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続 2019年6月現在のライブ用モジュラーシステム

思いのほかツイッタランドの皆さんの反応が良かったので調子に乗って続きを書きます。

前半こちら

よく「赤いケーブルだけでパッチングしててわからなくならないんですか?」と聞かれますが、色が違ってもわからなくなるので無問題です。
徹底したケーブル色管理してる方いらっしゃりましたらコツを教えてください。


2つのフィルター

VCFは自分で組み立てたSystem 80 JOVEの小ちゃいのとZlob T.H. SVFの2つです。
JOVEはJupiter-6のフィルターのクローンらしいですが、実機には何一つ思い入れはありません。
駄菓子菓子、シンセらしい音が出せる効きのいいフィルターなので気に入っています。
主にBraidsの音を入力してフィルター掛かったシンセ音担当です。

T.H. SVFはAtaraxic Translatron のノイズ音を入れてスネア的な音作りに使ってます。
マルチモードフィルターで気分によりハイパスフィルターかバンドパスのどちらかとして使います。

VCAとVCA的なやつ

純粋なVCAはAntumbra DVCAのデュアルVCAだけで、ほかにローパスゲートのMake Noise LxDとEnv内蔵VCクランプのNoise Engineering Sinclastic Empulatrixを使って鳴りっぱなしのVCOやらノイズやらの音を区切って音量コントロールしてます。

DVCAはBraids-JOVEのシンセらしい係として1ch使い、もう片チャンは比較的あまりがちなのでアッテネータとして使ったりします。

LxDには下段にLoquelic Iteritas の音を入れてひたすらブックラみを醸し出します。
上段はパーリンノイズを入れてハットとして使い、クローズはストライクinに入れるGateで鳴らしオープンは適宜設定した長さのEnvをCV inに入れてそれっぽくします。

S.E.のVCクランプは音量の上昇下降時に波形が真っ平らになるVCAもどきでA.T.-T.H. SVF経路の最後に通してます。
絶妙なEnvを内蔵してるので適宜ディケイを設定してます。
マニュアルゲートボタンもついてるのでたまに手動でシュワーォンとか鳴らしたりもする。

唯一のドラム音源

スネアとハットはパッチングで音を作りますが、キックだけはNoise Engineering Basimilus Iteritas (旧タイプ)で作ってます。
ドラムというよりシンセボイスのように色んな音が出せて現行のAlterは最強のドラムモジュールだと思うですよ。
それをキック専用としてしか使ってないのは自分でもたまにどうかと思うけどそれ以上のキックは作れないのでこれでいいのです。
ツマミはPitch,Attack,Decay以外は全部絞りきってSkinモードで使ってます。
liquidモードが旧タイプにはなく、ピッチにエンベロープを掛けることができないのでPeaksからのディケイをアッテネーター経由でPitch CV inに入れて使ってます。
Alterに買い替えないのはliquidモードのピッチエンベロープの長さがDecayツマミで設定したタイムと相対的に決まるのが肌に合わず、今のように外部Envを入力して一瞬だけピッチにEnvが掛かってあとは低音ボーンみたいなのがやりたいからわざわざ買い換えても気持ち小さくなるだけでそれ以上の利点が今のところないからです。

くれるなら欲しいので「あげてもいいよ!」って人は遠慮なくください。
ブラックパネルだけは買って準備してあるので大丈夫です。

エフェクト

エフェクトはClouds系を使ってた時期もあったけどライブ中に弄ってる暇なくてオーバースペックだったのでマスターリバーブとしてErica Synths Pico DSPを使い、他にはMutable Warpsの小さいやつとエフェクトに括るべきか悩ましいけどZlob MinEqのイコライザーの3種のみです。

Warpsはディレイにするかビットクラッシャーにするかの二択です。
本気出せばこいつもVCOになるんだよなぁとかたまに思うけど、間に合ってるのですぐに忘れる。

MinEqはキックの帯域とメロディー/ベースシーケンスの帯域が被ってキック聞こえなくなる対策で入れてます。
シーケンスパートは最大3トラック鳴っているのでその3つをミキサーで束ねてEQに突っ込み、キックと被るローをバッサリ切り捨てて対処してます。
そのかわりにキックと被らない中高域を気持ち持ち上げて聞こえやすく整えると多分いい感じなんだと思います。
EQは会場の音響によっては必要ないこともあるので、現場で音だしてみて必要であれば使うしいらなければ全く使わない事もある御守り要因です。

ミキサーとアッテネータ

ミキサーは自作の6ch(3ch x2も可)とZlob Min Mix、そして紹介するタイミングを失ったアッテネータはZlob Miniattです。

自作ミキサーは最高に売れたボスコンと言われていた時代もあるメタルゾーンをぱk…オマージュした2軸2連ポットを採用した4HPの6chミキサーです。
モジュラー買いはじめてすぐに作って何年も愛用しているドチャクソ便利ミキサー。
下に2つ並んでるジャックがアウトプットとなっており、右だけプラグ刺すと6chミックスが出力されて左にも刺すと3ch分だけ右から切り離されて左から出力します。
前述のEQ迂回する時は最初は普通に6chミックスで鳴らしてて、キック埋もれるな〜と思ったら左アウトにプラグを指して繋ぎかえてる感を出さない用にルーティング変えます。

Mini Mixはその迂回経路を束ねるためだけにあり、正直2chあれば充分だしなんならUnity mixerでも充分役目は果たすけど禍々しい黒いパネルという理由だけで抜擢されてます。
Zlob愛が強いのもあるけどね。

MiniattはBasimilusへのEnvをアッテネートするだけ要因。
ミュートスイッチもついてるのでアッテネータ界では優秀なモジュールだと思うけどあんま使ってる同士に出会わない気がするけど皆さんオススメですぞ!
2chでパッシブだし最悪ケース内にマウントしなくても使えるしね!

存在を忘れていたマルチプル

Noise Engineeringの幻のパッシブマルチプルです。
随分前にSynth CubeでだけDIYキットで売ってたやつを組み立てた物。
分岐は最大で1イン8アウト、Max刻むと1イン2アウト x4(!!)に分岐できるのでこれまたお便利ですわよ。
BasimilusのトリガーとEnvを同時にトリガーするために使われる事が多いです。

Z_Hyperライブスタイル

ここまでの説明で「〜する事が多い」みたいな表現が多く、自分のライブをみた事ない人は不思議に思うかもしれません。
それは自分のライブで唯一のアイデンティティ、演奏時にゼロからパッチングするという演奏だからです。
流石に最終アウトだけはPAに繋いだ状態ですが、いつもその場で思いついた事を再現するために秒でパッチングしています。
先日その様子を撮影してもらったのがYoutubeにあるのでよろしければご覧ください。
※音と映像がずれているような気がするのは気のせいだと思う。
https://youtu.be/T7mQomGQYbM

平たくいうと即興です。
再現性ある物を演奏した方が演奏してる感があっていいんだとは思いますが、そういうのは自分向いてないのと演ってて自分が飽きちゃうので何が起こるかわからないスリルを楽しみながらライブではゼロからパッチングをしています。
自分の中でのライブの成功ラインは、演奏中に予想外の展開になって自分で爆笑するような音が出たらOKとしています。
なので思いついた事を即パッチングできるように、毎夜毎晩ひたすらモジュラー弄ってるので自分のシステムは繋ぎ方だけでアンビエントやTHINGSのようなダンス系またはテクノ系な事が出来るようある程度万遍なくモジュールが並ぶ感じになっています。
幸い同じような芸風の人がいないのでゼロからパッチングを貫いていますが、圧倒的敗北を味あわせられたら芸風を変えるか引退するつもりなのでそれまでは頑張ろうと思います。

ちなみに、録音物を作る時はガチガチにパッチングして一発録りで録音するのでそれはそれでライブとは全く違う感じなのでよろしければ拙作ですが今年リリースしたEPを聞いてもらえれば幸いです。
https://t.co/hM5geLzo6i?amp=1

以上!

#モジュラーシンセ

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