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20050925 ミドリガメの鼈甲

 ミドリガメはアメリカから持ち込まれ日本に帰化してしまった亀$${^{*1}}$$である。我が家にも一$${^{*2}}$$匹いる。原産地の気候と日本の気候とがよく似ている$${^{*3}}$$のだろう。また原産地ではワニなどの天敵がいるのでそれに合わせて繁殖力が旺盛になっている。日本では天敵がいないため、土着の亀よりも増え易いらしい。

 更に原産地では食用とされるというのを何かで読んだことがある。日本ではスッポン$${^{*4}}$$は食べる$${^{*5}}$$が、それ以外は食べない。ミドリガメはその色からして食べる気が全く起こらない。だから更に増える。

 愛玩用として用いられるが、それは幼亀の頃だけで大きくなれば逆に捨てられる。これではやはり増える一方だ。他にミドリガメの用途はないだろうか。用途があれば、捕獲が盛んになって元の生態系に近づけることができる。

 鼈甲$${^{*6}}$$の代わりにならないだろうか。鼈甲はタイマイの甲羅$${^{*7}}$$を使うが、ミドリガメもタイマイ$${^{*8}}$$も同じ亀の仲間なので同じ成分の材料が採れるのではないか。タイマイ$${^{*9}}$$は鼈甲の材料として乱獲され数が減っているらしい。それがミドリガメで代用できるとなれば、捕獲が盛んになって生態系の復元に貢献する。

 タイマイの甲羅の小片は熱、水、圧力を加えてやると$${^{*10}}$$互いが接着する。この接着させた素材を使って鼈甲細工$${^{*11}}$$を行う。素材が接着剤なしでくっついてしまうと言うことは何度でも再利用ができるということなのだろう。無駄のない素材である。無駄がないはずだが、タイマイが絶滅に瀕しているらしい。

 ミドリガメは成長とともに甲羅が剥がれる。在来種のイシガメやクサガメも甲羅が剥がれるが、ミドリガメのように甲板(こうばん)一枚一枚ずつ剥がれるのではなくボロボロとなって剥がれるので使えないだろう。これがミドリガメから剥がれた甲板$${^{*12}}$$である。見るからに鼈甲の材料$${^{*13}}$$に似ている。試しに熱や圧力で接着するかやってみた。欠片を水に濡らして半田ごて$${^{*14}}$$で押す。髪の毛が燃えるような臭いがしただけで全くくっつかなかった。

*1 Yahoo!きっず図鑑 - ずかんカード - 爬虫類 ミシシッピアカミミガメ
*2 20050619 亀の名前
*3 外来生物法 要注意外来生物リスト 爬虫類・両生類 個表
*4 suppon スッポン
*5 20040811 スッポン養殖場
*6 まちを元気にする達人たちFILE010 森 俊昭
*7 江戸鼈甲 伝統工芸士 『仙翠の世界』・江戸鼈甲とは
*8 Yahoo!きっず図鑑 - ずかんカード - 爬虫類 タイマイ
*9 タイマイ
*10 鼈甲制作
*11 磯貝 一 / 鼈甲
*12 kouban.jpg
*13 江戸鼈甲B
*14 20031226 半田ごて

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