メキシコペソ 3月1週目 OECDで低失業率トップ3の可能性

日経がすごい勢いで4万円タッチはほぼ確実かと思っています。3月末配当確定日の企業が多いので、月末まで何らかの危機がなければまだまだ緩やかに上がる可能性が高いと思います。ただ、来月少し下がったからと言って「ここが天井」と日経インデックスをショートするのは危ないようにも思っています。

あとnVidia、AI半導体関連が暴騰と言われていますが、12月から2月17日までの業界別値上がりランキングを個人的に調べてみたら
1位・・・保険業 121%(昨年26位)
2位・・・海運業 117%(昨年6位)
3位・・・証券業 112%(昨年22位)

とちょっと意外な感じでした。今半導体関係に手を出すつもりはありませんが、何がいいのかは悩み中です。

個人的には3月12日の米国CPIも予想以上に改善して一時的にドル安円高、しかし利下げ時期は6月以降がマーケットのコンセンサスなのでその後ドル高円安かなと想像しています。想像が当たればロングでちょっとと思っています。ドル円、今みたいなレンジ相場は(利益は少ないですが)ありがたいです。

失業率は良好

2023年第4四半期の失業率が2.7%とINEGI(国土統計地理院)の記録が始まって以来の低水準で終わりました。

OECDでぶっちぎりの日本の失業率2.5%と比べると落ちますが、アメリカが3.7%なので比較すると好調です。特に多くの雇用を生み出したのはサービス部門で、観光業や飲食業、運転手は人手不足とのことです。正直、飲食業や運転手をするならアメリカに出稼ぎすれば5~10倍ぐらい、アメリカ不法移民を狙っている国境の中南米や中国人ですらメキシコで働くとは思えません。ちなみに1月の失業率はINEGIが2.8%、ENOE(全国職業雇用調査)が2.9%で今年も好調を続けそうです。

ちょっと興味があって2022年の失業率ランクを見てみると
 チェコ・・・2.08
 スイス・・・2.17
 日本・・・2.59
ですが今年スイスは3%台まで下がったみたいで、チェコは不明。ニュージーランドや中欧も3%割れている気配ないのでメキシコが潜り込む可能性を感じました。メキシコの(良くない)イメージからすると卒倒ものです。

外国直接投資は旺盛

財務省によると、2024年に入ってから2ヶ月間で外国企業は52件258億ドルの投資を発表しました。
あくまで発表ベースなので実際どうなるかは不明ですが、ちなみに2023年1年間の実績は361億ドルです。
製造業160億ドル、医薬業50億ドル、輸送業44億ドルの順で、製造業は食品関係62%、自動車・自動車部品21%、鉄鋼12%、フェムサが100億ドル投資するようなので偏りは大きいです。この投資による雇用創出は2万8千人ぐらいを見積もっているようです。

中銀理事の利下げスタンス

金融機関は高金利のおかけで2022年も最高利益を更新しましたが、2023年も更に最高利益を更新し2718億ペソ、前年より年間10%レベル増加とのことです。メキシコ銀行協会(ABM)フリオ・カランサ総裁は、ニアショアリングのチャンスでビジネス拡大のため3月金融政策会合での早期利下げを熱望しているようです。一方、ABMオストス副総裁は、メキシコ中銀の利下げに慎重な立場に理解を示しています。

現在のところ、利下げについてメキシコ中銀理事の立場は以下の通りです。
ヒース副総裁・・・前回2月中間インフレ率は参考程度
         年末3.5%の目標は達成できる確信を持てない
         時期尚早の利下げに警告
エスピノーサ副総裁・・・リスクバランスが上向きに偏っている
            インフレ再燃の可能性を排除できない
ボルハ副総裁・・・データの進捗状況をじっくり検討
メヒア副総裁・・・慎重でなければならないが政策金利を引き下げる余地は十分ある
セハ総裁・・・金融状況を考慮すると利下げについて議論する可能性がある

年間インフレ率4.25%に下がった去年の秋頃にヒース副総裁は11月利下げをちらつかせたのでが、タカ派転向も仕方ないと思います。3月7日のCPI次第ですが、3月利下げは据置、様子見だと思います。

メキシコ中銀もインフレ率が4%を割れると確実に利下げと想像していますが、4%台で利下げするなら米国利下げ開始以外のトリガーは何になるのか想像もつきません。

トピック

通貨:
先週17.12から週末は17.02
メキシコ中銀は2024年のドルペソを18.53前後と予想
シティは2024年のドルペソを19.00前後と予想

メキシコ株:
週末株価は56.7から55.4

メキシコ中銀:
現在政策金利11.25%:次回の政策金利は3月21日
2月8日の政策金利会合は全員一致で据置
年末金利予測は9.5%で1.75%、0.25%の利下げ7回分を予測
(メキシコ中銀の政策金利会合は年8回なので3月から毎回連続)

2023年の経済成長率は年率3.2%
1月の経済成長率は年率0.1%

メキシコ2024年末経済成長率予想
3.0%・・・メキシコ財務省
2.9%・・・BBVA
2.8%・・・メキシコ中銀
2.7%・・・IMF
2.5%・・・OECD
2.3%・・・ムーディーズ
2.2%・・・シティ

金融:
2023年メキシコで営業する銀行の利益は2718億ペソで過去最高を更新

消費者物価指数:
1月の年間インフレ率は4.88%、前月4.66%より0.22悪化
1月の年間コアインフレ率は4.76%、前月5.09%より0.33改善
2月中間の年間インフレ率は4.45%
2月中間の年間コアインフレ率は4.63%

貿易収支・経常収支:
貿易収支 1月:-43.2億ドル、12月:42.4億ドル、11月:6.3億ドル
輸入額 1月:462.7億ドル、12月:450.1億ドル、11月:496.2億ドル
輸出額 1月:419.6億ドル、12月:492.5億ドル、11月:502.5億ドル
1月は製造品、特に自動車の輸出が不調
輸入は(高給)消費財と投資財が牽引

2023年も米国からの送金は好調で最高更新の633億ドル
シティは2024年の送金総額を670億ドルと予想
1月送金額は45.8億ドル 前年同月より3.1%増加、前月より1.8%減少

小売り売上:
メキシコ中銀:メキシコの消費者信用総額1.36兆ペソ、実質年率13.5%増加
ANTAD:1月の売上1252億ペソ、前年同月比6.7%
INEGI:1月の個人消費指標は物価金利高で鈍化

雇用・失業率:
INEGI:1月失業率は2.8%、2023年全体で平均2.8%、18年間で最低
IMSS:メキシコの平均賃金は日給573.4ペソ
AMLOはインフレ率以上に最低賃金を上昇するよう憲法改定を提案

製造業・自動車:
1月までの輸出台数は25.4万台で前年同期比6.8%増加も前月より9.9%減少
1月までの生産台数は30.7万台で前年同期比9.5%増加
自動車産業は2024年の生産台数を400万以上と予測、そのうち輸出は300~350万台を想定

1月の製造受注指標は50.5
1月の景況感は前年同月比54.4%で好況を維持も限月より0.1%低下

2023年海外直接投資は361億ドルで前年353億ドルから過去最高
財務省:2024年初2ヶ月で258億ドルの海外直接投資発表
財務省:2024年の外国直接投資20%増加、400億ドルを期待

食品:
米国で穀物価格が値崩れ

エネルギー:
メキシコバスケットは74.27から73.40
政府は製塩企業ESSAを15億ペソで買収国有化
PEMEXの2023年の利益は1100億ペソで借金を14%減少

USMCA:
エネルギー国有化は引き続き論点
米国遺伝子組換えトウモロコシの使用を禁止するメキシコを提訴
アメリカーメキシコ間の鉄鋼アルミニウム貿易の透明性を協議
メキシコ経由の中国車輸出関税率にアメリカがクレーム
2023年対米貿易割合は、メキシコ15.7%、カナダ15.2%、中国11.3%

USMCA以外:

観光業:

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