世界一わかりやすいPFAS汚染。これ読むだけで丸わかり。
こんにちわ!ざっくみです。
発がん性があると認められた『PFAS』
最近よく耳にする人も多いのではないでしょうか?
地下水や井戸水、河川から基準値の数百倍ものPFASが検出され続けています。
今回はそんなPFASについて世界一わかりやすく解説します。
PFASって初めて聞く人も、危険性はわかってるけどイマイチ理解できてない人にもわかりやすい内容になってます。
人間の体に必要不可欠な『水』のお話です。
ぜひ最後までお付き合いください。
PFASとは
第二次世界大戦中、水に弾く性質のPFASは戦車の防水加工に使われ耐久性が証明された。
その後、企業が『家庭用でも使えないか?』と考えたことが始まり。
PFAS2トップ【3M社】【デュポン社】
産業上最初に利用されたPFASは3M社(米国)が1947年に開発したPFOA。
デュポン社はPFASを用いてフライパンコーティングの技術を確立しました。
これがよく聞く【テフロン】です。
※テフロンはデュポン社独自の製法でありテフロン=フッ素ではない。
3M社は1953年PFOSの撥水性・撥油性を活かした製品「スコッチガード」を発売。
※現在3M社はPFAS事業から撤回
有害性を公表せず
【デュポン社の場合】
デュポン社では当初からテフロン製造に関わるスタッフが吐き気や高熱などの異変を確認していた。
1962年頃、原因を究明するため従業員にテフロン入りのタバコを吸わせた結果
従業員のほぼ全員が入院した。
その翌年には危険であると認識していた。
しかし公表はせず
・大気中に有害物質を排出し
・汚泥をオハイオ川に捨て
PFASを含んだ廃棄物を何千トンも廃棄した。
【3M社の場合】
3M社ではテフロン実験の際に大半のサルが死んだという報告があった。
ラット実験では
・臓器が膨らみ
・ガンになり
・妊娠中のラットからは目が変形したラットが生まれた。
当時妊娠していた従業員の子供は目が変形し鼻腔が1つだけだった。
アメリカでは訴訟問題に
こうした有害性が周辺住民の健康被害となり両社では訴訟問題が起きました。
その賠償金はなんと1兆7900億円。
笑っちゃダメだけど、さすがアメリカ。桁違いすぎる。
7年に及ぶ住民の血液検査の結果、以下の疾患との関連が見つかりました。
精巣がん
腎臓がん
甲状腺疾患
妊娠高血圧腎症
高コレステロール
潰瘍性大腸炎
PFASが人体に影響があると認められたのです。
※映画『ダークウォーター』より抜粋。
大大大企業デュポン社を敵に回し戦った、弁護士と周辺住民の実話。
PFAS問題をより身近に考えるきっかけになる映画です。
ぜひ見てみてください。
PFASの種類
ここまでPFASの歴史や危険性をお話しましたが、どう感じましたか?
元々は戦車の防水加工に使われていたこと、病気との関連や訴訟の結果を見ると、日本でもPFASの検出が続く今、人ごとには思えないはずです。
ここでは『PFASの種類』を紹介します。
PFASの種類
PFAS?PFOA?PFOS?
ニュースで似たような単語を見かけるけど、なにがどう違うのかイマイチわからない…。
危険なのはなんとなくわかるけど…。
って思っていませんか?
数学で評価1を叩き出したことがあるざっくみでも理解できたのでご安心くだされ!笑
世界一わかりやすくお話いたしましょう。💪
PFASとは、
PFOSやPFOAなど約4000種類以上あるとされる有機フッ素化合物の総称をPFASと呼びます。
んんん〜!名前似すぎ!種類バグりすぎ!笑
と思いませんか?思いますよね?ね?
とりあえず、この4つだけ覚えておけばOK。
・PFAS…ピーファス
・PFOA(ペルフルオロオクタン酸)…ピーフォア
・PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)…ピーフォス
・PFHxS…この読み方だけ不明wピーエフエイチ〜って呼びましょうか。笑
フライパンなどに使われるフッ素樹脂もPFASの一種です。
※歯磨き粉に使われる『フッ素』と『フッ素化合物』は別物です。
特定PFAS
PFAS全てが危険なのではなく、そのうちの3種類が人体や自然界に影響を及ぼすとされています。
①【発がん性あり】PFOA
PFOAは昨年末に
【発ガンの可能性がある→発がん性あり】
に引き上げられ、今最も懸念されています。
皮膚についた場合 発赤、かゆみ
目に入った場合 かすみ目
吸い込んだ場合 せき、咽頭痛
飲み込んだ場合 腹痛、吐き気、嘔吐
主に肝臓・腎臓に蓄積され、人の血液から排出されるまでに2〜4年かかるといわれています。
②【発ガンの可能性あり】PFOS
動物実験により
胎児に影響を及ぼす
中程度の消化器官に影響
中程度の肝臓に影響
中程度の軽度の皮膚刺激
中程度の眼の刺激
が懸念されています。
体内から95%排出できるまでに約40年かかると言われており、
その間にPFOSを摂取すれば排出できる年数は伸びていくとされています。
③PFHxS
動物実験により
血液学的な影響
甲状腺への影響
肝臓への影響
神経伝達系への影響
が懸念されています。
PFHxSはPFOA・PFOSの代替として使われてきました。
『永遠の化学物質』
PFASは非常に安定した性質で体内に取り込まれると排出がすることが難しいことから、永遠の化学物質『フォーエバーケミカル』と言われています。
非常に危険な物質でありながら、実は私たちのごく身近で使われています。
PFASはこんなものに使われています
・フライパン、炊飯器
・防水加工の衣類
・ファストフードの容器
・泡消泡剤
・化粧品
・カーペットの防汚処理
・洗剤
・半導体製造
・殺虫剤
・デンタルフロス など
私たちの身の回りのあらゆるものに使用されています。
そして近年では、河川や地下水、井戸水、土壌からPFASの検出が続いています。
企業の対応
【IKEA】
2017年から全ての家具のPFASの使用をやめている。
【マクドナルド・KFC】
PFASの使用を認めている。
マクドナルドは2025年までにPFASの使用禁止を宣言。
【モスバーガー】
バーガーには使ってないが、ポテトの袋に使用している。
【ミスタードーナツ・バーガーキング】
PFAS不使用。
FDAによると高音で焼き付けされるフライパン加工に比べ、包装容器は低温で加工されるため食品への移行が起こりやすいと指摘。
※24時間以内にファストフードを食べた人の方が体内のPFASが高かったという結果も。
PFASは主に食事や飲料からの摂取が多いと考えられています。
日本のPFAS製造規制
ではなぜ今、PFASが河川や地下水、井戸水、土壌などから検出がされているのか。
ここからは日本のPFAS汚染について、最新のニュースとともに深掘りしていきます。
*
PFOA・PFOSはすでに輸入・製造は禁止、
PFHxSは規制が始まっています。(2024年2月〜)
PFOAの製造は2013年ごろに製造は中止されフライパンにはほぼ残留していないという結果が出ています。
【が!】最近のニュースで気になる1コマがありました。
静岡県清水区の三井ケマーズフロロプロダクツ周辺の水路や井戸水から
基準値の220倍のPFASが検出された、というニュース。
(PFASの基準値については、後の「日本のPFAS暫定指針」で詳しくお話しします。)
その中での元従業員の男性の1言。
『2014年頃にPFOAの取り扱いは完全になくなった。
だが、10年たってもまだ出てきている』
10年たってもまだ出てきている…。浸透している…。
PFASは非常に安定した物質。だから体内や自然界に蓄積しやすい。
そのため10年たった今も、工場から滲み出たPFASが周辺の河川や地下水から検出されているのです。
⚠️◯◯周辺の地域は要注意⚠️
PFASの発生源はある化学工場周辺や米軍基地周辺の地域が目立ちます。
日本では
三井・ケマーズフロロプロダクツ株式会社清水工場(静岡県清水市)と
ダイキン工業淀川製作所(大阪府摂津市)がPFOAの生産を行っており
その周辺の地下水などから基準値を超えるPFASが検出されています。
米軍基地周辺では基地内で使われる消泡剤が原因で、周辺の河川や土壌から基準値を超えるPFASが検出されています。
そしてなにより肩を落とすのは
『日米地位協定』によって米軍の許可なしで立ち入り調査はできず、明確な汚染源の特定に至らないということです。
PFASについて調べるまで『日米地位協定』なんて知りもしなかった。
こんな協定があるんですね〜。
なんとも無情な現状。
法を目の前にすぐに解決できる問題ではなさそうなので、個人で対策するしかなさそうです。
・三井・ケマーズフロロプロダクツ株式会社清水工場(静岡県清水市)
・ダイキン工業淀川製作所(大阪府摂津市)
・米軍基地周辺
の周辺にお住まいの方はPFASの情報を随時確認し、対策することをオススメします。
河川や井戸水、地下水から検出
これまでもお伝えしたように、全国の河川や地下水、井戸水からPFASが検出され続けています。
やはり、化学工場周辺、米軍基地周辺地域での高濃度のPFASが目立ちます。
PFAS進まぬ日本の対応
PFASの危険性・なぜ今問題になっているのか。
お分かりいただけましたか?
ここからは日本と各国のPFAS対策の違いについてお話しします。
2月25日、興味深いニュースが発表されました。
他国では、人体や自然界への影響を踏まえPFASの規制が強化される中
日本のPFAS規制は『現状維持』
もう笑っちゃいますよね。
これについてPFASに詳しい小泉昭夫(京都大学名誉教授)は『強い意図を感じる』と述べています。
私も感じます。笑
日本のPFAS暫定指針値
日本のPFAS暫定指針地
50ナノグラム/1リットル
これは【体重50キロの人が毎日2リットル飲んでも問題ないとされる量】です。
あくまでも暫定値なので、今後変わる可能性があります。
(変わりませんでしたが。)
進む他国のPFAS規制
アメリカでは、PFOS・PFOA合算で70ナノグラム/1リットルだったのが
PFOS・PFOAそれぞれ4ナノグラム/1リットルに規制。
ミネソタ州では、10代の女の子がPFASにより死亡したことを受け全面禁止に至りました。
EUでもフライパンや撥水加工に使用されるPFASの全面禁止が発表されてます。
さらにニュージーランドでは化粧品のPFAS使用禁止が決定されました。
化粧品におけるPFASの使用禁止は、国として初の試みです。
なんだか活字にすればするほど悲しくなりますね。
このように、日本のPFAS対策は他国から遅れをとる現状となってます。
みなさんはどう感じますか?
99%の人間の体内やホッキョクグマにも
PFOAはほぼ全ての生物の血液中に存在するとされ99%の人間の体内に存在すると言われています。
そして、自然界にもPFASの影響が及んでいます。
調査の結果、
・北極グマ
・フロリダ近海のマナティ
・中国のレッサーパンダ
の体内からもPFASが検出されました。
なんの罪もない地球の裏側の動物からもPFASを検出。
PFASの安定性・脅威を感じます。
PFAS対策、できていますか?
今回はPFASの危険性や各国の対策についてお話ししましたが、
なにか感じるものはあったでしょうか。
『自分の身は自分で守る』
スケールでか!と思うかもしれませんが、国は国民を守ってはくれないと思ってます。
そしてヨクヨク考えたら、自分の身だもん。自分で守る以外誰に守ってもらおうなんて思ってんだ自分、って話。
危険地域周辺に住む人だけに限らず、水道水や身の回りのPFAS製品への対策が必要です。
『フォーエバーケミカル』とも言われるPFASは1度体内に取り込むと排出が難しいため、体内に入れない対策が必要です。
もちろん自然界に放出しないことも。
・PFASが使われている製品を知る
・水道水はPFAS除去のできる浄水器をつける
・PFAS不使用のフライパンを使う
・PFASが使われる商品を買わない、口にしない
恥ずかしながら私はこの問題が明るみになるまでPFASなんて言葉も意味も知りませんでした。
そして危険性を理解したものの、PFAS利便性や恩恵を知らず知らずに受けて今日まで生きてきたこともまた事実。
PFASの規制が進む中で、今まで便利に生活できてたことができなくなったり、経済に影響を及ぼす可能性もあります。
とはいえ、人体への影響以上に、人間の欲深さのせいで全く罪のない
動物たちや草木、野菜への影響も明るみになりました。
安定性のあるPFASを完全にこの世から拭い去るには途方も無い時間がかかると思うし、自分が生きてる間には実現しないんじゃないかと思います。
だからこそ、自分の体を守るため、自然を守るために
PFASを選ばない、体内に入れない選択が必要とされています。
みなさんはこの事実を知り、どんな選択をしますか?
この記事をきっかけにPFASへの関心や理解を深め、
自分や家族、地球を守る選択をする人が増えることを願います。
*
原田浩二先生(京都大学大学院医学研究科環境衛生学分准教授)著書のこちらの本はとてもわかりやすい内容になってておすすめです。
PFAS関連のニュースによく出てるあの専門家さんです。
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PFASに関する地域の最新ニュースはここにアップしています。
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