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2000年代FPSシーンを振り返る

知人とeスポーツの話をしていて、昔の国内FPSシーンってこんな感じだったねという話で盛り上がった。

こういう生っぽい情報は意外とあんまり見つからないかもしれないので、メモしておく!


2000年代以前

この時代、日本で最も有名なFPSは「ゴールデンアイ 007(N64)」で間違いないと思う。

FPSという言葉を知らない人でも「64のゴールデンアイみたいなやつ」と言うと通じてしまうようなところがある。(ただし20代後半以上に限る)

当時の状況から考えると、この時代にコンシューマーでFPSをつくったのはけっこうすごいことだ。

FPSというジャンル自体、このころはまだ確立していたか怪しくて『DOOM系』などと呼ばれていた。(DOOMというのはFPSの元祖と言われているゲームで、もとはPC-DOS向けのゲームだが、実は1994年ぐらいにスーファミで発売されていたりする)

「ゴールデンアイ 007」は大ヒットと言ってもいいぐらい人気を得るのだが、今思えば64のスティックを中心に据えた操作系と、みんなでワイガヤするコンセプトはFPSに非常にマッチしていたと思う。それを見越してつくったのか、開発者の方に聞いてみたさがある。

他には「パーフェクトダーク(これもN64)」が少し売れたりするのだが、ゴールデンアイに続くようなヒット作はなく、この後しばらく国内FPS市場は冬の時代に突入する。


2000年代前半

国内では冬の時代だったが、海外では順調に発展を遂げて、国内でも一部のコアゲーマーが遊ぶジャンルとして確立していった。

このころFPSは「スポーツ系」と「リアル系」に分けて話されるようになる。

スポーツ系は、体力がゲージ制で、高速で移動し、重力感の薄い大ジャンプなどが可能で、ロケットランチャーやレーザービームで戦うイメージのものを指す。最近だとオーバーウォッチあたりがそれにあたると思う。

リアル系は、撃たれればほぼ即死で、銃の反動などがリアルに再現され、移動速度や装備も現実世界を強く意識した設計のものを指す。CoDシリーズがわかりやすいだろう。

この時期に重要な役割を果たしたのは、スポーツ系では「Quakeシリーズ」や「アンリアルシリーズ」といったタイトルたち。(現在でも3Dゲーム開発の主流エンジンである"アンリアルエンジン"はもともとこのタイトルを開発するためにつくられたものだ)

リアル系で重要な役割を果たしたのは「カウンターストライク」と「バトルフィールドシリーズ」と言っていいと思う。

この頃のFPSにおける大きな変化は、インターネット常時接続や高速回線が当たり前になるに連れて、ネット対戦を中心としたゲーム性になったことだ。

シングルプレイ中心だったFPSが、対戦ゲームの代表格になった。先に挙げたタイトルも対戦ゲームとして流行したタイトルたちだ。

余談だが、現在の人気タイトルシリーズである「Call of Duty」や「Rainbow six」シリーズもこの時期に存在している。が、当時はマルチプレイよりも明らかにシングルプレイを重視したつくりになっていて、現行タイトルとはかなり違う趣のものだったし、マルチプレイで遊ぶ人口は非常に少なかった。他にも「ハーフライフ」や「ゴーストリコン」や「メダル・オブ・オナー」がシングル(またはCOOP)プレイFPSとして人気を博していた。

今のeスポーツに向かう基礎はこの時代につくられたし、海外ではRTS等と並んで一大主流ジャンルとなった。Quakeやカウンターストライクといったタイトルでプロゲーマーが生まれ始めたのもこの頃だ。


なぜ海外では主流ジャンルになったのに国内ではそうならなかったというと、まずゲームハードの違いが大きい。

アメリカではPCでゲームをすることはごく当たり前だ。そして、FPSを知っている人ならなんとなくわかるかもしれないが、そもそもFPSはPCでプレイすることを前提としてゲームデザインしているとしか思えない点が多い。

一方で国内に目を向けると、素晴らしい国内ゲームメーカーの数々によって、コンシューマー(そしてアーケード)市場が異様に発達していた。

そして、国内でウケていたのはコンシューマーゲーム機で遊ぶのに向いているRPGやアクションゲームだった。PCでゲームをするというのは、一部のギークかゲームヲタクだけの世界だった。

なにせコンシューマーゲーム機はインターフェースがとても優れていた。買ってきてソフトを投入するだけで誰でも簡単に遊べた。

PCゲームを遊ぼうと思ったら、インストール、ドライバのバージョンアップ、ネット接続の設定、スペックが足りなければグラフィックカードの挿し替え、などゲームをするために必要なことが多すぎる。

先にコンシューマーゲームが発展した日本では、このハードルを超えてくるのは一部のコアゲーマーだけだったのだ。


2000年台後半

この時期はまたガラッと様相が変わってくる。まず、少なくとも国内においてスポーツ系は絶滅寸前になっていた。

なぜそうなったかは定かではないのだが、リアル系と比べてもゲームスピードが非常に早く、同時プレイ人数が少ない当時のゲームデザインはひとつの要因だったかもしれない。マニアックすぎた。

プレイする人がほとんどおらず実質遊ぶことができなかったため、スポーツ系FPSはこの時代において存在しないに等しかった。


で、リアル系FPSのほうはどんな状況だったかというと、相変わらず「カウンターストライク(1.6、Source)」や「バトルフィールド(2)」といったタイトルが人気を博していたが、無料で遊べるFPSもいくつか台頭してきていた。

代表的なタイトルは「TrueCombat:Elite」や「サドンアタック」や「SPECIAL FORCE」といったあたりだろうか。

これらは無料で遊べたので(当時にしては)プレイ人口が多かった。プレイ人口の多さは対戦ゲームにとっては生命線だ。


この頃のFPSシーンにおいて重要な流れがいくつかある。


ひとつは、ゲーム実況配信シーンの立ち上がりだ。

当時まだニコニコ生放送やUstreamのようなクライアントサーバ方式のストリーミング動画配信プラットフォームは存在しなかったが、一部でP2P方式のゲーム実況配信シーンは立ち上がってきていた。

この動きは確実に国内FPSシーンを一歩前に進めたと思う。今見ているプレイ画面に自分が入っていけるのは、当時の感覚としてはとても新鮮だった。

FPSがやりたいからFPSをやるのではなく、誰かと一緒に遊びたいからFPSゲームをダウンロードして一緒にプレイするという層が増えた。そして、それができるのは無料のFPSゲームが台頭したからでもある。


ふたつめは、Xbox360の登場だ。

なぜXbox360の登場が重要だったのかを語る前に、ちょっと思い出してほしい。さきほどこう書いたと思う。

今思えば64のスティックを中心に据えた操作系と、みんなでワイガヤするコンセプトはFPSに非常にマッチしていた

そして、Xbox360のコントローラーはこれだ。

もう気づいたと思うが、スティック操作を中心に据えたXbox360のコントローラーはFPSをプレイするのに非常に適したデザインをしている。そして、Xbox360はPS3と比べてもロビーシステムやボイスチャットなどオンラインプレイ周りのつくりが圧倒的に優れていた

というわけで、Xbox360はFPSととても相性の良いコンシューマーゲーム機だったのだ。

国内では(同世代機の)PS3に比べてかなり存在感が薄かったXbox360だが、それでも国内販売台数は100万台を超えている。

当時は両方のハードを持ったうえで「FPSゲームはXbox360で買う」という人もかなりいたし、Xbox360は全タイトル中に締めるFPSの割合が高かったので、Xbox360で初めてFPSというジャンルをプレイした人もかなりいた。

PC向けのFPSゲームは国内で数万本売れれば超大ヒットという中で、100万台売れているXbox360の影響は無視できないし、「コンシューマー層がFPSで遊ぶようになった」のは大きな変化だった。


そして、みっつめ。

今日の国内FPSシーンに最も多大な貢献をしたタイトル「Call of Duty 4: Modern Warfare(CoD4)」が発売された。

先に書いたような「ゲーム実況配信市場の立ち上がり」「Xbox360の登場」によって温められた国内FPS市場にタイミングよく登場したこのタイトルは、マニアックすぎないカジュアルさと、コアゲーマーに受け入れられる競技性の絶妙なバランスを備えていた。
それに、シングルプレイの出来栄えも非常に良かったので、FPSを初めてプレイする人でも楽しめた。

CoD4はそれまでの国内FPS市場の基準で考えるとあり得ないほどにヒットした。特にコンシューマー市場で非常にウケが良かった。

このタイトルが出るまでは、ライトゲーマーの知人とFPSの話をするようになるとは思ってもみなかったのだが、それを現実のものにしてしまった。


そして現在

もうあとは知っての通りで、国内でもFPSは主流なゲームジャンルのひとつになって現在に至る。

今ではPUBGのようにスマホにまで普及して、ごく一般的なジャンルになった。


ちなみに自分は今ではさっぱりFPSはやらなくなってしまったのだが、一番ハマっていたFPSは「TrueCombat:Elite」だ。

クランを立ち上げて平日4時間・休日10時間以上プレイする生活を毎日、半年の間続けた結果、国内大会で優勝を果たしたこともある。
……のだが、それはまた別のおはなし。

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