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支援会社でエンドユーザー視点を習得するための副業のすゝめ

私は広告代理店など支援会社向けに人材育成の仕事をすることがあります。クライアントワークを行う現場社員のスキルや案件対応力を伸ばす目的で、座学でノウハウを教えたり、実案件に伴走して提案資料にレビューしています。実務スキルはある程度まで伸ばせるのですが、習得が難しいのがエンドユーザー視点です。

エンドユーザー視点とは、製品を利用するエンドユーザー像(ペルソナ)からコンテンツや施策を逆算することです。当たり前のことを言っているようですが、これをスムーズにやれるのは事業会社でのマーケティング経験者であり、支援会社プロパーの人がこれを行うのは困難です。クライアントが要件や課題を提示し、支援会社がそれに応えるという構造が多いため、クライアント視点が強くなりやすいからです。

※事業会社経験者だとエンドユーザー視点を持っていることが多いのですが、そういう人は別の事業会社に転職したり独立することが多いため、支援会社には少ないです。そのため、支援会社での人材育成対象は支援会社プロパーが中心となります。

エンドユーザー視点や事業視点を大事にすることは私も研修で伝えたり、案件の伴走で指摘するのですが、頭では理解しても実践できない人がほとんどです。過去に某社のハウスエージェンシーの仕事をしたことがあるのですが、「親会社から来た依頼の実現方法を考える」というスタンスが長年社内で定着していたため、クライアント視点が最後まで変わりませんでした。

数社の人材育成を経て、座学やクライアントワークだけではエンドユーザー視点を身につけることは不可能という結論に達しました。事業会社出身者の支援会社が増えているのも、彼らがエンドユーザー視点を持ってマーケティングができており、他の支援会社に対して差別化できるからでしょう。

支援会社プロパーの人が支援会社に在籍しながらエンドユーザー視点を習得する方法は、副業で事業会社のマーケティングを経験することです。

  1. マーケティング担当者が不在の会社の案件を受ける

  2. マーケティングリテラシーが低い中小企業やレガシー企業の案件を受ける

理想は1です。業務委託に指示する人が誰もおらず、ゼロベースでマーケティングを立ち上げることになるので、嫌でもエンドユーザー視点が身につくでしょう。しかし、こうした案件は非常に難易度が高いので、支援会社プロパーの人に対しては発注してくれない可能性もあります。

1が難しい場合は2もおすすめです。クライアント側のリテラシーが低く要件定義をしきれないため、クライアントの要件定義を待っていてはいつまでも施策が進みません。自分がエンドユーザー視点を持って要件を作ることになるでしょう。


私のマーケティングの仕事については下記の記事をご覧ください。

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