勢いのままに

美菜子と出会って連絡先を交換してから毎日LINEをしていた

自分でいうのもおかしいが俺はかなりマメなほうだ
やりとりの頻度も多めだし、相手の喜ぶようなポイントは押さえてLINEはできるという自負はある

お互いの印象や仕事のこと、趣味のことなどやりとりが続き
出会った日は宗教の勧誘や壺売りだと思っていたことも笑いを交えて打ち明けた
こういうのは勢いが大事

そして、ほどなくして2人で会う約束をとりつけた
出会った土曜日の翌週の同じ土曜日
スピード勝負
白黒を早くつけたいせっかちな俺は付き合い始めるなら
もうこの日だと決めていた
そう、こういうのは勢いが大事

まずは俺が長年通っている居酒屋へ連れて行った
店主はかなりクセがあり、好き嫌いが分かれる
残念なことに美菜子は店主が嫌いに振れてしまった
偉そうな接客態度が気に入らなかったらしい
店主も長年通う俺のことが心配でウザ絡みをしてしまったと後に話してくれた
いつもは3、4時間入り浸る店を2時間もたたずに退店・・・

2軒目は2人の出会いの場、カラオケバー「BEAT」へ
週末ということもあり、店内は大賑わいで前の週に我々の出会いの一部始終を見ていた常連さんもいる

マスターには
「君ら変り者同士で気が合うんじゃないかと思って相席にしたんだよ」
なんて言われたが本当だろうか・・・

しかしこの店は常連の女性はおひとり様ばかりで、
そんなに常連でもない美菜子が店で知り合った男と来店してきたことで
変な空気感になってしまっていたため早々に退散

まだ22時過ぎだったと思うが
繁華街から徒歩圏内の美菜子の家へ行くことになった
そうそう、こういうのは勢いが大事

コンビニで買った酒で飲みなおすつもりだったが
勢いが大事でせっかちな俺は・・・
なはずだったが

「私は大ちゃんと付き合いたい」
部屋に入るなり、勢いにのってきたのは美菜子のほうだった
こういうのは勢いが大事

あとはみなまで書くまい…
夜は長かった・・・

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?