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20060927 トウキョウトガリネズミ

 以前に名前に「東京」が付く生き物$${^{*1}}$$は珍しいと書いた。すると読者の方から色々と反応があった。「トウキョウ○○」という名前は結構あるらしい。「トウキョウサンショウウオ$${^{*2}}$$」「トウキョウトガリネズミ$${^{*3}}$$」「トウキョウヒメハンミョウ$${^{*4}}$$」「トウキョウリソツボ$${^{*5}}$$」など。

 この中で「トウキョウトガリネズミ」というのが興味深い。世界最小の哺乳類のようだ。大きさがヒトの指先ぐらいしかない$${^{*6}}$$。これぐらいの大きさしかないのに妊娠して子供を産んで、更に母乳で育てるのだから驚異的である。考えてみると動物の分類$${^{*7}}$$の中で哺乳類ほど大きさの差があるものはないかもしれない。尻尾を入れても全長5cm程度のトウキョウトガリネズミ$${^{*8}}$$に対して最大の哺乳類のシロナガスクジラは25m以上$${^{*9}}$$だから、500倍も違う。

 と思ったが、魚類も大きさの差が大きい。最小の魚類は鯉の一種で8mm$${^{*10}}$$ぐらいで、最大のジンベイザメ$${^{*11}}$$は10mぐらいだから、1000倍以上だ。昆虫ではどうだろう。最小の昆虫はアザミウマタマゴバチで体長0.2mm$${^{*12}}$$、最大はオオトビナナフシ$${^{*13}}$$で20cmぐらいになる$${^{*14}}$$らしい。これでも1000倍になる。爬虫類だと最小はドミニカのヤモリで16mm$${^{*15}}$$、最大は アミメニシキヘビ$${^{*16}}$$で3mぐらい。これは20倍程度になっている。

 同じ仲間なのに大きさがかなり違うというのは不思議な感じがするが、「同じ仲間」としたのは、勝手に人間が考えただけ$${^{*17}}$$なのである。勝手に決めて、勝手に感心している。こちらの方が不思議かも知れない。

*1 20060527 トウキョウダルマガエル
*2 トウキョウサンショウウオ
*3 東京都公式ホームページ/「世界最小の哺乳類!」トウキョウトガリネズミ初公開
*4 トウキョウヒメハンミョウ
*5 Alvania tokyoensis [ トウキョウリソツボ ]
*6 トウキョウトガリネズミ初公開──多摩 2005/08/11 | 東京ズーネット
*7 分類
*8 トウキョウトガリネズミ
*9 Yahoo!きっず図鑑 - ずかんカード - 哺乳類 シロナガスクジラ
*10 World’s smallest fish - Natural History Museum
*11 沖縄美ら海水族館 - 美ら海図鑑
*12 20020514 昆虫の水分
*13 群馬県立自然史博物館 - オオトビナナフシ
*14 仕事中の海野 - 海野和男のデジタル昆虫記 - 環境goo
*15 Penn State Eberly College of Science -- World's Smallest Lizard Discovered in Caribbean
*16 Yahoo!きっず図鑑 - ずかんカード - 爬虫類 アミメニシキヘビ
*17 生物の名前と分類

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