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20051017 石垣島・西表島・沖縄本島(4)

 ハブ$${^{*1}}$$に注意しながら先に進んだ。湿原の次は雑木林$${^{*2}}$$である。地面はぬかって滑りやすい。案の定、仲間の一人が転んだ。

 暫く歩くと大きな川$${^{*3}}$$があった。ヒナイ川である。この川に沿って道がある。これに従って歩く。途中にサキシマスオウノキ$${^{*4}}$$があった。なぜこんな板状の根っこになるのだろう。何らかの理由があるはずだ。少し考えて解らなかったので、考えるのを止めた。滝に近づくと山道になってきた。結構急な道である。

 滝口には丁度昼頃に着いた。滝から船浦湾を望む$${^{*5}}$$。真下を見るとこんな感じ$${^{*6}}$$である。落差が50m以上$${^{*7}}$$あるらしい。風が強いのと恐怖感とで立っていられないので、このように腹這い$${^{*8}}$$になって滝壺を覗き込んだ。

 滝口にある岩は砂岩のような比較的軟らかそうだった。浦内川の滝$${^{*9}}$$と同じで甌穴(おうけつ)$${^{*10}}$$がいくつかあった。川底の凹みに石が入り、水の流れによってその石が回転し凹みを削り徐々に凹みを深くして垂直な穴を作る$${^{*11}}$$。これによってできた穴を甌穴という。岩を水の流れで削るのだから一朝一夕にできるわけではない。大きい甌穴$${^{*12}}$$は何百年、何千年とかかるのだろう$${^{*13}}$$。とはいっても軟らかそうな岩ならすぐにできそうである。

 小さな甌穴を見つけた。穴の直径が10cmぐらい$${^{*14}}$$である。しかも底には3cm程度の丸い石$${^{*15}}$$まで残っていた。これ程小さな甌穴は初めてだ。しかも丸い石が入っている。甌穴はいつでもでき始める可能性があるので、小さいのがあっても何ら不思議ではない。岩の自然な浸食現象を連続写真で撮影することはあまりにも時間がかかりすぎて不可能だろうが、大小の甌穴を見ているとそれが実現できているような感じがして非常に面白い。それにしてもこんな持ち運ぶのに手頃な甌穴の丸石が残っているのは奇跡かも知れない。今までの観光客の道徳心がよっぽど優れていたのか、こんな石に誰も興味を持たなかったのかのどちらかだろう。

 あまり長居をしていると帰りが遅くなる。弁当を食べ、戻ることにした。

*1 20051016 石垣島・西表島・沖縄本島(3)
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*7 ピナイサーラの滝 沖縄観光情報 Webサイト:真南風プラス (財)沖縄観光コンベンションビューロー
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*9 20041018 今年二回目の石垣島・西表島(6)
*10 20010509 甌穴
*11 ~川をめぐることば~ポットホール
*12 ポットホール
*13 文化百選 五島編/ポットホール
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