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作曲家だけど歌を唄う理由。

note用に素敵なヘッダやマガジンイラストをnomiさんに制作して頂いていたのに、全然noteを更新出来ていなかった、やまもまやです(スミマセン)…。

Twitterで散々ツイートしてるので多くの方がご存知かと思いますが、2023年10月29日(日)開催の「M3-音系メディアミックス同人即売会」にてボーカルアルバムをリリースします。

■M3イベント詳細
 ■新譜「CAERULA」特設ページ
■通販ページ
 BOOTH
 メロンブックス

ちなみに試聴がまだ出来てませんが、今回、実はもう1枚新譜があります(小声)。冨田亮輔さんと組んだユニット「Greentale」名義でギター&ボーカルのEPも出るので、そちらもチェックしてみて下さい!
新譜「Greentale」

9年ぶりのボーカルアルバム

ボーカルアルバムとしては2014年にリリースした「merrow」から実に9年ぶりのアルバムとなります。今回も「青」をテーマに、民族音楽調を中心に色々なジャンルを楽しめるブッフェスタイルのようなボーカルアルバムになりました。

(2014年の作品「merrow」。現在、CDは完売となりYouTubeで全曲視聴可能です)

私の領分は作曲家

私の仕事としての領分は「作曲家・サウンドクリエイター」だと思っており、「歌」はあくまで好きな音楽の延長線上にある「趣味」という位置付けです。
2002年にゲーム音楽に歌を付けて唄い始めた頃は歌入りの同人音楽は珍しいものでしたが、今となっては「DTM」が趣味の人より「歌い手」が趣味の方のほうが多いのではないでしょうか。

そんな時代なので巷には沢山の歌い手、歌手が溢れていますし、私より歌が上手な人はゴマンといます。
最早私が歌を唄う必要はなく、作曲の勉強に時間を費した方が将来の仕事の為になるのは間違いないです。

扁桃炎と声帯炎で自信を失った

2017年の秋のM3直後に扁桃炎と声帯炎を併発し、半年程歌を唄えない時期がありました。
声帯炎になる前に出ていた高音の伸びはなくなり、歌声もザラッとするようになり酷く落ち込みました。歳を取ったこともあり、20代や30代のような歌声でなくなったのは明らかです。
それでもなんとか歌い続けようと、2019年にボーカルアルバムを企画しました。それが今回のアルバム「CAERULA」です。

アルバムが完成するのに4年が掛かってしまいました。理由の一つは2020年の出産ですが、それ以前に、制作を始めた割には既にアルバムを作る気力を失っており、自分の歌と向き合うことが億劫になっていました。
2020年の前半には矢野トモさん、大越香里さんが作詞作曲してくれた歌は完成していましたが、その先になかなか進むことが出来ませんでした。

転機は子どもに歌った「Let It Go~ありのままで」

しかし転機も妊娠と出産でした。
お腹に子どもがいる時、「生まれる前に母親が唄っていた歌を子どもが覚えている」という都市伝説を読み、面白がって毎日「アナと雪の女王」の「Let It Go〜ありのままで」を歌い続けました。
するとどうでしょう。
生まれて間もない乳児が泣いている時「Let It Go」を唄うと、何故か泣き止んで穏やかに眠ってくれるのです。これは驚きました。子どもの反応が面白くて、子どもを寝かしつける時に毎日抱っこしながら歌を唄い続けました。

以前のような歌声は出ないけれど、自分の声で安らかになってくれる人がいる、その事実が私を勇気付けてくれました。そして何より、歌うことが大好きなことに気付かされ、「誰かに聞かせる聞かせないは関係なく、歌は私の性分の一部なのだ」と思えるようになりました。

去年の秋に、今までの作ったインスト曲をまとめたアルバム「水車の見える情景」をリリースしました。
このアルバムは当初作る予定はありませんでしたが、自分の音楽の棚卸しとして良い機会となり、M3が終わった頃には「次のアルバムを作りたい」という欲求が沸々と湧いてきました。(当時の顛末はFANBOXの方に書いてあります)
それが今回の「CAERULA」の制作再開に繋がりました。

本当は半年掛けて残りの曲を作ったり唄ったりする予定でしたが、「CAERULAを完成させるぞ!」と息巻いた割には制作は進まず、今年の8月と9月に地獄のようなスケジュールでなんとか完成まで漕ぎ着けることが出来ました(〆切が近くならないと動かない悪い癖)。

これもひとえに作曲や作詞を手伝ってくれた皆様、無茶なスケジュールでお願いした楽器演奏やコーラスにお付き合いしてくれた実演家の皆様、そして4年越しでアルバムのデザインを引き受けてくれたイラストレーターさんのお陰です。
本当にありがとうございます!

「歌う側」としての今後の展望

このアルバムが完成したら決めていたことがあります。「50歳まで唄い続けて、50になったら唄うのは潔くやめよう」と。
満足の行く歌声とは言い難いですが、もう少しだけ歌を唄ってみたいなと思っています。50歳にしたのは特に理由はありませんが「60歳」だと遠すぎる未来なので、あまり実感がないからというのはあるかもしれません。それと、自分で自分の声がギリギリ好きでいられるのが50歳位のような気がしました。

同人音楽として次のボーカルアルバムを出すかどうかはまだ何も考えていませんが、今はアイリッシュトラッドや童謡を唄うことに興味が出てきました。
それらを唄って記録として残し、年老いた時に自分で聞き直して懐かしい気持ちに浸れたら、幸せな余生を送れるんじゃないかなあと思っております。(そう言いながら50過ぎても歌うことをやめずに続けていたら、その時は察して下さい・笑)

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