ピルの普及率わずか4%の日本で、私を救ってくれるもの
・低用量ピルには、避妊だけではなく月経随伴症状を軽減する効果もある
・日本では避妊用のピル(OC: Oral Contraceptives)と区別するために、月経困難症治療用として処方される低用量ピルは「LEP(Low Dose Estrogen Progestin)」と呼ばれていて、LEPは健康保険が適応されるが、外国に比べるとユーザー負担額が高い
・医療機関サイドにとってもピル処方は説明コストがかかる割に薬価差益(仕入れ値と患者さんに販売する価格との差)が少ないという現実もある
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ピルについて知ったのはいつだっただろう?高校生くらいだったかな。「あの子ピル飲んでるんだって」「あー、っぽいよね」って感じで、ピルは避妊目的で飲むものという認識しかなかった。(そしてその認識は恥ずかしながら最近までアップデートされていなかったという事実)
生でヤりたいからピル飲んでよ、ゴムつけなくても後からピル飲めば平気でしょ、とあっけからんと言ってくる男性もいたけど、私だって同じくらいの知識だったからあれこれ言えない。もしきちんとした知識を持っていたら正座させて説教の一つでもしてたかもしれない…いや、そうじゃなかったとしても反論しろって話だけれど。
とにかく、私含め、ピルに関してあまりにも知識がなさすぎる人が多い。そしてその知識のなさは、結果的に自分の身体を守る上で圧倒的にディスアドバンテージとなる。
低用量ピルが月経困難症治療薬として認められて10年、その普及率は約4パーセント(*1)だと言う。
その背景の一つは知識不足だ。過去、女性のカラダとココロの健康情報サイト「ルナルナ」が行ったアンケート(*2)では、ピルに対するイメージとして最も多かったのは「避妊できる」で16.7%だった。「生理痛が軽減できる」は8.9%、「PMSが軽減できる」は5.0%と、月経随伴症状を軽減する効果に対する認知度は低い。
しかし、ピル服用のきっかけに関しては、最も多い回答は「生理痛を軽減したいから」17.3%。次いで「生理不順を改善したいから」16.1%、「生理周期を変更したいから」11.6%、「PMSを軽減したいから」9.9%、「子宮内膜症など婦人科系疾患を治療したいから」6.89%となっていて、合計61.7%もの人が、婦人科系の悩みを改善する目的でピルを服用したという。
つまり、ピルに避妊だけでなく月経随伴症状の軽減効果もあると知っていれば、選択肢として服用を考える人が増えると考えられる。
そのほか、ピルの普及が進まない理由として「効果があるのはわかっているのに、婦人科からすると丁寧で時間のかかる説明が必要なのに、収益は少ない」点が挙げられる。
正直、これに関して医師でも病院経営者でもない私がどうこうするのは難しい。
けれど、医師側の説明コストをなるべく低くすることは知識を身につけることで可能となるのではないか。
月経随伴症状に悩む患者に、医師は「そもそも月経や排卵は何のためにあるのか、昔の女性は若い頃から何度も妊娠出産を繰り返していてそもそも月経がそんなにたくさんなかったこと、度重なる月経や排卵が子宮や卵巣にとって負担であること、低用量ピルをはじめとするホルモン療法でそれを軽減できること、避妊になること、起こり得る副作用と飲み方、など」について話しているという。
これらに関する知識をあらかじめ持っておくこと。それが、いま直面している、もしくはこれから直面するかもしれない婦人科系の悩みから自分を救うために出来ることだと思う。
*1)日本家族計画協会「第8回 男女の生活と意識に関する調査報告書 2016年」による
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