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20011121 長くつ下のピッピ

 長くつ下のピッピ$${^{*1}}$$という絵本$${^{*2}}$$がある。スウェーデンの女流作家アストリッド・リンドグレン$${^{*3}}$$が1945年に書いた作品である。9才のピッピという名の三つ編みが真横になっている世界一力持ちの女の子$${^{*4}}$$が主人公である。

 UNICEFの通信販売$${^{*5}}$$でCD-ROM版の「長靴下のピッピ」を買ってこの絵本の存在を知った。このCD-ROMはMacとWinと両方に対応が出来る。言語はスウェーデン語、デンマーク語、ノルウェー語、フィンランド語、米語、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、オランダ語、イタリア語、日本語の12カ国語に対応している。米語と英語がわざわざ分けてあるのが凝っている。例えば「小さな町の外れ」という語句が米語では「at the edge of a little town」であるのに対し、英語では「on the outskirts of a tiny little town」となっている。読み方も英米でかなり違う。

 日本語の題名$${^{*6}}$$は「長くつ下のピッピ」で、英米語なら「Pippi Longstocking」である。他の言語でも皆「Pippi Langstrumpf$${^{*7}}$$」といった具合にPippi+(各言語で長い靴下を表す語句)なのであるが、フランス語だけ「Fifi Brindacier」である。「Fifi」が「Pippi」に相当し、「Brindacier」が「長くつ下」に相当するのだろうか。フランス語で長くつ下は恐らく「long bas」であろう。それでは「Brindacier」は何であろうか。辞書には載っていない。検索サイトで「Brindacier$${^{*8}}$$」を調べると「Fifi Brindacier」のことしか出てこない。

 「Brindacier」を分解すると「brin d'acier」となり、「鋼の縄」という意味になる。これはPippiの三つ編みのこと$${^{*9}}$$であろう。「Fifi」は「Josephine」の愛称$${^{*10}}$$のようだ。

 それでは何故「Pippi」ではなく「Fifi」になっているのだろう。フランス人は「h」の発音が慣れていないのと同様に「p」も発音し難いからか。そんなことはない。フランス語には「h」を発音する単語は一つもないが、「p」を発音する単語はいくらでもある。

 Pippiと綴りが少し違うが、フランス語で「pipi$${^{*11}}$$」は小便$${^{*12}}$$を表す。これが原因のようだ。

*1 長くつ下のピッピ - 岩波書店
*2 Samlaren - Astrid Lindgrens b?cker/books/beucher 1944 - 2000
*3 Astrid Lindgren
*4 Pictures of the original Pippi Longstocking
*5 ユニセフ・カードとギフト オンラインコレクション
*6 Did you know that...
*7 Pippi Langstrumpf und Ihre Freunde
*8 Brindacierの - フランス語・フランス語訳 - フランス語辞書 - Weblioフランス語辞典
*9 http://samlaren.se-swed.net/lindgren/pippisamlig52.jpg
*10 || What's In A Name?||
*11 pipi を 日本語 - フランス語-日本語 の辞書で| Glosbe
*12 Jeanneke-Pis official website - Site officiel Jeanneke-Pis

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