インドと日本。生理用品に革命を起こした、27歳女性起業家がもたらしたもの
・27歳の起業家タンヴィ・ジョリーが考案した生理用ナプキン「カルメシ」が一般の生理用ナプキンの2.5倍の価格にも関わらず7万人の女性に愛用されている
・「カルメシ」は「天然の、生分解(菌類やバクテリアなどの生物によって化合物が無機物まで分解されること)可能な生理用ナプキン」を売るというアイデアを実現したもので、竹から取った繊維と片栗粉でできている
・スペイン語で「深紅」を意味する「カルメシ」は、1パック30個入りで価格は749ルピー(約1200円)。売上げの40パーセント近くが中間所得層からのものだという
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片栗粉と竹でできた、生理用ナプキン。
その意外な原材料に驚きつつ、感染症やアレルギー、発疹のリスクを軽減する生分解可能な生理用ナプキンである、との補足説明を聞き、より一層興味が湧いた。
それを考案したのは27歳の女性起業家だという。
長年、生理用ナプキンによる発疹に悩まされていた彼女は、その原因がプラスチックを含む合成材料であるとし、天然の、生分解可能な材料でナプキンを作ることにした。
同じような悩みを抱えている女性を中心に支持され、現在7万人強もの女性が購入しているという。デザイン性が高いのもポイントだ。
27歳女性起業家、生理用ナプキンと聞いて思い浮かぶ人物が他にもいる。
日本女性の社会進出を支えた生理用ナプキンの元祖「アンネナプキン」の産みの親・坂井泰子だ。
専業主婦だった彼女は、1960年に株式会社発明サービスセンターを設立し、発明家と企業を仲介する事業を行っていた。彼女の元には日々発明家によるアイデアが寄せられており、その中の一つに「生理用品として使われていた脱脂綿が水洗トイレに詰まらないようにするため、便器の排水溝に網を張る」というものがあった。
そこから着想を得て、トイレに流せる紙製の生理用品を開発し、販売しようと考えたという。
当時アメリカでは既に生理用ナプキンが一般化していて、日本でも手に入れることは出来たが、そのサイズは日本人女性向きではなかった。彼女は日本人の体に合った便利で快適な生理用品があれば、女性たちはもっと活動的になれるという思いを胸に、アンネナプキンの開発に踏み切ったのだ。
あまりにも日常化しているもの、いわゆる常識を多くの人は疑わない。少し不便だな、不快だな、と感じても「こういうものだから仕方ない」と諦め受け入れてしまう。
けれど、この2人の女性起業家は違った。その違和感に目を背けることなく、真っ向から課題解決に踏み切った。そしてそこには強い信念があった。
生分解可能な生理用品を作ることで、感染症やアレルギー、発疹リスクから女性を救いたい。
快適な生理用品を作ることで、女性の社会進出を後押ししたい。
彼女たちの不屈の精神があったからこそ、私たちの日常はより快適になり、未来が希望に満ちた。
そしてそれは、私にも何かできるかもしれない、何かしなければという使命感をも芽生えさせてくれるのだ。
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