何もない私には何ができますか?

さて、最後の質問に答えようと思います。

「私には特にこれといった特技も特徴もありません。こんな、何も持っていない自分には、どんなビジネスができるのでしょうか?」

この質問への回答は、本書の大きなテーマになることと思います。

僕は、
自分の嬉しいが人の嬉しいになり、
人の嬉しいが自分の嬉しいになる。
それを「嬉業」として考えています。

自分も嬉しいし、お客さんも嬉しいし、みんな嬉しい。
それが「嬉業」です。

こんな話をすると、
「そんなこと、自分にもできるのだろうか?」
という反応が返ってくることがほとんどです。

なぜなら、世の中の多くの人は、
自分には特別な才能も、お金になるような特技もない、
というふうに、自分のことを評価しているからです。


これから、ちょっと変なことをお伝えします。

それは、

・ビジネスをするのに、特別な才能や特技は必要ない
・誰しもが、才能を持っている

ということです。


そもそも「ビジネス」とは何だったでしょうか?

その答えを究極的にシンプルにするならば、
「人様に喜んでもらい、お金をいただくこと」
です。

ビジネスというのは、
それだけのことなんです。

と言うと、
「そうは言うけど、その『喜んでもらう』ということが難しいのではないか」
とあなたは思うかもしれません。

でもそれは、
案外自分でハードルを上げすぎてしまっているだけのことなのかもしれません。

だって、
今まで生きてきた中で、
誰かに何かをして、喜ばれた経験くらい、誰だってあるはずだからです。

「でも、それとお金をもらうことはまた別なんじゃない?」
ともあなたは思うかもしれません。

でも実はそれも、
「お金を請求するかどうか」
の違いでしかなかったりします。

例えばあなたがホームパーティーを開いて、
料理を振る舞ったとします。

この場合、材料費程度はもらうかもしれませんが、
基本的には利益が出るようなことはしませんよね。

でも、そのホームパーティーの主催に慣れてきて、
参加者も増えてきて、会場も家ではなく別で借りる必要が出てきて、
色々と手間もかかるから、参加費は5000円と設定したとします。

そうなると、参加人数によってはそれなりに利益が出るかもしれません。
きっと誰も文句は言わないでしょう。
(ごく一部の性格の悪い人やケチな人が何か言うかもしれませんが、笑)

となると、そうやって利益が出たところから、それはビジネスです。


例えば僕は卓球が好きです。

そして、自分よりも卓球が強くない人に教えたりすることもあります。
今の所、会場費を折半して、そういう活動をしていますが、
よく、
「中野さんの卓球の指導なら、十分有料化できますよ」
なんて言ってもらえます。

はっきり言って僕は、そこまで強いわけじゃありません。
でも、どんな業界にだって、
自分より上の人もいれば下の人もいます。
(便宜上、上の人、下の人という言い方をしています)

そして、
下の人に喜んでもらえるようなことができれば、
それは十分ビジネスになり得る、ということです。

「そんなのでお金とっていいんですか?」
と思われるかもしれませんが、
あなたが「そんなの」と決めつけることには、何の意味もありません。

例えば、
スマホに保護フィルムを貼ることを仕事にしている人がいます。
僕からしたら「そんなの自分で、数分あればできるじゃん」というようなことです。

でも、できない人はできないんです。

スマホと言えば、おじいちゃんおばあちゃんに、スマホの使い方を有料で教えている人もいます。
それも、写真の撮り方とか、電話のかけ方とか、誰だってできるような内容です。

でも、
誰だってできる、と思うようなことを、できない人もいるんです。

それをサポートしたり教えてあげたりすることは、
世の中的には十分仕事になるし、ビジネスになります。


そういえば以前、
「パソコンを使ってインターネットができるようになりたい」
というおじいちゃんのために、
パソコンを買ってきてあげて、インターネット接続の設定までやって、
簡単なレクチャーをしてあげたこともあります。

その時も、お駄賃と言って何万円かいただきました。


つまりこれって、
「自分がお金をもらうか、もらわないか」を、
ただ自分で決めているだけなんですよね。

世の中にはきっと、
スマホの保護フィルムを無料で貼ってくれる人もいるでしょう。
でも、
有料で貼ってくれる人もいます。

どちらに頼むかは、人それぞれでしょう。

タダの方が絶対良い、という人もいれば、
何かを頼むならお金を払いたい、という人もいます。

それは人それぞれです。

つまり、
どんなに大したことなくても、
「今あなたができること」
について、あなたよりもできない人や、あなたよりも知らない人は、
世の中に必ず存在するんです。

そしてそれが、
「ビジネスの種」
になります。

それは過去に経験してきたことや、
過去に学んできたことかもしれません。

そして、
そういったものの中に必ず、
「これを人に提供することが嬉しい!」
と思うようなものがあるはずです。

最初はなかなか気づかないかもしれません。

でも、
人に喜んでもらっているうちに、
「これって自分自身も嬉しいな」
と思うものが、必ず見つかってきます。

それは
「才能が発揮されている状態」
なんです。

才能っていうのは、
案外発揮されてからじゃないと気づけなかったりします。

使われるまでは、埋もれているのかもしれません。

だから、
「特別な才能や特技なんかない」
と考えるのではなくて、
「今の自分で喜んでもらえるようなことって、どんなことがあるだろう?」
と、まずは考えてみてください。

そしてそれを、
「こんなの大したことないから」
「世の中的に意味があると思えないから」
「有料化できないから」
と、勝手に決めつけてしまわないでください。

ちょっと調べてみると、
もうすでにそれを有料サービス化している人が案外いたりします。

ならば、
それを求めているお客さんがいるからチャンスなんです。

先にビジネス化している人よりも、
あなたの方がスキル的に劣っていても全く問題ありません。

ならば、「より初心者層の人」をお客さんにしていけば良いのです。

どんな業界でも、初心者層になればなるほど人数は増えます。
それだけチャンスも広がる、ということです。

そうやって、
人に喜んでもらえるようなことを提供していく中で、
「これを提供していると嬉しいな」
と思うようなものと、必ず出会います。

それが「才能」が活かされたジャンルです。

もしかしたら、
そのジャンルで本当に独り立ちしていくには、
「これじゃスキルが足りない」
と思うこともあるかもしれません。

ならば、学べばいいんです。

才能を伸ばすための学びだから、
学び自体もきっと嬉しくなるはずです。
そうなれば、サービスの単価も上げられるようになります。

あなたのスキルが向上するから、
お客さんも「嬉しい!」と思ってくれるようになります。

それはあなたにとっても「嬉しい!」と思うことになるはずです。

それこそが「嬉業」です。

「嬉業」の扉は、
誰に対してでも開かれています。

もちろんあなたに対してもです。

残念ながら、気づかずに通り過ぎてしまう人も多いですが。

こうして、本書と出会っていただいたのも、何かの縁です。

ぜひ、
「私にとっての『嬉業』って何だろう?」
って、考える時間を作ってみてください。


「自分には何もない」
なんてことは、絶対にありませんから。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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