見出し画像

20001116 ボツリヌス菌培養装置

 最近、凝っている食べ物でチャンジャ$${^{*1}}$$という物がある。近所の店ではなかなか売っていなくて、売っている店を見つけてもたまにしか入荷していないので、食べたいときには色々な店を探しに廻らなければならなかった。

 近くのスーパーマーケットで常備されるようになったようだ。早速購入して味見をした。少し甘味がある。今まで食べたチャンジャとは少し違う味だが、美味しい。

 このチャンジャはガラス瓶に入っている。丁度、桃屋の瓶詰め惣菜$${^{*2}}$$やなめたけ茶漬けと同じ具合である。今までは漬け樽から出してプラスチック容器に入れて売っているのしか見かけなかった。

 簡単なプラスチック容器では密閉できないので長期保存が出来ない。瓶詰めなら密閉できるので保存がし易い。桃屋は容器内の食品の鮮度を保つために殺菌した食品を瓶に詰めてから蓋と食品との隙間をほぼ真空にしている。この真空が保たれていれば中の食品は腐っていないということで、真空が破られると蓋が変形してポンと音が鳴るようになっている。これを桃屋では「セーフティボタン$${^{*3}}$$」と称している。もし何らかの原因で中の真空が開封前に破られていると、開封の時に音がしないのでそれが判るわけである。

 真空にする理由は空気中の酸素が食品を酸化して風味を損ねたり、カビが発生しない様にするためである。

 購入した瓶詰めのチャンジャの蓋には桃屋のようなセーフティボタンは付いていなかった。その代わりに蓋の裏にはエージレス$${^{*4}}$$が貼り付けてあった。これによって瓶の隙間にある酸素を吸収してチャンジャの鮮度を保っているのである。

 なかなか気を使ったことをしているなと思った。しかし酸素を抜くことは嫌気性の細菌を培養することになる。エージレスの説明を読むと食品のおいしさの保持とともに嫌気性細菌の培養にも使えると書いてある。つまり瓶の中で嫌気性の細菌を培養できるという事である。嫌気性の細菌で最も恐いのはボツリヌス菌$${^{*5}}$$である。食品を瓶に詰める前に十分殺菌していれば問題ないが、そうでない場合は瓶がボツリヌス菌$${^{*6}}$$の培養装置になってしまう。

 瓶の中を真空にして蓋をする技術のない食品製造会社が食品のボツリヌス菌の殺菌に対して十分対策を施す能力があるかどうか判断しようがない。でも、あたるかも知れないフグ$${^{*7}}$$を食べているつもりになれば問題ないだろう。

*1 株式会社 桃屋
*2 20000921 チャンジャ
*3 安心と安全のキャップ
*4 三菱ガス化学株式会社
*5 ボツリヌス中毒
*6 ◆ボツリヌス菌
*7 HGMP Resource Centre FUGU Project

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?