2021年冬産自作PC vs 2016夏自作PC

たぶん自作シリーズ最後。
最初に結論から書く。

  1. Microbenchmark的には性能が4倍ぐらい。

  2. Macrobenchmark的には性能はせいぜい2倍いかないぐらい。

  3. 実用的には、2016PCでGPUフル稼働だったゲームが、2021PCでは低負荷(GPUの冷却ファン稼働なしレベル)で遊べる。

  4. 中程度の負荷だと2021冬産PCは2016年夏PCと比べて消費電力が1/5とかになる。

という感じ。まぁもうここ10年ぐらい、クライアントPCのワークロードってゲーム以外はあんまり変わってないし、なんならゲームも30 fpsぐらいなら5,6年前のミドルレンジ構成であれば十分プレイできる。ただ中程度の負荷で消費電力が圧倒的に下がる点が見逃せない。ベンチマークも消費電力あたりの数値出すようにしたほうがいいのでは?と思った。


なお、Microbenchmarkというのは、CPUやGPUの一つ一つの機能に注目したベンチマークのことで、例えば整数演算だったらフィボナッチ数列の計算とか。Macrobenchmarkというのは、ブラウジングだったり顔認識だったり、実用的なワークロードを想定した総合的なベンチマークのことです。

あ、あと年末にツクモで ASRock Radeon RX 6600 XT Challenger D 8GB OC を買いました。在庫あったし仕方ないね。
それぞれのマシンの構成は下記の記事を参照。
https://note.com/yzhr/n/n76fccde6e29c


CrystalMark2004R7

CrystalMark2004の結果はこちら。左が2021年冬PC、右が2016年夏PC。
各項目の説明はしないが、CPUはCore i7 12700K vs 6700Kで、コア数が8+4コアと4コアというコア数の差と、プロセスルールが7nm vs 14nmというところでまぁ想定の範囲内という感じ。

メモリはどちらもDDR4のはずなんだけど、4倍近い性能差になっている。2021のほうは4スロット、2016のほうは2スロットでどちらもデュアルチャンネルで動作しているが・・・
帯域幅はCore i7 12700Kが 6700Kの2倍の76.8GB/sであり、クロックは1.5倍(3192MHz)となっているので、まぁ3倍ぐらいは出てもおかしくない。

ストレージはPCIe 4.0 NVMe SSDとPCI3.0 x4 NVMe SSDとの比較になる。2021PCはPCIe Gen4x4 (64 Gb/s) modeのポートに接続しており、それに対応したKIOXIAのものを使っているため、最新の規格とパーツで揃えているのもあってかなり高めの数値が出ている。ここ10年のNANDメモリとそのコントローラーの進化はすごいしね。

なおこのベンチマークは、2021PCのグラボを指す前のものであり、D2DとOpenGLの結果は割愛する。

左が2021年産自作PC(Core i7 12700K)、右が2016年産自作PC(Core i7 6700K)


PCMark10

なお、今Steamでセール中でなんと85%OFFで買える。
https://store.steampowered.com/app/524390/PCMark_10/

結果はこちら

2021年PCのほうが8295、2016年PCが5145と、60%ぐらいの性能向上という感じだ。マクロベンチマークなので評価プログラムが実用アプリケーションより、つまり2021PCの強みであるコアの多さはおそらくあまり効果を発揮していない。コアの多さがダイレクトに効くのは、クライアント利用だと動画のエンコードやシミュレーションゲームぐらいなので、まぁこんなもんだと思う。サーバだとWebサーバのコネクション数だったりVMの同時稼働数だったりでコア数が多いほうが有利に働くことが多いけどね。

CPUとメモリアクセス速度とストレージの読み書きが3~4倍になっても、アプリケション起動が3~4倍にならないのはちょっと面白く感じるかもしれない。OS屋にとってはそれはそうだろという話なのだが、じゃあなんで?と言われると結構シンプルに答えるのが難しい。なお、Digital Content CreationのApp Startの結果はだいたい1.6倍ぐらい高速になっていて、セキュリティの機構やらファイルシステムやらのレイテンシがあってこんなもんだろうな、という感じがする。


3DMark

3DMarkの比較はこちら。

まぁこれもGPUのクロック数とかを考えるとこんなもんかな?注目すべきは温度で、RX6600XTの平均温度は57度、RX480は71度である。つまり2021PCはまだまだ余裕があるということである。

あと試しに夏ごろにはまったDyson Sphere Programsという工場シミュレーションゲームを同一設定で実行したところ、RX480はGPUを100%使い切っていたが、RX6600XTは60%程度、消費電力に至ってはRX480が常時160Wで、RX 6600XTはなんと40W程度だった。このASRockのグラボは温度が55度を超えないとファンが回らない仕様なのだが、30fpsでレイトレーシングOFF、アンチエイリアスx2というゲーム的に十分なグラフィック設定だと、2021年PCはグラボのファンすらほとんど回らない、超静音のままプレイ可能なのである。すごい。


RX480のステータス。GPU-Zはゲームの途中から起動している。

 

こちらはゲームの最初からモニタリングしている。
2016年PCでのDyson Sphere Programの統計画面。3星系に合わせて6惑星ぐらい工場があり、Dyson Swarmが2つ建設終わり、Dyson Sphereを1つ全力で建設中という一応終盤である。

まとめ

エロゲやるとかいっておいて例がエロゲじゃないじゃん!!!

正直PCの性能を上げてもアプリケーションやゲームがそれほどのスペックを求めていないし、年々この傾向は強まっていると思う。なので古いPCを壊れるまで使うというのも全然ありだが、消費電力という観点でいうと、やっぱり4,5年で買い替えるのがいいのかな、と思った。

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