜く勢いで驚きです。米国は当面利下げはなさそうですが、メキシコは雇用が強く、経済発展の期待が大きいのでハプニングがなければドルペソが大きく崩れそうにもありません。去年は16.64を受けた後すぐに為替ヘッジ削減と空港ショックでペソ安に振れましたが、今回も何か起こりそうな気がしてなりません。

ドル円日銀最終ラインは152円

今週ドル円が151.97まで上昇すると、あらゆる手段で介入辞さずと声明しました。神田財務官は「最近の円安について(経済の)ファンダメンタルズ(基礎的条件)に沿ったものとは到底言えず、投機的な動きがあることは明らかだ」と発言したようですが、個人的には見当違いで、円の信用力低下にならないと思います。
本当に為替介入してもらえるなら、介入後にドル買い円売りで美味しくいただくつもりです。

メキシコ国内の中国車生産

メキシコ経由の中国車輸出にアメリカがクレームとか迂回貿易が気になって調べてみました。
去年数千億円レベルでBYDの電気自動車工場投資の話がありましたが、まだ計画中です。
実際どのくらい生産しているか調べてみると1%以下のレベル、輸出も同様に1%以下のレベルでした。

それでよく見てみると
ベンツ・・・生産台数 5053台、輸出 6785台
BMW・・・生産台数 8792台、輸出 9807台
って数があってません。(輸出はほぼ北米)

中国で生産したドイツ車やアメリカ車を仕掛品として一旦メキシコへ輸出して、少しだけ加工してアメリカへ横流すのが迂回貿易の実態とすれば制裁対象は中国でもメキシコでもないかもしれません。故意にこんなことすれば、厳しい制裁が予想されるので絶対ないとは思いますが、まだ製造されてもない中国車を何故に大騒ぎしているのかよく分からなくなってきました。

トピック

通貨:
先週16.77から週末は16.56
利下げ開始も雇用と輸出増加でドルペソが最高値更新
メキシコ中銀は2024年のドルペソを18.53前後と予想
シティは2024年末のドルペソを18.00前後と修正

メキシコ株:
週末株価は56.6から56.6

メキシコ中銀:
現在政策金利11.00%:次回の政策金利は5月9日
3月21日の政策金利会合は4対1で0.25利下げ
年末金利予測は9.5%で1.50%、0.25%の利下げ6回分を予測
(次回5,6,8,9,11,12月の全月)
セハ総裁は利下げは慎重に行うと市場に念押し

メキシコ2024年末経済成長率予想
3.0%・・・メキシコ財務省
2.9%・・・BBVA
2.8%・・・メキシコ中銀
2.7%・・・IMF
2.5%・・・OECD
2.3%・・・ムーディーズ
2.2%・・・シティ

金融:
2023年メキシコで営業する銀行の利益は2718億ペソで過去最高を更新

消費者物価指数:
2月の年間インフレ率は4.40%、前月4.88%より0.48改善
2月の年間コアインフレ率は4.64%、前月4.76%より0.12改善
3月中間の年間インフレ率は4.48%
3月中間の年間コアインフレ率は4.69%
イースターの観光サービスがインフレを牽引

メキシコ中銀:年末年間インフレ率を3.6%と予測

貿易収支・経常収支:
貿易収支 2月:-5.8億ドル、1月:-43.2億ドル、12月:42.4億ドル
輸入額 2月:513.1億ドル、1月:462.7億ドル、12月:450.1億ドル
輸出額 2月:507.2億ドル、1月:419.6億ドル、12月:492.5億ドル
2月自動車輸出が反転好調、石油輸出増、輸入減が顕著な傾向
輸入は投資財が牽引で市場から好印象

2023年も米国からの送金は好調で最高更新の633億ドル
シティは2024年の送金総額を670億ドルと予想
1月送金額は45.8億ドル 前年同月より3.1%増加、前月より1.8%減少

小売り売上:
メキシコ中銀:メキシコの消費者信用総額1.36兆ペソ、実質年率13.5%増加
ANTAD:1月の売上1252億ペソ、前年同月比6.7%
1月の消費者信頼感指数は47.1、過去20年で5番目に楽観的
INEGI:2023年通年のメキシコ個人消費は4.39%増加

雇用・失業率:
INEGI:2月失業率は過去最低の2.58%、前月より就業人口が49.2万人増加
非正規雇用が54.5%で高止まり
IMSS:メキシコの平均賃金は日給573.4ペソ

製造業・自動車:
2月の輸出台数は28.2万台で年間累積53.6万台で前年同期比14.6%増加
2月の生産台数は31.8万台で年間累積62.6万台で前年同期比8.6%増加
自動車産業は2024年の生産台数を400万以上と予測、そのうち輸出は300~350万台を想定

BBVA:2月製造業は前年同期比1.2%下落
1月の建設額は前年同期比4.1%減少

財務省:2024年から3ヶ月で310億ドルの海外直接投資発表
財務省:2024年の外国直接投資20%増加、400億ドルを期待
1月の景況感は前年同月比54.4%で好況を維持も限月より0.1%低下

食品:

エネルギー:
メキシコバスケットは75.75から76.50
PEMEXは2025年にガソリン時給とを約束

USMCA:
エネルギー国有化は引き続き論点
米国遺伝子組換えトウモロコシの使用を禁止するメキシコを提訴
アメリカーメキシコ間の鉄鋼アルミニウム貿易の透明性を協議
2026年USMCA再交渉に中国がクレーム
テキサス州警察に不法移民疑惑者を逮捕、強制送還の権限付与施行容認の米最高裁にメキシコ与野党ともに大抗議

USMCA以外:
中国産建設用鉄鋼に暫定割り当て制限
アルゼンチン・ミレイ大統領が中南米諸国を口撃

観光業:


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