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20050210 二十世紀の予言

 「『二十世紀の予言』って知っとる。二十三個中十八個当たっとるんだって」と言いながら小学六年生の息子が国語の教科書を見せてくれた。

 「知らんなぁ」といいながら息子が差し出した教科書を見てみると、1901年(明治三十四年)の正月つまり二十世紀最初の正月に書かれた新聞記事について書かれた文章が掲載されていた。教科書に載っているこの文章を書いたのはSF作家の横田順彌$${^{*1}}$$である。

 教科書の文章には「二十世紀の予言」という新聞記事を書いた人物の名前は出てこない。早速、「二十世紀の予言」では予言されなかったインターネットという仕組みを使って誰が予言したのかを息子と一緒に調べてみた。

 すぐに出てきた。報知新聞$${^{*2}}$$にいた村井弦斎$${^{*3}}$$という人らしい。はっきりとは判らないようだ。彼が書いたのではないかと考えられている$${^{*4}}$$。愛知県豊橋市の出身$${^{*5}}$$だった。豊橋の有名人と言えば、松平健$${^{*6}}$$、平田満$${^{*7}}$$、喜多郎$${^{*8}}$$、小柴昌俊$${^{*9}}$$、荻野久作$${^{*10}}$$、丸山薫$${^{*11}}$$などがいる。

 『二十世紀の予言』の二十三項目とはこんな内容$${^{*12}}$$だった。「買物便法」という項目がある。「寫眞電話によりて遠距離にある品物を鑑定し且つ賣買の契約を整へ其品物は地中鐵管の裝置によりて瞬時に落手することを得ん」とあった。インターネット通信販売そのものではないか。「鉄管で瞬時」とまではいかないが、宅配便ですぐに手に入れられるようになった。「寫眞電話$${^{*13}}$$」を予言して、更にそれを使った商売までも見事に的中させている。恐るべき洞察力である。

 息子に「今から百年後どうなると思う」と尋ねたら「ボロボロじゃないの」と答えてきた。子供にとって未来というのはそんなに暗いものなのだろうか。

*1 SFWJ:member-YOKOTA-JUNYA
*2 報知新聞社 history
*3 平塚市博物館/村井弦斎
*4 村井弦斎について/エピソードの一部 moreinfo
*5 弦斎まつり~ご案内~
*6 松平健公式サイト-華鳥風月-
*7 平田 満 プロフィール
*8 喜多郎:KITARO Broadband Official Site
*9 20021010 ノーベル賞(2)
*10 20030919 荻野式
*11 豊橋市/丸山薫賞 - 平成15年度 -
*12 20世紀の予言
*13 IPテレビ電話研究会

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