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20060409 CcとBcc

 ふとしたことから電子メールの「To」「Cc」「Bcc」の区別がよく判らなくなってしまった。「To」というのは普通の宛先である。メールを差し出す相手の住所を書く。「Cc」の欄に住所を書いても「To」の人と同じ内容のメールが届く。どう使い分けるのか。更に「Bcc」となると何がどう違ってくるのか。

 「To」と「Cc」との使い分けはどうすればいいのか。調べてみると「Cc」の場合は、参考までに送ります$${^{*1}}$$、と言った意味になるらしい。では「Cc」で受け取った方はどう考えればいいのか。「参考まで」なのでそのまま読まずに消去しても差し支えないのか。それとも一応は読んで承知しておかなければならないのか。前者であれば送ってもらう必要はない。後者であれば「To」に加えて送ってもらえばよい$${^{*2}}$$。

 「Bcc$${^{*3}}$$」は「Cc」と殆ど同じだが、「Bcc」に記載された住所は、Bccに記載された自分以外には判らない$${^{*4}}$$。「To」「Cc」に自分の住所がないにも拘わらず送られていることから「Bcc」に自分の住所が入っていることが判る。「To」「Cc」で受け取った人は「Bcc」に記載された人が誰なのか、また「Bcc」で送られた人がいるのかどうかさえも判らない。

 「Bcc」はどういう時に使うのか。本来の宛先以外の人にこっそりと送るためなのか。八方美人と受け取られないようにするためなのか。こっそり送ってもらったら、どう対処すればいいのか。今一つ用途が判らない。他の宛先が見えないということから互いに住所を知らせる必要がない複数の相手に同時に同内容のメールを出す場合$${^{*5}}$$には使える。

 「Bcc」で送られてきたメールに返信をすると一体誰が受け取り先になるのか。まず差出人が主たる受取人「To」になる。「Cc」に記載されていた人はそのまま「Cc」に記載されのか。そうなってしまうと匿名性がなくなってしまう。他に「Bcc」で送られている人へはどうなるか。これも「Cc」に住所が記載されてしまうと「Bcc」の意味がなくなる。それにそもそも受け取ったメールの中には他の「Bcc」の情報が入っているはずがない。ということは返信すると差出人のみが受取人になる。

 「Cc」「Bcc」は、それぞれ「カーボンコピー」「ブラインドカーボンコピー」の略である。最近はカーボン紙$${^{*6}}$$など余り見かけないので、最初から電子メール用語と思って$${^{*7}}$$「カーボンコピー」という言葉を使っている人が多いかも知れない。

 「ブラインドカーボンコピー」の「ブラインドblind」は「盲目、めくら」という意味があるので、「見えないカーボンコピー」と解釈している場合がある。しかし「Bcc」で来たメールそのものを受け取った人はそのメールを読むことができる。見えないのは他の人だ。「他の人が盲」だから「blind」というのは何とも不可解な命名法$${^{*8}}$$だ。

 どうも「blind$${^{*9}}$$」は日本語の盲目という言葉よりもかなり広い意味を持っているようだ。「見にくい、見えにくい」「はっきりしない」という大雑把な意味もある。語源$${^{*10}}$$から言っても元々は「ぼやっとかすかに光る」「ごちゃ混ぜになる」という意味らしい。日本語の「めくら」とはかなり違う。

 「blind mail」という言葉がある。宛先不明の郵便物という意味だ。「ブラインドカーボンコピー」はこれの連想ではないか。めくらと言う意味に限定されないから、この解釈ですっきりする。

*1 メールのあて先 To・Cc・Bcc
*2 Yahoo!メール - Yahoo!メール使い方ガイド 二人以上に同時に同じメールを送信
*3 Yahoo!メール - Yahoo!メール使い方ガイド
*4 メールの活用(CC、BCCや仕分けなど)
*5 cc: bcc: の使い方
*6 ゼネラル株式会社:カーボンのミニ歴史
*7 カーボンコピーとは 【CC】 - 意味・解説 : IT用語辞典 e-Words
*8 20010328 無洗米
*9 blind. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*10 Online Etymology Dictionary

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