思いはあるけど、どうやってお仕事に?

「思いはあるけど、どうやってそれを商品にしていけば良いかわからない」
という質問をいただきました。

ビジネスというのは、
常に「お客さんを中心」にして考える必要があります。

なので、
「思い」
というものに対して、
誰がお客さんなのか、
ということを考える必要がある、
ということになってきます。

今回のご相談の場合には、
どんな思いがあってのことなのかが文面からはわからなかったので、
こちらでシチュエーションを勝手に設定してみようと思います。

例えば、
「子供たちに、目標達成を通して自己肯定感を高めるコーチングを提供したい」
という思いがあるとします。

この思い自体は非常に素晴らしいと思います。

ですが、
お客さんは誰でしょうか?

この場合、
子供をお客さんに設定するのは、ちょっと難しい感じがしますね。

なぜなら、
お客さんというのは、
「お金を支払う人」
のことだからです。

子供、というのがどれくらいの年齢層になるのか、
仮に小学生と定めるとしたら、
子供のお小遣いの中から、
コーチングの代金の支払いをさせるのか、
という話になってきます。

これはかなり設定に無理がありますよね?

となったら、
思い自体は大切にしつつも、
ちょっと視点を変えていく必要があります。

この状況で、
それでもどうしてもすぐに子供達にコーチングをしたい、
となるのであれば、
それはボランティアで行うしかなくなります。

あくまで今回は、
その思いをどうビジネスにつなげていくのか、
というテーマでお話ししていこうと思います。

まず、
お客さん=支払い者であることを考えると、
子供自体をお客さんと設定するのが難しい、
ということはわかると思います。

となると、お客さんとして考えられるのは、
・親
・先生
あたりではないでしょうか?

「そっか!親や先生にコーチングを提供すればいいんですね!」
というのはちょっと早計です。

なぜなら、
親や先生がコーチングを受けたいと思っているとは限らないからです。

というより、
この場合コーチングというのは、
「手段」にすぎません。

そもそも大事なのは、
「子供の自己肯定感を上げる」
というところが目的のはずです。

いや、もしかするとそれは「目標」であって、
「目的」ではない場合もありますね。

つまり、
「何かしらの理想とする状態」があって、
そのための満たすべき要素の一つが、
「子供の自己肯定感を上げる」
なんていう場合です。

「目的」→「目標」→「手段」

というのは、こんなふうに段階が違います。

ここでは「コーチング」はあくまでも手段です。

そして場合によっては、
「子供の自己肯定感を上げる」
というのも、何か別の目標に対する手段である可能性もあります。

が、そこまで掘り下げてしまうと話がわかりにくくなるので、
とりあえず今回は、
「子供の自己肯定感を上げる」
という方向性で進んでみましょう。

話を戻すと、
子供はお客さんにはなりにくいので、
親をお客さんにするとします。

ここで「親にコーチングを」と早計に考えるのではなくて、
まず「子供の自己肯定感」に関連する、
「親の強い悩み」を探します。

直接子供にアプローチできない以上、
多少遠回りになることは覚悟しましょう。
「思い」があるのなら、それもできるはずです。

「親」をお客さんにする、ということは、
「親」が現在進行形で持っている強い悩みを把握する必要があります。

なぜなら「商品」というのは「悩み」を解決するためにあって、
その悩みが強ければ強いほど、商品は購入されるからです。

そして、
強い悩みを解決する商品を販売し、
その悩みを解決することができたら、
必ず次の悩みが出てきます。

なぜなら、悩みが解決し、お客さんが成長するとともに、
お客さんの中にある悩みも成長するからです。

そうやって、悩みを解決し、その次の悩みを解決する商品を販売し、
ということを繰り返していく中で、
「子供の自己肯定感を上げる」というアプローチに近づいていくようにします。

ちょっとわかりづらいかもしれませんが、
アプローチ先が直接のお客さんになりにくい場合や、
お客さんの顕在化された強い悩みを扱うものではない場合には、
このように遠回りをして、アプローチをしてく必要がある、ということです。

例えばお母さんが「太っている」という強い悩みを持っているとして、
「心理学を絡めた新しいダイエット法」を販売するとします。

これは顕在化された強い悩みに直接アプローチする商品なので、
売れやすいですよね。

次に、太っているという悩みを解決できたお母さんが、
「もっと綺麗になりたい」という次の成長した悩みを持つようになったとします。

そこで、
「心理学を応用した、自己肯定感を上げて綺麗になれるプログラム」
を販売するとします。

これによって、自分の自己肯定感が上がり、
子供にももっと自分を大切にしてほしい、より良い人生を歩んでほしい、
という、さらに成長した悩みが生まれたとします。

そこで、
「子供の自己肯定感を育む、親のコミュニケーションを学ぶコーチングプログラム」
を提案したらどうでしょうか?

ここまでの時点で、
自分の悩みを解決してくれたという信頼もあり、
成長したことで悩みが顕在化した状態になるので、
かなり売れやすい状態になるはずです。

また、ずっとこういうやり方をしなければいけないわけではなく、
「子供の自己肯定感を育む、親のコミュニケーションを学ぶコーチングプログラム」
という、本来の目的を果たす商品が何本か売れて、
そこで実績を出すことができれば、それ自体がブランド力を持つようになるので、
遠回りをしなくても直接販売ができる状態に、
ビジネスを成長させていくこともできます。

今回は、
「思いはあるけど、どうやってそれを商品にしていけば良いかわからない」
という相談について、
アプローチしたい先が直接のお客さんになりにくい場合や、
お客さんの顕在化された強い悩みを扱うものではない場合を例にして、
お話をしてみました。

ポイントは、
「手段と目的を一緒にしないこと」
「まずは顕在化された強い悩みからアプローチすること」
です。

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