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記念日へ。

5年も続けている。
というか、結婚するまでは、ひとりの男と5年も付き合ったことがなかった。
こうやって年月って過ぎていくものなのね。

たまに、独り身に戻りたいなあとか思う時もあるけど、台所の湯気の感じとか、お風呂のにおいとか、一緒に寝てるシーツの肌触りとか。いちいちそういうのがカラダに染み付いている。お別れするということは、そういうちいさなことを全部カラダから引き剥がすということで。その痛みにはちょっと耐えられそうにもない。

帰った時に電気がついてる安心感は何にも替えがたく。

なんだかんだと夫のことは信頼していて、5年間という結婚生活の中では、石を重ねるかのように、小さく小さく積み重ねてきた。わたしの前にはいま、「信じあう」という小さなタワーが立っている。先のことはわからないけれど、しばらくはこのタワーをガラスケースか何かに入れて見守っていたいよ。

5年目、おめでとう。わたしたちに。記念日に。

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