とおん

音楽学専攻→大学院で芸術学。ノートには音楽のこと、本のこと、デザインのこと、絵のこと、…

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音楽学専攻→大学院で芸術学。ノートには音楽のこと、本のこと、デザインのこと、絵のこと、などを綴ります。

最近の記事

繰り返し

繰り返しが心地良くなる現象には、 時間の間隔が関係している ドラムマシンの四つ打ちは心地よくて、 繰り返しの毎日は、退屈である 一般に体の大きな動物は、 小さな動物より 時間感覚が長いとされている 心臓のテンポも、 ゾウはネズミよりゆっくりだ ゾウの時間をインストールすれば 退屈な毎日の繰り返しも グルーヴィーかもしれない

    • 「音割れしないレコーダー」zoom F3 レビュー

      音割れしない、つまり32 bit float対応のレコーダー、zoom F3を買ってみた。 なかなか良い。レコーダーとしてだけでなく、オーディオインターフェースとしても使えるし、なによりその小ささがたまらない。このコンパクトさなら、どこでも持ち運べるし、置き場所にも困らなさそうだ。 注意点としては、主としてXLRのキャノンケーブル向きで、6mmのTSRフォンのケーブルがささらない形状になっているので、ギターやシンセを接続したい人は、要確認である。 オーディオインターフェ

      • 『教養としての能楽史入門』読んでみた

        この本は結構おもしろい。 能楽に関する本は、日本の文化なだけあって、さすがにたくさんある。しかし、新書サイズで、一般の人にもわかりやすく通史を教授してくれる本は、見当たらなかった。 「通史」であることが重要で、「能の作法」や、「あらすじの解説」などではないところに、この本の意義があると思う。 能は予習の必要な芸術である。というか、芸術一般は、少なからず予習が必要なものだ。制作側や演者の方は、「どなたでもお気軽にいらっしゃってください!」と勧めるが、それはオープントークであ

        • 何を聞くか

          音楽は、その酒に酔っていられる間はかなりの精力剤だが、自分の体に合うものかどうかの選別が難しいし、飽きも遅かれ早かれやってくる。 音楽といっても、J-POP なのか、洋楽なのかクラシックなのか、古楽なのか、いろいろ状況が違うので、一概にどれも「精力剤」としてまとめるのは雑でしかないが、しかし、レポートを前にして Apple Music を開く今の私にとって音楽は、精力剤の役割を期待しているのはほぼ間違いないだろう。 さて、問題は何を聞くかである。 昨日と同じプレイリスト

        繰り返し

          記憶の錯覚

          ふとした瞬間に、例えば電車を降りて改札に向かうときに、「あれ、Aさん?」って知人を想起する時がある。 そして、95パーセント人違いだと瞬時にわかる。 これを仮に「記憶の錯覚」と名付けよう。 記憶の錯覚には大きく3つのパターンがある。 1.想起した人物に対してプラスの感情を持っている場合 2.想起した人物に対してマイナスの感情を持っている場合 3.想起した人物に対して何の感情も抱いていない場合 1の場合、「あー、しばらく会ってないな、今度ひと段落したら飲みにさそってみよ

          記憶の錯覚

          ベートーヴェンと調性格論(1)

          ベートーヴェンと調性格論 シンドラーの伝記による記述  C.F.Dシューバルト(Christian Friedrich Daniel Schubart,1739-1791)の調性格論は、19世紀初頭に印刷版が世間に広く流布された。その中で当時の多くの人に知られ、影響を与えることになった。そのうちの1人にルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven, 1770-1827)もいた。ベートーヴェンの伝記『私の知るベートーヴェン (Beethove

          ベートーヴェンと調性格論(1)

          ブルギュミュラー【ひたすら和声分析vol.1】

          ピアノ作品集のブルギュミュラーをひたすら和声分析していきたいと思います。PDなので、ブログやイベントで使いやすくて嬉しいです。 今回は二曲目のアラベスクを題材にします。 さっそく1段目! ☆Ⅰ→Ⅳ→Ⅰ イ短調。Ⅰの和音(ラドミ)の基本形が4回続くイントロです。「イントロはシンプル」という王道を貫いています。 「ラシドシラ」という第1主題がはじまりますが、和声はそのまま変わらず。5小節目で、「ラレファ」になっているので、Ⅳの第2展開形に一瞬変わります。 ☆Ⅲ→Ⅶ7、

          ブルギュミュラー【ひたすら和声分析vol.1】

          今日のひと破り

          「とにかく書いてみる」 外山滋比古さんの「思考の整理学」をちぎって毎日持ち歩いている。エッセイだと、一日1章くらいのプチ読書だ。本がボロボロになるけど、ページで持ち歩くと信号待ちとか、電車待ちの時にサッと出せて読めるからスマート。パスワードロックもないし、ダウンロードもないから、UIもスマホよりダントツ。 (この読書法はディール・カーネギー著「話し方入門」に書いてあったよ) それで、最近思ったのが、いちにち3〜5ページ破って読んだものをまとめて、自分の見解を付加し

          今日のひと破り